読書感想文『殺人犯はそこにいる』清水潔 【著】ルパン（連続幼女誘拐殺人真犯人）は今現在も野放しのまま。＃読書感想文＃エルピス-希望、あるいは災い-

ツイ友（X友）に先日読んだ『暗殺』柴田哲孝【著】はノンフィクションみたいなフィクションだって話をした時に「これは逆にフィクションみたいなノンフィクションで面白いですよ」ってオススメされたのがこの本。

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

内容紹介
5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか?なぜ「足利事件」だけが“解決済み”なのか?執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す―。新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞受賞。日本中に衝撃を与え、「調査報道のバイブル」と絶賛された事件ノンフィクション。

https://www.books.or.jp/

「足利事件」この菅谷さん冤罪事件は当時テレビで見てなんとなく記憶してた。だけどこの「足利事件」にそっくりな手口の幼女誘拐事件がこの事件を含め五件の未解決事件が、それも半径10キロという狭いエリアで発生してるのだった。これは同一犯による「北関東連続幼女誘拐殺人事件」なのではなかろうかと著者の清水潔氏は仮説をたてる。証明するには唯一犯人がわかってる「足利事件」の菅谷さんの事件を崩すしかない。当時絶対だと思われていたDNA型鑑定の不完全さを突き止めDNAの再鑑定にもちこみ、ついに菅谷さんの無罪を勝ち取ることになる。よし、これで警察による真犯人の再捜査が始まるはずだ。しかし警察は動かなかった・・・。

清水は独自の調査を開始。そして執念の取材によってとんでもない驚愕の新事実が次々に明かされついにはルパン似の真犯人にたどり着く。独自のDNA鑑定まで行いその犯行を証明するに至った。そしてその事実をテレビ番組で告発するのであった。しかしまたもや警察と検察は黙殺する。

真犯人は今現在も野放しのままだ。つくづく国家権力の異常すぎる隠蔽体質にはあきれてしまう。

この事件を元ネタにした長澤まさみ主演ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』地上波ドラマにしては攻めた仕上がりになってます。