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僕が劇場を買いたい理由

こんにちは関野です。

先日こんなツイートをしました。

ライブチケット譲ってください!みたいなノリで買いてある!誰だこいつ!知らねーよ!となること請け合いだ。

そして案の定、誰からも連絡こない。
このネット社会で二日連絡こないってことはもうないってことだ。
ただ、ちくせう!と嘆いていても意味がないし、だらだら待ってても仕方ないなと思ったので買いたい理由くらいはしっかりと明示をしようと思う。

僕が劇場が欲しいなと思う理由はただ一つだ。

小劇場の芸術監督制度導入

芸術監督とは

芸術監督(げいじゅつかんとく)は、劇場、歌劇場、音楽祭などの芸術面における総責任者。特に欧州の劇場の場合に劇場支配人や総裁と訳されることが多い。日本語で言う芸術監督は英語の職名によるもの。
演目、演者の招聘、決定。また、劇場の通年の興行スケジュールの調整によって劇場ごとの芸術的な特徴を演出する。特に歌劇場では音楽監督や指揮者、演出家の選考にも関わる。また、芸術監督が演出家や指揮者を兼任する例もある。 wikipedia

wikipediaでごめんなさいね。最近日本でもここ10年くらいでようやく始まったけど、まだまだ日本ではレアだ。

要するに劇場で流す作品をじっくり品定めしたり、
出て欲しい団体にオファーを出したり、
中長期的な視点で劇場をどうやって育てるかを考える人だ。
もちろん興行が芳しくなかったり、劇場の求めるものと合わなくなると容赦なく首が切られる。

芸術監督のメリットはいろいろあるが、
一番でかい価値はそれぞれの劇場が芸術監督の色をガシガシ出してくるので劇場がただの建物ではなく、劇場自体が意味やドラマを孕むことだ。

その劇場があるからその土地にいく。とか、そういう地域性にまで踏みこめるようになる。ヨーロッパなんか全部の劇場に芸術監督いるらしい。めっちゃヨーロッパ行きたい。

日本では下北沢とか浅草が毛並みこそ違えど地域にかなり浸透してたりするが、あれが劇場単位でできるのだ。めっちゃ熱い。

ただ、それくらい責任が重い仕事なので、今の所日本の芸術監督はみんな有名人だ。

まあ当たり前っちゃ当たり前だが、劇場だってこの人はセンスあるな!任せたいな!と思っても有名じゃなきゃ何かと担保できないところが出てくるのはものすごくわかる。

ああ、早く売れて芸術監督になりたい!!


バカか。 買えよ。


・・・頭の中から悪魔みたいな声が聞こえた。

確かに、劇場オーナーになって仕舞えば今すぐできる。
オーナーになった瞬間に自分のことを芸術監督に任命すればいいのだ。
猿でも分かる。

ただ、あまりに荒唐無稽なことなんじゃないかと頭の中でアラームがなり続けていた。


少し落ち着いて、よく考えてみる。

どの演劇を見に行ってもどっかで見た顔しかいない劇場

チケット売るのに疲弊していく俳優

赤字抱えて鬼みたいなノルマを課す劇団

あたりはずれの多さに観るのをやめていく観劇ファン

芸術監督いたら、少しマシになりそうだなと思うに至るのにそう時間はかからなかった。

だって、劇場の責任で面白いって担保してくれるのだ。それまで劇団だったり俳優単位で芝居を見ていた僕たちはそんなミクロなものじゃなくて劇場という大枠で面白いというものを担保してもらい、劇団はこの劇場なら売り上げが出ると担保してもらえるのだ。

これだけでかなり創作活動は楽になる。最悪広告費とかいらないかもしれない。芸術監督とはそれができる仕事かもしれないと思い至った。

もちろん演劇業界をどうこうしようなんて、そんな大それたことは考えていない。

ただ最近、自分の身の回りにいる人が妙に演劇に疲れているのを目撃する。多分僕も疲弊している。お金にならないし、売れた人と話してもやっぱりその人もお金に困っているのと聞くと、どこがゴールなのかわからなくなる。何度も言うけれど、マジで演劇終わりそうな匂いがプンプンしている。

ただ、僕が芸術監督になったら少しその人たちのことが楽させてあげられて、かつ僕は自分の庭のように扱える劇場を持ちながら創作活動に勤しめるんじゃないかと思ったのだ。

そして、劇場を自分で持っている劇場オーナーというものは、創作に対するハードルが今の僕たちよりはるかに低い。普通の団体は『名作作らないと!』と思って年に一回から多くて三回くらいまでの創作ペースでしか作れない。でも、劇場オーナーであれば『こんなことやってみたい!』という企画から終演までのサイクルがものすごい勢いで回せるのだ。

だから、劇場オーナーひいては芸術監督になるということは、自分の成長のために多作をしたい僕にとっても有益だと思っている。

僕は、僕と僕の周りの人のために劇場が欲しい。

そう思って一番最初のツイートをした次第です。

もし売ってやってもいいぞというオーナーの方や、そういう知り合いを知っているという方がいたら僕に教えてください。

そしてこの記事は僕の視点から今暫定的に見えている範囲での言説なので、現状認識が違うことがあったら是非教えていただきたい。本当に教えていただきたい。長々とありがとうございました。

おわり。