グラレコはじめたら思考が広がった話
「デザイニスト」という言葉が世の中にはあるらしい。
普通は「デザイナー」という言葉を用いるのだけれども、その違いを考えていた時に、グラフィックレコーディング(グラレコ)をはじめてみて感じている思考の広がりと似ているのかもしれないと思って、まとめてみました。
まず、「デザイナー」と「デザイニスト」の違いを自分なりにまとめるとこんな感じに
「デザイナー」:design+er
designという「動詞」にerが付いた言葉。(erは主に動詞に付くらしい)
「プロダクトデザイナー」や「ファッションデザイナー」など、ある対象に"デザイン"をほどこしていく人のように感じる。
「デザイニスト」:design+ist
designという「名詞」にistが付いた言葉。(istは主に名詞に付くらしい)
istは「こういう信念・主義のある人」という意味でも使われるらしい。
"デザイン"を用いて個々のミッションに挑んでいく人のように感じる。
そんなふうに考えていた時に
視覚化の手段によって、designer的思考とdesignist的思考が切り替わっていたのかもしれないことに気がつきました。
「アイデアスケッチ」と「グラレコ」
普段よく使っている視覚化の手段
アイデアスケッチで発想するときには、描き出すに値するアイデアに満たないものは描かない事が多く、アウトプット寄りの印象。その点、グラレコはぼんやり浮かんでいる思考や他の人から見聞きしたことなどを取り留めなく描いておける気がします。思考したことのレコーディングみたいな感じです。そして、描いたものを元にだんだんとその輪郭を創っていくように発想ができ、ぼんやりしたものだからこそ発想の連鎖が起こるような気もします。
アイデアスケッチ
・具体的な対象を中心に可視化する
・突発的、瞬間的なアイデア(ひらめき)を描きとどめておく
・発想したアウトプットを表す
・designer的な思考になっている?
グラフィックレコーディング
・ビジョンやこうありたい姿など概念的、抽象的なものを可視化する
・ぼんやり思っている事、まだうまくまとまらない事も描きとどめておける
・思考したプロセスを表す
・designist的な思考になっている?
アイデアスケッチで対象にどんどん迫っていって精度を高めていくプロセスで今まで発想をしてきていましたが、グラレコをはじめてみて思う事は、対象から広がった視座で「そもそも、このモノの存在って?」という”意味”を考えるキッカケになります。このグラレコとアイデアスケッチの間はグラデーションなのだと思います。実際、どっちもやってる間に境目が曖昧になってきています。
考えている事に応じて、視覚化の手段を用いているのかと思いきや
意外と、手段に支配された思考になっていた事に気づけた
この気づきが得られた事が一番大きいです。当たり前のような話ですが、手法に縛られずに思考する事は視覚化に限らず「○○シンキング」などにも言える事のように思います。
少しだけ手法から開放されたような感覚と
思考の幅が広がった気がするという話でした。
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