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✏️激動する時代の「未来の描き方」 Draw our Future 2019 イベントレポート -WS編-

グラグリッドさんの取り組みを軸に、ビジネスや教育の場で「描くこと」によって生まれる未来への視座が語られた前半の「トーク編」でしたが、いよいよ実際にはどんなワークがおこなわれているのか、体験するワークショップが始まります!

▼イベント前半のトーク編はこちらから

まずは、イベントタイムテーブルのおさらいから。

▼イベントタイムテーブル
1. インスピレーショントーク「ビジョンを描くプロジェクト」
2. パネルトーク「これからの、未来の描き方」
3. トークふりかえり
4. ワークショップ「意味を描こう!」プログラム体験
5.ワークショップ 「自分を描き出す」リフレクションツール 体験
6.ラップアップ

レポート後半はワークショップ(WS)編として再開したいと思います!
※ここでは「4. ワークショップ「意味を描こう!」プログラム体験」からを「WS編」としてレポートします。前半のトークパートは「トーク編」としてまた別にレポートしています。

4. ワークショップ「意味を描こう!」プログラム体験

イベントの後半は、実際にグラグリッドでおこなっているワークショップのダイジェスト版を同じテーブルの参加者と体験していきます。

ワークショップ1は「意味を描こう!」というテーマ。
ちょくちょく、プロダクトデザインの文脈で「意味」についてnoteでも考えているため、個人的な目玉イベントでした。

▶︎紙とペンを使って遊ぼう!
まずは、紙にいろんな線を描いたり手でこすってみたりと、紙とペンに慣れるエクササイズから始まり、前半のトークをふりかえってみるというところからワークをスタート。ここで、注意点として「できるだけ具体的な対象を描かないようにすること」がアナウンスされました。

Q1.あなたの今の気持ちは?
Q2.机を触ってみて、感触はどう?
Q3.この場のみんなの雰囲気はどんな感じ?
Q4.前半のトークをふりかえってどうだった?

なかなか普段は具体的な事柄を描くことが多いので、けっこう説明っぽい絵になりましたが、目に見えない雰囲気や感触、感情を伝えることは「描くこと」の本質だと思うので、こういう捉え方はもっと磨いていきたいです。これは、描いたあとでテーブル内でペアになってお互いにシェアし合います。

同じ場にいて、同じものを触れて、同じ話を聞いていたのに、ひとりひとりでこんなに見え方が変わってくるのは、やっぱり個人で解釈した意味の受け取り方に違いがあるからこそなのかなと感じました。

手も心も温まってきたところで、メインワークに入っていきます。

▶︎私は何について話しているでしょうか?
先のワークのように、それそれがモノゴトに見出す意味は異なっています。ここではグラグリッドの名古屋さんファシリテーションのもと、名古屋さんが”あるもの”から受け取る「意味」を伝え、それを手掛かりに一体何について話しているのかを探っていくワークです。

・3つの手掛かりから推測する
1つずつ、ヒントとなる名古屋さんの「意味付け」が提示されます。『それって、こんな物かな?』というのを紙に描きためておきます。ヒント1の中からヒント2に通じるものをまた次のヒントが出た時に描いていく(どんどん絞られていく)というような流れです。

ヒント
1.それは「少し手間をかけて手に入れるもの」です
2.それは「落ち着ける時間をくれるもの」です
3.それは「気づきを与えてくれるもの」です

私は何を描いたかというと、最初に「手間」というヒントで、野菜とか料理かなと思い、紙に描きました。次に「落ち着ける時間」というヒントで、コーヒーや読書をあげました。「気づき」というヒントで、もしかしたら物だけじゃなくて体験?と思い、カフェを描きました。

・それはこの人にとってどんな存在だと思う?という問い
それは何かというタネ明かしの前に、こんな問いが最後に投げかけられました。これまでの3つのヒントは、その人の主観から与えられた意味付けの話で、最後の問いはそこからあなたはどんな意味付けを見い出したの?ということを表現する問いかけのように感じました。ある人の解釈から自分の解釈を付帯させて意味を抽象的に捉えていくことはすごく新鮮でした。

これもまたテーブルみんなでシェアしながら、どう感じたかということを対話していきます。“あるもの”の推測は、バカンスなど全然違う事を想像している人や、同じように本やコーヒーを思い描く人など、似てるけど違うそれぞれの捉え方がいっぱい出てきてシェアの時間は盛り上がりました。

