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ピュアな思いから東京、そしてニースへ(レセンシエル オーナーパティシエ 牛島源希さん) / ノーザンオカヤマ生まれのオモシロビトvol.1

こんにちは。岡山の県北、津山市を拠点にノーザンオカヤマの魅力を独自の視点で発掘・発信する衆楽舎です。前回予告しました通り、これまでとは少し趣向を変えて、今回は東京で活躍するノーザンオカヤマ生まれのオモシロビトをご紹介いたします!


レセンシエル オーナー パティシエ 牛島源希さん

五感で味わう香りのパティスリー

今回ご登場いただくのは、東京・小石川「パティスリー レセンシエル」オーナシェフの牛島源希さんです。
衆楽舎との出会いは、GWに日比谷で開催したノーザンオカヤマ クラフトストアに遊びに来てくれたのがきっかけ。思い返すと、いろんな人から噂を聞いていた注目のパティシエさんでした。

日比谷に現れた牛島さん。人懐っこい笑顔がチャーミング😊

さて、どんな方なのでしょう?
聞けば、津山ご出身で、東京やフランス(ニース)での修行経験を経て、ご自分のお店を東京・小石川に開いて10年とのこと。「レセンシエル」は、香りをテーマにしたパティスリー。有名DJ/音楽プロデューサーのFPMの田中知之さんなど異業種とコラボするなど、新進気鋭のパティシエとして一目置かれる存在です。
私たちも、会った途端、元気いっぱい&とてもチャーミングなお人柄のとりこになってしまいました😄

牛島源希さんプロフィール
岡山県津山市生まれ。小さい頃からパティシエを目指し、地元の高校卒業後、津山の有名菓子店「ラ・プロヴァンス」で修行開始。2年後に上京し、パリで活躍していた有名パティシエ・青木定治氏の東京上陸店「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」のオープニングスタッフに。その後、さらに腕を磨くため24歳で渡仏、南仏ニースのレストラン「KEISUKE MATSUSHIMA」で修行。南仏の香りに刺激を受け、帰国後、28歳(2015年)で東京・小石川に「パティスリーレセンシエル」をオープン。

パティスリー レセンシエル
住所:東京都文京区小石川4-16-7(丸ノ内線 茗荷谷駅から徒歩約7分)
営業時間:10:00〜19:00、定休日:木曜日

閑静で緑豊かな都心のオアシス

ということで、早速お店を訪ねてみました!
東京メトロ「茗荷谷」駅から徒歩7分ほど。桜並木でもある播磨坂の緩やかな坂道を下っていくと、閑静に佇むパティスリーを発見しました。店内にはカフェスペースもあり、桜はもちろん、新緑や紅葉の季節も気持ち良さそう。小石川植物園とも近く、まさに都心のオアシスのような場所でした。

香りをテーマにしたスイーツがずらり

牛島さんのスペシャリテは、トンカ豆のシュークリーム、 ハーブやスパイスを使ったケーキ。まずはそのレポートを😊

ショーケースには、柚子や山椒、ローズマリー、ミント、ココナツなど、なるほど、どれも香りの要素が入っているケーキがずらり。洗練された細長い形状は、師匠の青木定治氏から受け継いだとのこと。シンプルなだけに、香りが強調されて牛島さんの手腕が発揮されるのかも知れません。

この日、選んだのはこちら!

右上の「ニソワ」はニース風という意味で、ずばり南仏がテーマ。ココナツやトロピカルフルーツの香りが、南仏の夏を思わせました。右下のエクレール(エクレア)、この日はなんとアブサン味。アブサンといえば、魔性の酒とも言われる薬草がたっぷりの南仏のハーブ酒。この日は、すっかりコートダジュールな気分になりましたー⛱

そして、牛島さんのもう一つのスペシャリテは、トンカ豆のシュークリーム。トンカ豆とは、中央アメリカから南アメリカ北部に自生するマメ科の被子植物の樹木、クマルの木の実。バニラビーンズや桜の香りにシナモンやアニスを加えたような甘く芳しい香りが特徴です。シュークリームといえば、バニラのイメージがありますが、もっと複雑で官能的なイメージでしょうか。

