見出し画像

【第8回】僕の人生はちょっとだけハードでした~幼き日のいたずら編~【自伝コラム】

「みちは昔から、本当に手がかからない子だった」

母親に自分のことを聞くと、よくこう返されます。

因みにみちというのは、主に家族内で共有されている僕の愛称です。 

たしかに僕は、幼い頃から今に至るまで一人でいることが多かったし、する遊びも比較的静かなものが多かったので、母が「あまり注意して見ていなくても大丈夫な子」というイメージを抱くのは普通のことだと思います。

少なくとも、さみしくて泣くようなことはなかったような気がしますしね。

しかし、そんな親の目を離れることが多かった僕だからこそ引き起こし得た珍事件は意外と多くありました。

今回はその中から僕が好きなエピソードをいくつか紹介していきたいと思います。

例えば、幼少期の僕には、毎朝常設されたトイレットペーパーを丸々出し切り、それを便器にしきつめ流すという謎ルーティーンがあったらしいです。

トイレをするわけでもなくそんな事を毎日繰り返していたというのだから、親からしてみれば正直恐怖でしかなかっただろうと思います。

というか、気が付かない内は単なる怪奇現象です。

その上、それを終えた後の僕は毎回決まって「ふぅ~」という字幕がつきそうなほどの達成感をその額ににじませていたというのですから、我ながら、全く意味が分かりません。

何の使命感にかられて、そんな事をしていたのでしょうか?


しかし、そう入ってみたものの、不思議と自分が子供を持った時に息子がそれと同じことをしたら、僕はそれを褒めるような気がします。

それこそ、ハイタッチをして「今日もお仕事ご苦労さん」と我が子の仕事っぷりを労うかもしれません。

僕は、自分の理解できないものを目の当たりにした時に、拒絶よりも感動を覚えるタイプなので、

ワンチャン、抱き寄せてナデナデをしてしまう気すらします。


はて。

書いていて、自分の親適性のなさが浮き彫りになってしまった気がしなくもないですが、

そんなことは今考えるべきことではないので、

先に進みます。


他にも僕の起こした珍事件はいくつかあります。

次に紹介するのは、1つ目と同じ幼少期時代のエピソードです。

その頃の我が家にはお菓子箱と名のつく小棚が台所の奥まった位置にあって、そこには我が家に存在するすべてのお菓子というお菓子が集結していました。

僕にはそれが、どの角度から見ても光り輝く宝箱にしか見えませんでした。

そう、僕は幼い頃から自他ともに認める大の甘い物好きだったのです。

ここまで言えば予想が付く人もいるかも知れないですし、もしかしたら同士の方もいらっしゃるかも知れませんが、そうです。

スキがある時もそうでない時も、常に僕はその宝石箱の中身を狙っていたのです。

心持ちあまるで、宝を独り占めせんとする海賊でした。

「食べたい。」

それを見つめる僕の脳内は、おそらくその言葉ただ一点に集中していました。


しかし、その好奇心が、時にとんでもない事態を招くことがあったのです。 

あるときは食い散らかしたお菓子の匂いを嗅ぎつけたありの大群が台所めがけて怒涛の進撃をかましてきたり、

またあるときは、美味しいと思って口に入れたお菓子が目茶苦茶不味くて死ぬほどびっくりしたこともありました。

2つ目に関しては、「なんだその小さい事件は」と思う人がいるかも知れないですが、とんでもありません。

「お菓子はすべからく目茶苦茶上手い」と固く信じていた当時の僕にとっては、その体験は十分に事件と呼ぶに値したんです。


まだまだ珍エピソードはあります。

僕には小学生時代の何処かで落書きにハマりまくっていた時期がありました。

部屋の電気のスイッチに芋の落書きをして、焼き芋が食べたいという意志を親に伝えようとしたこともありましたし、畳の部屋の壁に「ポッポ」等と響きが好きなポケモンの名前などを書いたりしたこともありました。

他にも姉の遠足用のお弁当箱に「DJダイキ」という謎の暗号を書き込んでしまい、それが姉の友人感で物議を醸してしまった、なんてこともありました。

友「DJダイキって誰?」

姉「えっ、知らない。誰だろう…」

友「なんか怖くね?」

的な感じだったらしいです。

(因みにダイキというのは、僕の弟の名前です。)


とにかく僕は、好きなものを好きなところに書くことが本能レベルで好きで、書きたいと思い始めるとそれを抑えることができなくなるような衝動的な子供でした。

そしてこのことは、他のいたずらにも共通して言えることだと思います。

なぜだかわからないけど、出したいからトイレットペーパーを全開まで出す。

食べたいからお菓子の宝石箱を漁り散らかす。

書きたいから、書きたい場所に書きたいときに落書きを書く。

僕は今でも自由な発想を縛られるのが嫌いですが、思えばこの頃から本能の赴くまま自分の思い通りに生きたいという欲望は強くあったのだと思います。

その証拠に、僕はどれだけ周囲に注意されても、いたずらをすることをやめませんでした。

まあ、平たく言ってしまえば、僕は元々頑固だったということでしょう。

と、ここまで幼少期にしたいたずらについて、僕が好きなエピソードをいくつか紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

他にも僕が起こした珍事件はいくらでもありますが、全てを書いていたらきりがないので、今回はこれぐらいにしておこうと思います。

とにかく僕は自由人で、いたずらをしていたというより、思い通りに遊んだ結果をいたずらと取られてしまうことが多い子供だったのだと思います。

自由を追い求めるあまり叱られた経験も多くあったと思いますが、めげずによく続けてくれました。

おかげで今こうして、楽しく記事が書けています。

昔の僕、ありがとう。

【第9回に続く】



この記事が参加している募集

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?