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【AIを使いこなすツール】何が本当の仕事でしょうか?『予測マシンの世紀 第三部』#15

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
 第十二章 ワークフローを分解する
 第十三章 決断を分解する
 第十四章 仕事の再デザイン
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来) 

第三部、ツールに関してです。昨日の記事は以下です。

■仕事を再デザインする
昨日は、放射線科医の新しい仕事の形を見てきました。

1.画像の選択
2.医療行為におけるリアルタイム画像の使用
3.マシンの出力結果の解釈
4.新技術に関するマシンのトレーニング、
5.おそらくマシンが入手できない情報に基づいて予測マシンの推奨を覆すことにつながる判断の採用

さて、他の仕事はどうでしょうか?放射線科医でみてきたとおり、ある仕事は存続しますが、新しいスキルを必要とする可能性が高いです。

特定の仕事を自動化することで、その仕事にとって重要でありながら、これまであまり評価されていなかった他の仕事を強調することが出来る。
例えば、スクールバスの運転手を考えてみよう。スクールバスの運転手は、家から学校までの往復に必要な「運転」という仕事がある。しかし、自動運転車や自動運転の登場により、スクールバスの運転手の仕事自体がなくなってしまう可能性が高い。オックスフォード大学のカール・フレイ教授とマイケル・オズボーン教授は、仕事をするために必要なスキルの種類を調べたところ、スクールバスの運転手は、今後10年か20年の間に89%の確率で自動化されると結論づけた。

スクールバスの運転手は自動化可能です。詳細は以下の2013年の論文をご参考に。

THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?∗

カール・プレイさんの本は面白そうです。

マイケル・オズボーンさんの以下の記事も面白そうです。

では運転が自動化した場合、そこで浮いたコストはどこに使うのが良いでしょうか?放射線科医の仕事と同様、スクールバスドライバーは運転だけをしているわけではありません。

スクールバスドライバーと呼ばれる人が学校への送迎バスを運転しなくなったら、自治体はその節約した給料を使い始めるべきなのか?たとえ自動運転のバスであっても、現在のスクールバスの運転手は、単に運転するだけではない
第一に、大勢の小学生をバスの外の危険から守るために監督する責任ある大人である。
そして、同じくらい重要なのが、車内の規律を守ることだ。子どもたちを管理し、お互いを守るためには、やはり人間の判断力が必要だ。バスが自動運転できるようになったからといって、それらの仕事が無くなるわけでは無いが、バスに乗っている大人がそれらの仕事にもっと注意を払うことができるようになったということだ。

運転は自動に、その代わりバス内での快適さに時間と人を使うことが出来るようになる、いいですね。

「スクールバスドライバー」のスキルセットも変わるかもしれない。運転手は、現在よりも教師に近い役割を果たすようになるかもしれない。しかし、重要なのは、自動化によって人間が仕事をしなくなっても、必ずしも仕事がなくなるわけではないということだ。雇用者の視点では、誰かがその仕事をすることになる。従業員の立場からすると、それが他の誰かになるかもしれないというリスクがある。

これは面白いです。ある作業が無くなるだけで、仕事は無くなりません。雇用者の視点、従業員の視点、両方必要です。

仕事の自動化が進むと、何が本当の仕事なのか、人は本当は何をしているのかを、より注意深く考えなければならなくなる。

何が本当の仕事なのか?哲学的になってきましたが、考える必要あります。

本では、アメリカのメジャーな仕事の一つ、長距離トラックの運転手も例に取り上げられています。トラック運転手は、自動化の可能性を秘めた職業です。知らなかったですが、映画「LOGAN」では、トラックが車輪のついた単なるコンテナと化した近未来が描かれているそうです。

人間のいない大陸をトラックが横断する光景が本当に見られるだろうか?その場合、トラックは人の目に触れることなく移動することになるため、さまざまな問題が発生する。例えば、トラックやその荷物はハイジャックや盗難に遭いやすくなる。

そうすると、人がトラックに同乗する必要が出てきます。監視用ですね。しかし、この監視は今までの運転よりもはるかに楽です。1人の人間が、もっと大きな車両や、あるいは複数の車両を連結して移動することも可能になるでしょう。

しかし、その場合でも、少なくとも1台のトラックには、車両を保護し、両端のトラックへの積み下ろしに関わる物流や人間関係に対処し、途中で起こる不測の事態を回避するための人間のための運転室が必要となる。そのため、これらの仕事をまだ切り捨てることは出来ない。現在のトラックドライバーは、それらの仕事に最も適しており、経験も豊富であるため、再定義された役割に最初に採用される可能性が高い

うーん、未来。

まずは自分の仕事を予測マシンの文脈で考えなおします。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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