先日、伊勢丹新宿に出店されていた時には、「バラのシュークリーム」が販売されていました。薔薇の甘い香りともあいまって華やかな香りにうっとり。

伊勢丹新宿のポップアップで入手したバラのシュークリーム

牛島さんのスイーツを味わって気づいたのは、香りって記憶に残る大切な要素なんだいうこと。写真を見るだけで、その香りが蘇ってくるのが不思議です。そして、香りは幸せを感じる大切な要素なんだということにも気付かされました。

実はこのカフェ、スイーツと共にお酒もいただけるとのことで。ふだんスイーツを食べないというBOSS北川も、ビール→スイーツ→ワイン→スイーツとすっかりご機嫌に🤣
ちなみに、牛島さんは、ガメラー(ガメイの赤ワイン好き)とのこと。ワイン好きでもガメイの違いはあまり分からないという方が多いのでは?香りを熟知した牛島さんのガメイ解説、ぜひ聞いてみてください🍷

さて、ここからは、牛島さんに直接お話を聞いてみましょう!聞き手は、私Haruが務めます。

店名は大好きな『星の王子さま』から

[衆楽舎Haru]店名のレセンシエルは、フランス語のessentiel(本質的なという意味)、英語ではessentialですよね?その由来は?

[牛島さん]大好きなサン=テグジュペリの「星の王子さま」からです✨

[衆楽舎Haru]なるほど!「大切なものは目には見えない」という一節が有名ですが、香りも目には見えないですね。そのお話からですか?

[牛島さん]「『星の王子さま』には、好きなところがたくさんあります。そこに出てくる「絆」という言葉も好きで、そういう意味を持つ店名にしたいなと考えていました。絆や人との繋がりは目には見えないけど大切なものだし、そういったものに感謝して大切にしていきたいと思っています。」

友人の喜ぶ姿に感動してこの道へ

[衆楽舎Haru]店名からそのような気持ちが伝わってきます。子どもの頃の純粋な気持ちを大切にしているようにも感じます。

[牛島さん]「実は、今の職業を目指したのは、とても小さい頃からなんです。本当に食べるのが好きで、特におやつには目がありませんでした。
ある日、友達に自分が作ったものを食べてもらったら、友人が「ぶちうめぇは!(岡山弁:すごく美味しい!)」と言ってくれて。スイーツに興味を持つ感覚が強くなったのはそれからです。友人が素直に本気で感動してくれたことが、自分自身の感動に繋がり、人と共感できたことが、今までにない強い幸せを感じた気がしました。」

[衆楽舎Haru]まさにピュア思いからなんですね!お話しているとだんだん星の王子さまに見えてきました😊
お店のコンセプトは、南仏での経験が生かされているのことですが、なぜ修行先にパリではなく、ニースを選んだのですか?

[牛島さん]「憧れのパリへ!との気持ちは確かに強かったのですが、行動に移す頃は、「香り」というところに興味が強くあり、お花やハーブなどが溢れた街へ行きたいなと思い、南仏のプロヴァンス地方へ想いを馳せました。努力した甲斐あって、働くきっかけを作ることができ、ニースへ向かうこととなりました。

ニースはコートダジュールといわれるイタリアとの国境まで続く地中海沿岸の街です。周辺には、香水の街グラースや映画祭で有名なカンヌなどもあり、ラベンダー畑が広がっています。そういった田舎のほのぼのとした緑や海も最高でした。」

店内にはご自身でニースの海岸を撮影した写真が飾られていました

[牛島さん]「そして、改めて考えてみると、やはり、地元で修行した津山の「ラ・プロヴァンス」の影響も少なからずあるかもしれません。笑」

[衆楽舎Haru]確かに!「プロヴァンス」は南フランスの南東部を指す言葉ですもんね。若い頃から、既に南仏との繋がりがあったんですね。

昔と今とで違う故郷への思い

[衆楽舎Haru]津山のお話が出たので、ここからは、ノーザンオカヤマについてお伺いしたいと思います。衆楽舎がGWに日比谷で開催した「ノーザンオカヤマ クラフトストア」にはどういう印象を受けましたか?

