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【第3回】ポートフォリオ経営と資本コスト(ウェビナー感想文)

こんにちは! shuhigashiです。
第3回目の投稿は日本経済新聞社主催の「ポートフォリオ経営と資本コスト」というウェビナーの感想文です。このウェビナーから学べることを掻い摘んで書いていきます。
それでは宜しくお願いします!

1.セミナー概要

セミナー内容(公式サイトより抜粋)

2021年春に改訂される「コーポレートガバナンス・コード」では、ポイントの一つとして「ポートフォリオ戦略の実施など資本コストを踏まえた経営の更なる推進」が挙げられています。日本の各企業は「会社の持続的な成長」と「中期的な企業価値向上」を目的に、事業ポートフォリオの組み換えや資本コストを意識した経営が求められます。
この機会に、「ポートフォリオ戦略の実施」と「資本コスト経営」について、更なる理解を深めてみませんか?

セミナー対象(公式サイトより引用)

✓事業ポートフォリオ戦略を検討されている経営層・経営企画の責任者の方✓ROIC経営、資本コスト経営を実践されたい経営層・経営企画の責任者の方

プログラム(公式サイトより抜粋)

1.ガバナンス改革と企業価値
 一橋大学 大学院経営管理研究科 教授 野間 幹晴 氏
2.オムロンの「ROIC経営」の取り組みについて
 オムロン株式会社 取締役 安藤 聡 氏
3.ソニーの多様な事業ポートフォリオと
  長期的な価値創出に向けた取り組み
 ソニー株式会社 VP 財務部 シニアゼネラルマネジャー 早川 禎彦 氏
4.パネルディスカッション 事業ポートフォリオ再編と企業価値向上
 上記で登壇された3名

2.結論(本ウェビナーから学べること)

結論を述べさせていただきます。ウェビナー「ポートフォリオ経営と資本コスト」から学べることは次の2点と考えます。

①伊藤レポート以後の日本企業のROE上昇の”ワケ”
➁企業理念実践経営と発想の転換

それでは、1つずつ見ていきましょう。

3.伊藤レポート以後の日本企業のROE上昇の”ワケ”

出ました「伊藤レポート」。やっぱりこの類のテーマにおいては、行き着く先にはいつも伊藤レポートがいらっしゃるのですね。笑
伊藤レポートをご存知でない方は、そのもの自体を参照いただくかコチラの書籍を参照いただくことをオススメします。

そもそも伊藤レポートは2014年に報告されておりますので、今(2021年)から約7年も前のものになるのですね。その後2017年に「伊藤レポート2.0」が報告されているとはいっても、やはり根幹は伊藤レポートなのですね。

で、話を戻しまして、学べることの1つ目は基調講演をされた野間先生のお話の中に出た来た内容です。「伊藤レポート以後の日本企業のROE上昇の"ワケ"」と私は過大表現みたいな感じにしましたが、あながちそういう”ワケ”でもなさそうなんですよ。"ワケ"とつくと、なんだかイヤな予感がしますよね・・・。その通りなんですよ。

伊藤レポートでは、”かくかくしかじか”によって、(略しま~す)

✓企業価値を生み出すための大原則は、中期的に資本コストを上回るROEを上げ続けることである。
最低限8%を上回るROEを達成することに各企業はコミットすべきである。

としています。はい。

「じゃあ、ROEは8%超えるようにしますよ、伊藤先生!」
ってな感じかは不明ですが、日本の各企業は何かを頑張ってROEの向上に着手したんですね。そして日本企業は成果を上げました!
今回のウェビナーの資料によりますと、伊藤レポート前後の日本企業のROEの平均値と中央値の変化は次のようだったそうです。

平均値 : 5.7% ⇒ 7.2%
中央値 : 6.2% ⇒ 8.4%

すごいですよね。伊藤レポート以後については「2014年9月決算~2020年3月決算」としているため、約5年半での成果となりますと、これはすごいことだと思います。ROEに関しては。

では、日本企業は何を頑張ってROEを向上させたのでしょうか。

はい。それは、ROS(売上高当期純利益率)を改善したのだそうです。
なるほどなるほど。そう来ましたか。というか普通じゃないか?

え?何が"ワケ"なの?利益率が高いことって良いことじゃないの?
って私は思いました。

いい感じにROSを改善できていれば、当然良いですよね。
それが、いい感じではなかったみたいなんですよ。

ハーバード・ビジネス・スクールのWang准教授らの論文によりますと

-JPX日経400はROEと営業利益、株式時価総額の指標によって企業を選定し、毎年、入れ替えを行う。
-上場企業を3つの指標によって順位付けし、301~500位の企業と、501~800位の企業を比較した。
-(JPX日経400の)ボーダーライン上の企業である301~500位の企業では、研究開発集中度(研究開発費÷売上高)が減少していることが確認された。

まさに「本末転倒」ということですよね。そこに手を付けちゃったんか~い!って叫びたいですよね。
このクダリ、既視感があるんですよ。そうです。みんな大好き「シン・ニホン」ですよね。多くの方が読書感想文出されていますが、私も負けず、私の目線で今度読書感想文を記事にします!

