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お寺で本を読みながら、人生について考えた夏休み

ちょっと疲れちゃったなあ、というとき、僕はだいたいお寺に行きます。

お寺は良いですよ。お参りをして、静かな部屋で考え事をして、きちんとした食事をいただいて、お経を聴く。深呼吸して、心を整えるためにとても良い場所です。
この週末、1人になれる時間ができたので、比叡山の延暦寺と、京都にある浄土宗総本山知恩院をハシゴしてそれぞれ宿泊し、夏休みを過ごしました。(ちなみに写真はどちらでもなく、京都の仁和寺。この庭が好き。)

とにかく最近は本を読むことが好きで、お寺でもずっと本を読んでいたので、この2泊3日で読んだ本や、考えたことをまとめます。
ちなみにお寺の話はほぼないので、泊まれるお寺(!)の魅力について興味のある方はこちらをどうぞ。


【幸せ・生き方】出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと - 花田奈々子

最近エッセイを読むのが好き、という話をしたら、教えてもらった一冊。概要としては、タイトルの通り。

はじめのうちは、超くだらない!ウケる!!という感じで読んでいたのですが、中盤から、菜々子さんの抱える悩みにすごく共感しはじめてきて、そこから最後まで一気に読みました。

幸せって、どういうことだろう?
いろいろな悩みが積み重なったとき、僕はそれをとりあえず適当に処理したり、なんとなく先延ばしにすることで、結局いっぱいいっぱいになってしまうことが多い。でも、「人生の重要な課題」を意識すれば、日常の大抵の悩みは答えが明らかだったり、どちらを選んでもそんなに変わらないのかもしれません。

そんな幸せや生き方について、菜々子さんがたくさんの人と会う中で考え、前に進んでいく様子が印象的な本でした。人に会いたくなる一冊。


【愛・自己肯定感】私とは何か - 平野 啓一郎

「本当の自分」なんてものは存在しない。
他者に見せている自分のいろいろな顔「分人」はすべて本物であり、人の個性は分人の構成によって決まるのである、という本。

最初のうちはわかるようなわからないような…と思いながら読んでいましたが、「愛」の話で急激に納得してしまい、反芻し眠れなくなりました。

愛とは、相手の存在が、あなた自身を愛させてくれることだ。そして同時に、相手が自らを愛せるようになることだ。

そうか、「あなたといるときの私が好き」という気持ちが、愛しているということなのか。それなら、相手に対しても「私といるときの自分(あなた)を好きになってほしい」という気持ちになればよい。

そう考えると、相手との関わり方も、相手の(自分と過ごす間の)自己肯定感を高めよう!という方向になる気がします。
僕の場合、どうだろう…自分では意識していない長所を教えてもらった時、会いたい・話したいって言ってもらった時、頼りにしてもらった時、感謝された時、褒められた時…とかに、自己肯定感が高まったかな。

何が嬉しいかは人によって違うと思うけれど、愛を伝えたりプレゼントをあげたりするよりも、普段のちょっとした声かけや関わり方を変えてみることで、相手をもっと大切にすることができそうだし、そういう行動をしている自分のことも、きっと好きになれそうです。


【経験・挑戦】JK、インドで常識ぶっ壊される - 熊谷はるか

タイトルの破壊力と表紙のかわいさから、本屋でジャケ買いした1冊。
ノリのいいドタバタコメディかと思っていたら、全然違った。まあ、ノリはいいし、ドタバタもしているのだけれど、内容はダイバーシティ、生き方、幸せについてすごく考えさせられるものでした。

僕はこの話について、ただ文字で読んで、そうなのかあ、世界には色々な課題がある…と考えるだけだけれど、ハルカさんはこれを実際に見て、体験しているんだよな、と思うと苦しくなる。自分の普段考えていること、経験していることが、すごく薄っぺらに感じられます。

もっと、世界について知らなきゃいけない。いつも通りの毎日から、一歩外に踏み出してみよう。という気持ちにさせられる一冊でした。


まったく"寺"感のない3冊…
いや、「私とは何か」の「分人」は、仏教の無常の概念 - 自分の気持ちも、自分の存在も、ここに"あるようでない"もの - 的な考え方と対比させたらどうなるんだろう?と思ったし、インドは仏教の生まれた地だから、関係があるということにしておこう。

最近は目の前のことでいっぱいいっぱいでしたが、お寺で深呼吸をして、本で新しい考え方に触れて、リフレッシュできたように感じます。
疲れているとき、視野が狭くなっているなあと感じるとき、お寺で本を読む!という過ごし方はおすすめですよ!


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