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【第2回】ROESG世界1位 ノボ ノルディスク社のサステナブル経営から学べること

こんにちは! shuhigashiです。
第2回目の投稿は、2019年8月に日本経済新聞に掲載された「ROESGランキング」で世界1位となったノボ ノルディスク社のサステナブル経営から学べると感じたことを書いていきます。
それでは、宜しくお願いします!

尚、同56位(日本勢1位)の花王について書いた記事も投稿しています。気になる方はコチラをご覧ください。

1.ROESGとは?

「では結論からです」と言いたいところですが聞き慣れない言葉が多いので、まずはその整理からです。
ROESGとは、一橋大学 CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏が考案した、収益力とESG経営を両立している企業を評価する指標のことです。

ROESG(ポイント) = ROE(自己資本利益率) × ESGスコア

※始めにお詫び(いきなり誰に?笑)
本記事のタイトルが大層なため、始めにお詫びしておきますが、実はわたくし、先日とあるウェビナーを受講した際に、伊藤先生が登壇され、そこで初めて伊藤先生という存在を知りました。本記事の大層なタイトルからすると何とも恥ずかしい話ですよね。しかし驚いたのは、伊藤先生のお話が面白いのなんの。素人の私ですが、すぐさま「この人はすごい人だ!」と魅せられ、ググりましたら、SEOという概念とは何だったのかと思わせるレベルでズラズラズラっと検索されるではありませんか。私のように伊藤先生をご存知でなかった方は是非コチラ(Wikipedia)やコチラの書籍(「伊藤レポート」の真意とは)を参照ください。

2.ノボ ノルディスク社とは?

Wikipediaには、次のように書かれていました。

ノボノルディスク(デンマーク語: Novo Nordisk A/S)は、デンマーク・コペンハーゲン北西のBagsværdに本社を置くグローバル製薬企業である。糖尿病領域、成長ホルモン領域、血友病領域において製品とサービスを提供している。ナスダック・コペンハーゲンおよびニューヨーク証券取引所に上場している。

デンマークの製薬企業がROESG世界1位!?って思いませんでしたか?私はてっきり時価総額と相関して「GAFA」のどこかだろうと想像してました。
このノボ ノルディスク社の世界1位のROESG(ポイント)は次の通りです。

ノボ ノルディスク社
ROE「78.9%」 × ESGスコア「1.17」 = ROESG「92.4」

2位の米アルトリア・グループが同「70.5」のため、何とその差「21.9」ポイントで、ぶっちぎりの1位なのです。ランキングはコチラを参照ください。

尚、伊藤レポートでは、日本企業が目指すべきROEは「8%を上回ること」としていますので、ノボ ノルディスク社のROE「78.9%」だけ見ても驚愕ですよね。

ちなみに我が日本勢はといいますと、花王(4452)の56位が最高でした。流石、32期連続増配(2021年3月時点)の超絶優良企業ですね。隙がない。花王のROESGは次の通りです。

花王
ROE「19.1%」 × ESGスコア「1.17」 = ROESG「22.3」

なんと?、ノボ ノルディスク社のESGスコアと同じではありませんか。そもそもROE自体も日本勢の中ではぶっちぎりな点がすごいのですが、ESGスコアが世界1位の企業と同じっていう点も流石ですよね。今度は花王について調査して記事にしてみたいと思います。

3.ESGスコアとは

続いて、ESGスコアですね。コチラも聞き慣れないですよね。今回参考にした記事によりますと、次の通りだそうです。

▼ROESGの算出方法 
ESGスコアは、アラベスク、サステイナリティクス、FTSE、MSCI、ロベコのESG評価機関5社の2019年3月末時点の評価を用いた。各社の上位10%の企業を満点(1点)として10%ごとに0.1点ずつ減らし5社の点数を平均した。上位には最大3割のプレミアムを乗せ、最高点を1.3とした。QUICK・ファクトセットのデータからROEの3期平均を算出し、ESGスコアと掛け合わせた。
 株式時価総額300億ドル(約3.2兆円)以上、自己資本比率20%以上の企業を対象に、資本効率を示す自己資本利益率(ROE)にESGスコアを乗じた。5つの評価機関すべてのスコアがある企業に絞り、263社が対象となった。