・さらに会場全体でシェア
まだまだタネ明かしは残しておいて、最後の問いに対して思い描いたものを2つほど会場全体でシェアしました。人それぞれでヒントから想像するものは違えど、捉えた意味には何か共通項があって、それを描くことによってまだうまく言葉にならないエッセンスを共有できました。物体が見えないからこそ、そこに生まれた意味に触れることができる。そんな感覚でした。

と、ここで気になる答えですが、実は「自宅で淹れるコーヒー」でした。
これ、答えがどうこうよりも「自分は音楽に対して同じような意味付けをしてたんだな!」とか「カフェかと思ったけど、自宅でもたしかに!」みたいな気づきが生まれることが大切なように感じました。もしかすると「音楽を奏でるように楽しむコーヒー体験って何だろう?」とか「カフェで自宅みたいにくつろげたら、もっと違う空間になるかも!」みたいな発想が湧いてきます。

と、体験したこれはほんの半分で、実際のフルバージョンではまだまだワークは続くそうです。もっと意味の探索に漕ぎ出したい気持ちを抑えて次のワークショップに移ります。

5.ワークショップ 「自分を描き出す」リフレクションツール 体験

ワークショップ2では、グラグリッドさんの開発したリフレクションツール「えがっきー」を使ってのワークでした。(なんと「えがっきー」は今日が初お披露目)

「えがっきー」とは、自分自身に焦点を当てて、「自分に問いかける→表現を考える→ひとつにまとめる」というプロセスで、最後には「自分の要約図」ができあがるというもの。そこから気づきを得ることが目的のリフレクションツールだそうです。

▶︎えがっきーによるリフレクションスタート!
会場の席についてから「開けないでください!」と再三言われていた謎封筒の封を開けるところからワークがスタート。

キットには、5枚のシンキングシートと1枚の絵素材シートと、最後に使う(それまでは伏せて置いておく)テンプレートが入っています。

5枚のシンキングシートを1枚ずつ埋めていく
シートにひとつずつ問いが書かれていて、それに対して「文字で書く/絵で描く」という指示が、それぞれの問いと合わせて書かれています。「あなたの好きな食べ物は?」というテーマで、こんな問いが展開されました。

シート1「あなたの好きな食べ物はなんですか?」→文字・絵
シート2「それを好きな理由を3つあげてください」→文字
シート3「それがあると、どんな風にうれしいですか?」→文字
シート4「その時の、あなたの表情はどんな表情ですか?」→絵
シート5「あなたにとって、その食べ物とは?ひとことで!」→文字

一問一答形式なので、個人ワークでサクサク描いていきます。今回の絵素材シートは「その時の、あなたの表情はどんな表情ですか?」に対して、参考になる表情が用意されていました。使っても使わなくてもいいのですが、コミカルな表情や、喜怒哀楽の中間のような微妙なニュアンスの表情など、いろんな顔があってついつい見入ってしまいます。

・答えた事をテンプレートを使ってまとめる
そして、机に伏せてあったテンプレートをひっくり返して下敷きにしながら、A4 用紙1枚にまとめていきます。これも、レイアウトに悩む事なく紙面上にどんなことを描けばいいのかがわかり、サクサク埋めることができます。

あまりにもサクサク描いていけるので、みなさん思い思いに色をつけたりイラストを追加したりとアレンジを楽しんでいました。

・テーブル内でシェア
これも、みんなで見せ合います。そこから気づきを得合うこともまた「えがっきー」のプロセスの一部です。好きな食べ物の話をする時は、自然と人間はうれしそうな顔になってしまうのですね。会場中にニコニコがあふれていました。

こちらのワークも、内省することを目的としながらもその人が好きな食べ物にどんな意味づけをおこなっているのかが垣間見えて、ワークショップ1との関連性もありました。そして、この「えがっきー」には、「好きな食べ物」がテーマのキット以外にも「自分の得意技は?」や「私の歩んできた道とは?」などなど、様々な問いかけの種類がキットによって用意されています。

グラグリッド 三澤さん曰く「シンキングシートには、私たちのファシリテーションのスキルが活かされていて、だんだんと深く向き合えるような問いの出し方になっており、テンプレートにはグラフィッカーとしての情報を整理してまとめるスキルが活かされている」そうです。まさに、その威力を体感したワークでした。