[牛島さん]「知人に誘われて行ったのですが、大都会の東京・日比谷で、ふるさとの津山を思い出すことができ、本当に感激しました。様々な催し物も洗練されていて、とても魅力的でした。
東京へ出たのが早かったので、地元のお酒の文化や、嗜みを知らないままでしたので、初の地酒(御前酒蔵元 辻本店)や、クラフトビール(美作ビアワークス)をいただくことができ、とても刺激的でした。
ノーザンオカヤマをたくさんの方に知ってもらえる機会があることはとても嬉しいですし、何より、地元の誇りも感じられて、元気をいただきました。」

[衆楽舎Haru]嬉しい感想をありがとうございます!!そういえば、物販も居酒屋での飲食も両方をご機嫌に楽しんでくださってましたね!
津山にいた時には、地元をどう思っていましたか?

[牛島さん]「小さなことでも、チャレンジするには、大阪や東京、世界を目指さないといけない!と思わされるほど、正直狭いコミュニティに感じてました。

何をするでも、筒抜けで、がんじがらめで、典型的な田舎。

そんな中、自分は、チャレンジができるだけラッキーと。パティシエという、フランス文化のシンプルでわかりやすい道が、何の障害もなく、フランスに行って、東京でお店する!なんて、計画をし、特に深く考えることもなく、突き進むことができたのかなと思っております。」

[衆楽舎Haru]その感覚は、特に若いうちは、他の地方でも一緒かも知れませんね。私は倉敷育ちですが、同じような感覚を持って東京に出ましたから。
ただ、夢を叶えるまで突き進めた突破力は、津山人ならではなのかも。今は故郷をどのように感じますか?

[牛島さん]「灯台もと暗し、非常に魅力的なところがとてもあり、優秀な方々がとても良い街に育ててくれていて、今回のノーザンオカヤマのポップアップように、東京にも素晴らしさをPRしてくれている。
最大限に感謝をしなければなという思いと、まだまだではありますが、少しずつでも自分が何か小さいことでも貢献できるよう、意識していこうと、感じるきっかけにもなっております!!!」

[衆楽舎Haru]衆楽舎の活動にご賛同ありがとうございます!
ノーザンオカヤマの魅力は何だと思いますか?

[牛島さん]「自然」

[衆楽舎Haru]中でも一番好きな場所は?

[牛島さん]「早朝の池。」

「地元にいるときは釣りをしていたので。朝日が昇るくらいの薄暗い、誰もいない池が魅力に感じてます。空気も最高に良い。」

[衆楽舎Haru] その池、どこになるのか気になります!
香りにこだわったお仕事をされていますが、地元を感じる香りや味はありますか?

[牛島さん]「先ほども出ましたが、早朝あたりの池の香りがめちゃくちゃすきです。」

[衆楽舎Haru]故郷には、池の印象が強いんですね。池の香りって意識したことがなかったです。さすが、牛島さん!

[牛島さん]「具体的な味でいうと、「ら・め〜る」のシンフォニーというケーキが大好きです。高校生の時バイトをしていたのですが、津山へ帰るときは、必ず寄ります。」

[衆楽舎Haru] 「ら め〜る」さんは、衆楽舎の食いしんぼう担当HARUMIも激推しのケーキ屋さんです。地元人気が高いお店なんですね。シンフォニー、食べてみます!

早速、衆楽舎でその味を訪ねてみました!さっくりとしたダックワーズとバニラムース、木苺、パッションフルーツのマッチングが美味しかったです😊

[衆楽舎Haru]人についてはいかがですか?好きな方はいますか?

[牛島さん]「地元といえば、B'zの稲葉さん、オダギリジョーさんがめちゃくちゃかっこよくて憧れてます☆
オダギリジョーさんの『転々』という映画も、懐かしいなぁと思い出しました☆」

[衆楽舎Haru]では、反対にノーザンオカヤマの短所を感じることはありますか?