なるほど。計算式の根拠はさておき、ESG評価機関5社すべてに自社のESGスコアをつけてもらわないと、このROESGランキングという土俵には上がれないということだけはわかりました。はい。
この辺りについては、調査できるようでしたら記事にしようと思います。

4.結論

お待たせしました。本題の結論を述べさせていただきます。ノボ ノルディスク社のサステナブル経営から学べることは次の2点と考えます。

①財務データ+非財務データを纏めた「統合報告書」の発行
➁社会貢献が結果的に企業価値を高め、若い人材を惹きつける

それでは、1つずつ見ていきましょう。

5.財務データ+非財務データを纏めた「統合報告書」の発行

統合報告書とは、企業の売上や資産など法的に開示が定められた財務情報に加え、企業統治や社会的責任(CSR)、知的財産などの非財務情報をまとめたものをいいます。
当社では、今のところ統合報告書を発行した実績がありません。
監査、税務、アドバイザリーを手掛けるKPMGジャパンの調査によれば、統合報告書を自主的に発行する日本企業は2019年に500社を超え、2020年4月に開催した統合報告セミナーでのアンケートでは、参加者(投資家や学者も数%含まれる)の過半数を超える「58%」が「すでに作成している」と回答し、「検討中」まで含めると「94%」にまで上る結果となったようです。

もはや、統合報告書を作成すること(意識)は、当たり前になってきているのですね。
財務データは、従来からの決算書(財務諸表)で当然ながら賄うことになりますが、非財務データは”表現の仕方”次第で投資家に与える印象が大きく変わりそうですね。統合報告書の非財務データの書き方について、今後調査して記事にしてみようと思います。

6.社会貢献が結果的に企業価値を高め、若い人材を惹きつける

コチラ、ごくごく当たり前のように聞こえる内容ですよね。
でも「社会貢献」という言葉一つ取っても幅が広いですよね。ちなみにノボ ノルディスク社では、「Changing Diabetes® in Children (糖尿病の子供たちの未来を変える) 」というプログラムで、1型糖尿病の子供たちにインスリンの寄付を行っているそうです。つまり無償提供です。すごいの一言です。
このような取組みが、社会に必要とされていると従業員が感じ、それが付加価値となり、無形資産(定量化できない)である従業員エンゲージメントも育み、成長させることができるというのです。素晴らしい循環です。

当社でも昨年、従業員エンゲージメント向上に繋がると考えられる企業ブランディングの再構築がスタートしました。この施策がまさに非財務データの種銭として効いてくるものと考えています。この施策を統合報告書へ上手に反映できだすと、ノボ ノルディスク社に一歩でも近づけますね。

7.最後に

今回参考にした記事が1年半以上も前のものと新しくないため、現状に触れることができなかったのは残念ですが、非常に参考になる情報だったのではないかと思います。
ノボ ノルディスク社のROE「78.9%」という高い数値自体に目がいっちゃいますが、やはり現代を生ける企業は、ESGに(も)目を向ける必要がありますね。

伊藤先生は次のように言われています。

「重要なポイントは、企業を評価する物差しに構造変化が起きていることだ。いくらROEが高くても、ESGへの取り組みが低水準の企業は企業価値をディスカウントされるだろう。逆に高いESGに取り組んでいる企業は、ROEに対してプレミアムがつき、企業価値の評価が切り上げられる
稼ぐ力 + サステナビリティ
  ⇒ ROEとESGの二項対立を超える
   ⇒ ROESG経営

シビれますねぇ~
頑張っていきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上です。

Thank you!