グラレコ&観察スケッチでアイデアスケッチをブーストさせる
グラフィックレコーディングに、観察スケッチに、アイデアスケッチ…ごちゃ混ぜ全部乗せみたいな話ですが、どれも最近自分がやっていてマッシュアップしたら、アイデア発想を促進できそうだなと感じていたものたちです。
簡単に流れを説明すると
アイデアスケッチに入る前に、グラフィックレコーディングを用いて、インプットの情報を整理したり、ネット上などで得た二次・三次的な情報から自分事として迫り「問いの創出」をおこない、観察スケッチで「解を導く基本的な方程式」を理解しておきましょうという流れです。
▪︎グラレコ&観察スケッチで、発想の下ごしらえをする
グラフィックレコーディングは、専門家・有識者、当事者、ユーザー、デザイナー、エンジニア、経営者などなど…多様な背景のメンバーたちの意見を同じように拾いあげ、リアルタイムで構造化/可視化し、再び問いかけとしてメンバーへ投げ返して議論を促進していくということを行います。その過程で、それぞれの目線から浮かび上がる「問い」が見えてきます。
上記のようなことで仕事でもグラレコをやりますが、イベントの備忘録として個人的なメモに使ったりしています。
観察スケッチは、今あるモノやサービスの仕組みを理解するために、観察して図として描き表すということをやります。図に表すには、表層的な見える部分だけでなく、その裏に込められた意図を汲み取ることが重要です。
例えば、「ここが出っ張っている」ということに対して、「ここを持つように誘導している?」「別の動作部分の動きを制限しているのでは?」というふうに、なぜそうなっているのか?を考えていきます。単純な既製品・競合品の研究ではなく、人とモノ/人とサービスの関わり方に迫っていきます。ここからでも「問い」は生まれると思いますが、今回は問いから「あるひとつの解」を具体化するための方程式を理解するための方法として扱います。
▪︎アイデアスケッチで発散する!
アイデアスケッチは、そんな気づきや「こうなりたい!」という思いを描くフェーズです。アイデアスケッチと言われると、何か素晴らしい解決方法を描かないといけないんじゃないかと身構えてしまいますが、自分の頭の中にある「こうなると理想だよね」というぼんやりとした姿を伝えるためのものです。
じゃあそれを叶えるためにはどういう方法がある?それを実現するにはどうする?は、あとから考えればいいことです。
そのために観察スケッチという段階を入れ込みました。図の流れでは、アイデアスケッチの前に入っていますが、アイデアスケッチの中に組み込んだり、アイデアスケッチをおこなった後の具体化のフェーズでおこなっても良いと思います。
その後は、いわゆるデザイナーのイメージで浮かぶような、スタイリングを整えたり、実装のためにプロトタイピングをおこない、解決方法の最適化や精度を高めていく地道で泥臭い作業が続きます…。
ここで「グラフィックレコーディング」「観察スケッチ」「アイデアスケッチ」「実装するための開発」と細かくワークを区切って設計しているのは、それぞれの目的に集中するためです。問いを考えているのに、先に答えのことを考えてしまって予定調和になったり…、「どう実現するか」が足かせになりアイデア発想がジャンプできなかったり…、いつも終着点のことを心配して、今やることがおざなりになってしまうことを防ぎます。ちゃんとチェックポイントを通れば、ゴールにはたどり着きます。次のチェックポイントはどんな所だろうとワクワクしながら進んだ方が楽しいですよね。
そんなワクワクが、グラフィックレコーディングを通じてのディスカッションの中や、観察スケッチの中にはあるように思います。また、「こんなふうに、とりあえずで描いて良いんだ!」「絵の上手い下手じゃないんだなぁ!」という絵を描くことへのアレルギーや心理的なバイアスを自然に取り払ってくれることも期待できそうです。アイデア発想の「下ごしらえ」として、インプットする情報の浸透率を高めたり、気持ちの醸成をおこなうためにも有効だと思います。
▪︎まとめ
・グラレコで、当事者意識を育てながら自分たちの問いをつくる
・観察スケッチで、実装するために必要な具体化のヒントを見つける
・思った/感じた個人のモヤモヤをアイデアスケッチで吐き出す
最後にポイントをまとめると、上記のような流れでアイデア発想をすると
単なる思いつきアイデア("I"の段階)でも、積極的に「意味」を見出す("We"の段階)ことができるように思います。
※アイデアスケッチの手法における「私(I)」と「私たち(We)」については、こちらの記事にわかりやすく記載されています。
まだ粗い骨子ですが、(ひとりでやってみた結果)個人的には思考を広げて発想しやすい方法になりました。簡単なワークショップなどおこなって実証していきたいです。
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