[牛島さん]「噂の伝達が早い。」

「良い噂となってくれれば良いのですが、シビアに判断されることが、とてもプレッシャーに感じます。色々とある中、そういうこともあって、なかなか地元でチャレンジはしにくく、結局活性化が少なくて、盛り上がりが少ない気がしてます。」

[衆楽舎Haru]正直なお気持ちをお聞かせいただき、ありがとうございます。それも、他の地方も抱えてることかも知れませんね。ある意味閉鎖的な部分があるかと思います。衆楽舎も、活動を通じて、何らかの突破口ができればと考えています。

地元との繋がりを大切に

[衆楽舎Haru]いい意味でも悪い意味でも、「ノーザンオカヤマらしさ」ってなんだと思いますか?

[牛島さん]「繋がり」

「離れてやっていると、本当に地元のパワーが必要で。帰れる場所とか、安心できる場所、応援の力、とても、エネルギーをいただいてます。

今回もこうして、地元の皆様へ改めてお礼ができる場として、発信できること、感謝しております。」

[衆楽舎Haru]繋がりを大切にする牛島さんらしいお答えですね。東京とノーザンオカヤマ、他の都市とノーザンオカヤマ、いろんな繋がりを大切に、そして育てていきたいですよね!これからの夢はありますか?

[牛島さん]「地元津山でも、いつかお店をしたい!!!地元の素材、フルーツやハーブで、ショコラが作りたい。」

[衆楽舎Haru] わー嬉しい!素敵な夢ですね!
ノーザンオカヤマの素材で織りなす香りのデザート、とても興味があります。衆楽舎としても全面協力できればと思います!本日は、ありがとうございました😊


香りの世界を深く探求し、常に向上心を持って果敢に挑戦する牛島源希さん。我が道をまっすぐに突き進む原動力は、少年のようなピュアな気持ちや好奇心なんだろうなと感じました。これこそ、津山生まれの特徴なのかも知れません。

皆さまも、ぜひレセンシエルで香りのスイーツを堪能してくださいね!そして、いつか津山にお店ができることを一緒に応援しましょう!

ノーザンオカヤマ生まれでこんなオモシロビトがいるよ!とご存じの方、ぜひ衆楽舎へご一報ください。また次回もお楽しみに😊


ノーザンオカヤマ セレクション

最後は、衆楽舎おなじみ音楽コーナー。今回ご登場いただいた牛島さんに、故郷を感じる曲を教えていただきました。

EGO-WRAPPIN'『BIG NOISE FROM WINNETKA~黒アリのマーチングバンド』『あしながのサルヴァドール』

津山からパティスリー巡りに関西へ向かう時に、高速道路でいつも聴いていたノリノリになる曲です。(牛島さん)


衆楽舎とは

ノーザンオカヤマ(岡山県の県北部)の魅力を独自の視点で発掘・発信しています。名称は、岡山県北の中心都市である津山市の大名庭園、「衆楽園(しゅうらくえん)」を由来としつつも、敢えて「シュウガク」と読むことで、大衆音楽のように「沢山の人の楽しみ」という思いを込めました。

岡山県在住・出身の音楽好き、グルメ好き、旅好き、洋服好き、インテリア好きの仲間が集結し、それぞれ本業を持ちながら、エリアの文化的な魅力をアップさせること、そしてその魅力を紹介、応援することを志しています。津山市の田町文化STOREというカフェ&ギャラリーを拠点に、文化交流のハブとなるイベントなどの場作り、リノベーションによる新しい拠点の開発、また、住まい作りによる移住者支援など、様々なことにチャレンジしています。

田町文化ストアではイベント盛りだくさん!

この夏もいろいろな企画が盛りだくさん。DJ、夜カフェ、ハーブティスタンド、軒下アペロなど。営業日時やイベント内容はインスタをチェックしてくださいね!


衆楽舎おすすめ情報は衆楽舎インスタにアップしています。

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衆楽舎のPR担当、Haruでした。



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