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話を戻しますと、企業の競争力の中核である研究開発費の削減につながり、短期志向に拍車がかかってしまったそうです。

もちろん、そんなやり方ではなく、中長期的な経営をとられた企業も多く存在していると思います。

私みたいに、”かくかくしかじか”によって、(略しま~す)
とか言ってたら、「ROEを8%にするだけでいいんだな!」って捉えちゃって、それだけにしか目が行かなくなります。私も気をつけたいと思います。

自社がこの過ちを踏んでいたかについては、これからチェックしていきますし、今後についても反面教師として、地に足をつけて、中長期的な視点で経営を行っていけるようにしたいと思いました。非常に学べました。

4.企業理念実践経営と発想の転換

2つ目の学べる内容は、オムロンの安藤氏がお話いただいた内容からです。お話を聞いていた私からすると、「企業理念を拠り所にする」などという内容については、ごくごく当たり前のことを言ってるなぁ~って聞いてたんですが、「ROIC経営やるぞー!ROIC向上させるぞー!何としてもROIC逆ツリー作るぞー!」って頭の中がROICの4文字に埋め尽くされ突っ走って壁にぶち当たったときに拠り所になる「企業理念」に帰還すると思うのですが、そもそも帰還せずにやってみなさいっていうやり方ですね。

先ほどの「ROEは8%を上回るように」と同じですが、数字に踊らされますよね、こういう類の仕事って。安藤氏は言われてました。

・ROICは万能ではない。手段である。
・ROICは経営管理のルールである。

刺さるし、ROICの4文字に縛られていた私の気持ちを楽にさせてくれる発言です。私も誰かに同じようなことを言ってあげたいです。

確かにROICという数字に一喜一憂していては、物事は前に進まないので、良い気持ちの持ち方ですよね。

で、「発想の転換」ですね。いいですね~この流れ!気持ちが楽になった後の発想の転換って、話が上手ですよ!!!

統合的でサステナブルな経営を実践するための2つの発想の転換があるそうです。それが次の通りです。

1.「思考」におけるパラダイムシフト
 △改革・変革・・・フォアキャスティング ≒ ショートターミズム
          (過去・現在の延長)  (短期志向)
           ∴PL経営
 ◎デザイン ・・・バックキャスティング ≒ ロングターミズム
          (未来構想)      (長期志向)
           ∴BS経営&CF経営

2.ビジョンを実践するための拠り所

 ◎変えてはいけないもの・・・「企業理念」、「経営のスタンス」
 △適時適切に変えるべきもの・・・「企業文化」、「企業風土」

そうですよね。そうですよね。って改めて確認ができました。特に「企業文化」、「企業風土」は適時適切に変えるべきという内容、まさに自社が取り組んでいる企業ブランディングの再構築(従業員エンゲージメントの向上)に繋がってきますよ~~~!!(私は携わっていないですが。笑)

自分の考えが、誰かと一致する時、特にその道のプロ(先駆者)と一致する時って、嬉しいですよね。頑張っていけるって思えました。

5.最後に

野間先生は一橋大学の教授ですので、「もしかして」と想像はしておりましたが、ご自身で「伊藤先生は私の御師匠」と仰られていました。伊藤先生のお弟子さんなんですね。やっぱり。笑
野間先生の基調講演やパネルディスカッション良かったです。話に引き込まれる感があって、もっともっと喋って欲しかったです。有意義な時間なんていつも速く終わってしまうものです。。

ソニーの早川氏のお話、面白かったです。ソニーといえば私はプレイステーションのイメージが強く、ゲームの会社というイメージでした。私が小さいころから触ってきたゲームについて、ビジネスとしてお話されていたのが、ものすごく違和感を感じました。(ユーザ目線過ぎました。笑)
お話された内容もしかり、パネルディスカッションの際の早川氏は頭の回転はキレキレだったのが驚愕でした。ビジネスのことをものすごく頭で考えていらっしゃって且つ、それを自分の口からスパスパ出せる辺りが好印象でした。私もああいう風になりたいと思いました。

そして、「ROIC経営」の先駆者で有名なオムロン。このウェビナー以外でも安藤氏が登壇されたウェビナーを受講したことがありますが、いつも思うのが、話し方が本当に上手。スッと頭に入ってくる感じが気持ちです。それと、オムロンといえば「ROIC逆ツリー」ですよね。私も作ってみたいなぁ~と思っています。「ROIC逆ツリー」についても今後色々と調査して記事にしてみたいと思います!

現在「ROIC経営 稼ぐ力の創造と戦略的対話」という書籍を読んでおります。ちょうど読んでいた時にこのウェビナーを知りましたのでタイムリーで良かったです。この書籍の読書感想文を今度記事にして出したいと思います!
読み途中ではありますが、この本、いい感じですね。オムロンのROIC経営についても書かれてますし、順を追って説明してくれるっていうのが一番良いところだと思います。特に素人の私にはピッタリな感じです。

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~行動は今日からはじめる!~
それでは頑張っていきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上です。


Thank you!