【第1回】ちょっとだけハードな僕の人生~出産当時編~【自伝コラム】
※こちらの記事は第0回からの続きです。
人の一生を物語に例えるなら、第一話のタイトルは誰しも「出産」になってくるわけで、まずはそこから書かせていただこうと思います。
さて。
僕ら人にとって、人生のスタートラインとも言えるこの出産というイベントにおいて、僕ことのらは早速、とんでもないスタートダッシュを決めてしまいます。
どういうことかと申しますと、陣痛が始まってから出産が完了するまでの所要時間、こちらは平均して12時間ほどかかるそうなのですが、僕の場合なんと、母親が3回いきんだだけで事が済んだそうなのです。
時間にして、たったの一分。
本当に、「え?」って感じですよね。
出産のギネス世界記録がどれほどかは知りませんが、少なくとも、狙ったとして簡単に出せる記録でないことは確かです。
母親曰く、「出したというより抜け落ちたという感じだった」とのことでしたので、その言葉からも事の異質さが伺えるかと思います。
つまり僕は、母親に出産の苦労を殆ど感じさせることなくこの世に生まれて来ることが出来たたった一人の子供だった訳です。
因みにたった一人と書いたのは、僕の母親が総計6回の出産を経験した出産のプロだからです。
そんなこんなで僕は、我が家の3番目(次男)として晴れてこの世に生まれてきたのでした。
肝心の妊娠期間はというと約8.5ヶ月だったらしく、
こちらも平均が約10ヶ月であると考えると、かなり早期であったと言えるでしょう。
今でも僕はとんでもないせっかち人間ですが、その気はもしかすると、生まれながらのものであったのかもしれません。
しかし、何でもかんでも早ければいいわけでは、当然ありません。
そう。
この早期の出産が影響してか、生まれたばかりの僕の身には、とある問題が見受けられたのです。
それが何なのかというと、僕の出生時体重はたったの1500gしかなかったのです。
あまりぱっとしない方がいるかも知れないので例えを出すと、僕のちょうど1年半前に生まれた兄の出生時体重は3200gでした。
彼は比較的ガタイがいい寄りの赤ん坊ではあったらしいです。
しかし、それにしてもです。
年子の兄の半分以下の体重で生まれて来たというこの事実。
当然、見逃せる事案ではないということで、直ぐ様僕は検査を受けることになったそうです。
母親としては、気が気でなかったでしょう。
なんせ彼女は、その直前にとんでもないスピード出産をしているわけですから。
生まれてくるのが早すぎたのかも知れない。
きっと、そう思ったにちがいありません。
しかし、幸いなことに、数日にわたって行われた検査の結果、健康上の問題は特に存在しないことが判明しました。
つまり、当時の僕はとんでもないスピードで生まれてきただけの、単なる小柄な赤ちゃんだったのです。
一件落着。
ということで、それから僕は看護師さんの手によって、無事母の手元に戻ることになりました。
しかし、その時の僕には依然、異常な点が見受けられたそうです。
なんと、母の手元に戻ってきた僕の手は、「赤ちゃん特有の可愛くて小さな手」ではなく、まるでサッカーのグローブのようにパンッパンな形をしていたそうなのです。
僕は実際にそれを見たことがないので分からないのですが、母が言うには、「ついてる指が5本とも太くて短かくて、笑ってしまった」とのことでした。
まぁ、笑えるレベルだったということは、異常と言う程ではなかったのかもしれません。
しかし、この手は後に「握力が致命的に弱い」「柔軟性が皆無」「ありえないほど小さい」というおもちゃっぷりを徐々に披露し始め、
幼児の頃の僕は、それなりに困らされたそうです。
今でこそ比較的正常な形に落ち着いてくれたから良いものの、
もし、その形のまま大人になっていたら、それなりに大変だっただろうなと思います。
それにしても、せっかちで危なかしくて太くて短い。
今回のコラムに散りばめられた要素は、今の僕にも通ずるものばかりのように思えます。
今でも僕はせっかちで、衝動的で、細く長くと言うより太く短く生きていきたいと思っていますので。
そう考えると、この出産というイベントにはその子の個性が大きく現れるのかもしれないです。
表題は同じでも、構成や展開はその子によって大きく変わってくる。
それが、人生の第一話「出産」なのかもしれません。
もしそうだとしたら、僕が作り出した世界観は、何でもありのギャグ漫画といったところでしょうか?
「秒速の出産」
「検査入院」
「太過ぎる指」
はい、
割と悪くない三本立てではないでしょうか。
二本目の弱さが若干目立ちますが。
少なくとも、お蔵にはならずに済みそうです。
因みに、
初期のサザエさんはどうやら、日常系と言うよりもギャグテイストが強かったらしいですよ。
それに、割と過激なタイプの。
意外ですよね。
カツオくんが首を閉められたり、フネさんが刃傷されたり、
そんなのが通常運転だったそうです。
楽しそうですね。
ぜひ、今からでもそちらのテイストに戻していただきたいものです。
まぁ、しかししかし。
未だユーモアがないのが悩みの僕に、神様はとんだセットを用意したらしいです。
書いているうちに、自分の人生がハードモードたる所以に意図せず辿り着いてしまったのかもしれません。
どうりで僕の人生、真面目になればなるほど上手くいかないはずです。
これからはもっとロックかつ適当に生きた方がいいのかもしれません。
こち亀の両さんみたいに。
さて。
書いていてだんだん楽しくなってきた頃ではありますが、残念ながら、この世には文字数というものが存在しまして、今回はここらで切り上げさせていただこうかと思います。
皆さん。
いつの間にやら第一回が終わろうとしておりますが、いかがだったでしょうか。
ん?
「聞いていた話と違う」
「全然暗い内容じゃなくない?」
ですって?
はい。
実をいうと、僕の人生が本格的に闇期に突入するのは、主に小学校の後半からです。
それまでも、辛いことがなかったわけではないのですが、比較的平和な方だったと思います。
と言うことで、しばらくは明るめのパートが続きます。
なので、
「早く鬱期に入れよ!!」
「俺は人の不幸が大好きなんだ!!」
という邪悪な心を持った方がもし、いらっしゃいましたら、その方はもうしばらくお待ち下さい。
それでは皆さん、次回のコラムもお楽しみに。
さようなら。
【第二回に続く】
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