「未来の描き方」というこのイベントのテーマにも通ずるところがあるのですが、「自分の意思で、どう未来に向かって歩んでいくのか?」ということや「どうやって進んでいけばいいのか?」という自分だけの地図になったりと、自分と向き合うリフレクションは、未来の自分との映し鏡のようなものなのかもしれません。

▼ワークショップの流れもスケッチノートで追っかけていました。(ワーク中に感じたことなどとごちゃごちゃになっていますが)

わなみんさんによるワークショップのスケッチノート
トークパートに引き続き、スケッチノートを描いてくださってます。

まさに電車のメタファーがぴったりだったように思います。最初は「どこに向かうのだろう?」というドキドキが、心地いい思考の揺さぶりによってワクワクに変わっていき、最後の終着点ではそれぞれの路線へ乗り換えて旅立っていく感じでした。

6.ラップアップ

ここでイベントの締めくくりとして、全体をふりかえりながらテーブルごとに印象に残ったことなどを話し合っていきます。

と、その前に
先ほどの「えがっきー」製作に協力いただいた方々のご紹介がありました。
編集の佐伯さん(写真左)と、デザイナーの竹内さん(写真右)です。また、大学生の方にもお手伝いをしてもらって「えがっきー」はできあがっています。これからクラウドファンディングでリリースに向けて資金調達を始めていくそうです。(記事の最後にリンクを貼りましたので、ぜひクラファンサイトの方ものぞいてみてください)

▶︎テーブルでのラップアップ
「えがっきー」製作の思いも伺えたところで、テーブル内でのふりかえりがはじまります。私のテーブルで話したことをまとめると

「描く行為自体のハードルが下がっていて、ビックリするくらい手が動いた!」

「未来の描き方というテーマについては、入門編のような感じだったので、もっと話が聞きたかった。でも、初めて描くことに触れるような人の入り方の参考になった。」

「描くことに慣れていない人たちにも、どうやったら一緒に描いてくれるようになるか、見えてきた気がする」

「描く行為がサポートされることで、こんなにも描くことの効果をハッキリ実感できるようになるのは驚いた。」

というような話が出てきました。ビジネスサイドに寄ってたテーブルメンバーだったので、社内の腰の重い人たちをどう盛り上げていくかとういうことに関心が高かったように思います。

▶︎会場全体でシェア
全体シェアでは、スタッフから2人と会場の参加者から1人募集されてグラフィックレコーディングをしていきます。

ここでシェアされたことは

「リフレクションツールで、自分の中に眠っていたものを再発見できた!」
「自分を見つめて、初めて相手の魅力に気づける!」
「大人は難しく考えがち、子供の気持ちに戻ろう!」

など、会場からたくさんの声が上がりました。そんな中で、落合第六小学校の竹村さんへ「こういう未来に向かって『描く』ことのカルチャーをどう盛り上げていけるか?」という質問があり、「いくら小学校でやっていても、中学校へ上がるとまたその中学校のやり方に嵌められてしまう。もっと先にある大学や、社会など未来に目を向けるように伝えている」という話がありました。子供たちの担任の先生からも「少し自由にさせすぎちゃうところもあるけど、子供たちの将来を広げていきたい。」ということもおっしゃっていました。

ビジネスの話も同じで、次の工程に渡すだけの仕事ではなく、その先にどんな未来があるのかをみんなで描きながら実現に向けて走っていくことが大事なのではと感じました。

「子供とか大人とか関係なく、学校でも社会でも変わらない。」「自分も忘れかけてた気持ちだった」「枠とは『心』、そこから抜け出していく!」など、最後にグラフィッカーさんによるコメントもありました。

そして、イベントのフィナーレはグラグリッドメンバー&スタッフからのふりかえりです。「いろいろ楽しすぎて、何言おうかわかんなくなった。」というコメントが、すごくこのイベントを表しているように思いました。そう、いろいろ楽しすぎました。

さいごに

かなりボリューミーなイベントだったのですが、終わってみれば「あっ」という間の時間。帰りの見送りまで楽しませてくれるホスピタリティの高さ、見習いたい!参加者の熱を冷まさずに送り出すステキなイベントでした。

また、ワークショップ2で使った「えがっきー」ですが、現在クラウドファンディングで資金調達をしています。気になった方は、ぜひぜひ支援してください!


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#グラフィックファシリテーション #グラフィックレコーディング #インダストリアルデザイン #プロダクトデザイン #アイデアスケッチ #ビジュアルシンキング 頭の中のものを「カタチ」にするお仕事🧠💭 日本大学藝術学部デザイン学科非常勤講師
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