意見が違うから、良い決断ができる~「協調学習」「建設的相互作用」の視点から~
組織のコミュニケーションや意思決定の視点から、
最近考えていることを言語化してみました。
「意見が違うから、良い決断ができる」のメカニズム(論文引用&個人的な考察)について。
意見が違うから、良い決断ができる
題材:ミシンの実験
三宅なほみさん(元東大教授・認知科学)の「協調学習」「建設的相互作用」に関する実験↓
補足:理解の過程
上記の実験が記載された論文を元に、
freeeさんのエンジニアの方が、書かれた記事から抜粋↓
具体イメージ:営業MTG
実際の職場での会話に当てはめると、
こんな感じかな?↓
でも実際には、こんな風にスムーズに議論は進みません。
簡単に、整理してみたいと思います。
結論:異なる視点から「提案を批判」し、客観的に良し悪しを判断する過程を通して、最終的な決断の質が上がる
松田なりの前提条件:決断の質が上がるための議論
関係性:
相手の意見を受け入れることができる
視点の差異
価値観・前提知識が異なるほど、異なる意見や批判は出やすい
話し手のマインド:
否定ではなく、批判する
受け手の判断:
批判の内容の良し悪しを客観的に判断できる
受け手のマインド:
自分の意見に固執しない
議論が良い決断を導くための前提条件
ここからは、個人的な考察です。
(この辺りも、理論や実験でソースを探したい)
関係性:相手の意見を受け入れることができる
お互いの関係性の問題。
そもそも、お互いを忌み嫌っていて、
「あいつのいうことは一つも聞けない!」と言うマインドであれば、
批判・異なる意見を建設的に用い、
良い決断を導くことはできないはず。
視点の差異:価値観・前提知識が異なるほど、異なる意見や批判は出やすい
同質な人間同士、長年の付き合いのある人間同士だと、視点が近いため、異なる意見が出にくいはず。
(意見を戦わせなくていいので、決断に至る速度が上がるというメリットはある)
話し手のマインド:否定ではなく、批判する
話し手のマインドの問題。
客観的な視点無しに、「それは違う」と言わない。
攻撃的な口調は避ける。
人ではなく、コトに向かうという意識。
相手の意見を批判することはどうしてもネガティブに聞こえがちなので、「より良い結果を導くために」という前提を共有し、話し相手ではなく「議論の対象物」に発言を向ける
受け手の判断:批判の内容の良し悪しを客観的に判断できる
受け手の能力的な問題。
複数の選択肢が並んだ時に、メリデメを整理して、適切と思われる選択肢を選択できるか?
認知バイアスに左右されない。
受け手のマインド:自分の意見に固執しない
受け手のマインドな問題。
「良い決断を導く」という目的よりも、
「自分の意見を通したい」という、別の目的を優先してしまうなど。
「自分の意見が通らないと負け」「自分の意見が採用されない=自分の否定された」等、無意識的に考えている人は、一定数いる。
議論が良い決断を導くためにはどうすればいいか?
「前提条件」を打ち消すようなジャブがあれば良い。
例えばこんな感じ↓
人間関係を修復する
前提をシェアする
「この議論は、○○をより良くするためのものである」
「そのために、忌憚なき意見を言おう」
主語を「私は~と思う」にする
判断をしやすいように整理しながら議論する
意見のうち、かぶる部分と異なる部分はどこか?
意見の異なる部分に着目した時、メリデメはそれぞれ何か?
まとめ
異なる視点から「提案を批判」し、客観的に良し悪しを判断する過程を通して、最終的な決断の質が上がる(建設的相互作用)
そのためには前提条件を満たす必要がありそう。
過去の学問の蓄積は偉大。
みんなちがってみんないい。違いをたのしもう
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