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ポートランド滞在記録6【ポートランドに住む高校教師から聞いた、アメリカの高校の教育システムが想像以上に面白かった件】

どうも!

数日天気がいい日が続いてご機嫌の毎日です。

海、湖、そして長男くん。

昨日は、長男くんが、「No Thank you」ってなに?と英語を聞いて疑問に思ったらしく質問してくれましたが
おお、ちゃんと聞いているんだなとちょっと感動してしまいました。

1ヶ月でも環境の力ってすごい。
全く英語教えてないのに妻さん曰く、perfectの発音が良くなっているようです。笑
同時に周りの言葉がわからないことで怖さもあるよう。今日はそれを打ち明けてくれました。そりゃそうだ。

さて、今回はタイトルにもある通り、ポートランド在住の現役高校教師からお話を聞くタイミングがあったのでそちらについて書いていこうと思います。

元々知っている情報としては
・スクールバスがある
・単位制
・飛び級なるものが存在する
・卒業後の進路としてコミュニティカレッジなるものがある。(日本ではあまりない制度)
・大学への入学は比較的しやすいが、卒業が難しい。
・学費などの免除は少ないため、大学では休学などをしつつ学費を稼ぎながら通っている。
くらいなもので、、、恥ずかしながら、僕はアメリカの教育システムについて全く知らないに等しいのです。

お話の中で理解したことは
・アメリカの大学は4年制
・担任の先生のような人(ホームルーム)がいて4年間変わらない。だから信頼関係を構築することができる。
・毎朝、ホームルーム的なことをするし、週に1度はホームルームの拡張版のようなものを行いコミュニティ活動の時間が確保されている。
・必要な子には大学で学べることも提供できる。そして大学の単位も取得できる。(つまりこれが飛び級というやつ)
・部活的なものはなく、クラブ活動に参加するもシーズンごとにクラブが変わる。春〜夏は野球クラブがあるが、冬になると解散し、次のウィンタースポーツのクラブを選ぶ必要があるらしい。
・大体、最初の1〜2年間はいわゆる基礎科目的に必修なことが多いが、3、4年生と上がっていくにつれて選択科目が増えていく、最終的に4年生では午前中しか授業に来ない子もいるらしい。
・3~4年生になって選べる選択科目には様々な方向性がある。例えば、大工、料理人、アーティスト、工学系などなど、具体的に身体的なスキルを身につけていくためのクラスも豊富で、それぞれのキャリアに合わせた学びの機会づくりを行なっている。
・上記は特別なことではなく全ての公立高校において実施されている。そしてアメリカでは高校までが義務教育期間。

個人的に非常に面白かったです。
日本の高校と大学と専門学校とを混ぜ合わせたような仕組みだと思いました。(実際には語弊はあるかもですが)

個人的には特に3〜4年生の仕組みが好みです。
手を使うクリエイティブな教育機会があることは本当に素敵だなとお思いますし、それをできる教育者がいることも素晴らしいと思いました。
僕が移住した陸前高田でお世話になっている漁師さんが言っていた言葉が頭をよぎります。
「今の若いやつは、頭はいい、心もまぁ成長してきたと思う。でも手を使うことができない。昔よりも手を使えない若者が増えたな〜」と。

手を使えないということは、思いついても生み出せないということ。
多分に漏れず、自分自身もその世代ど真ん中。
地域に暮らしていて自分の手力の無さを思い知ってきたわけです。

生きていく上で、完成されたものを使うのではなく、
自分で暮らしを手がけられる「手の力」は
持続可能な社会でも、ウェルビーイングな個人の生き方にとっても今後大切になってくると思うのです。

その機会を教育に取り戻していくことは個人的にはとても賛成です。
手を使えることが創造的な社会を支えてくれるのではないかと思います。

一方でアメリカでは
地域と繋がり学生たちが様々なアクションを行うような仕組みはないらしく
マイプロジェクトや探求のような仕組みは面白いと言っていました。
結構、これについてはアメリカも日本から学べることがありそうで今後何かできないかな〜とかをぽわぽわしております。

総じてアメリカは教育機会の格差がすごい印象でもあったんですが、公教育の中で格差は是正されてきており、同時にカリキュラムの中では一人一人のライフプランニングができる機会づくりを高校の中でしっかり取り組んでいる印象です。

高校までを義務教育の期間として、多様な働き方とワークスタイルの体験機会を作り、社会と接続機会するところまでをデザインされている。
ただ、これもオレゴン州というエリアに限定した感覚なのだろうと思います。

この点については、デンマークとも近しい教育感覚があるなと。
現場の感覚としても多様な生き方を選択できる機会を作り、一人一人のウェルビーイングを実現するということはありそうです。(アメリカの全体像やはわからないので確信は持てませんが。)

それでもアメリカではドラッグや若年層ホームレスなど様々な問題があります。
卒業後の保証の少なさと徹底的な資本主義&実力社会なのだということも感じています。義務教育を卒業した後のYouthたちがどのように社会で自立の基盤を獲得していくかについては、また日本と違った角度で根深い部分がありそうです。

日本はまだまだ学力至上主義。同時に元々多様だったワークスタイルは解体されつつあり、職業間の格差は広がりつつある現状なのではないかと捉えています。

語弊はありかもしれませんが
人間は自由であり、自由が故に自らの基盤もあなたに委ねられる。
最低限の機会は渡すし、その機会の中でどこまででも登っていけるので
自分の全ての能力を見いだし、自ら自由を勝ち取れ!的な感じでしょうか。保証はしてくれない社会で自由な人生のために。

あくまで一個人から聞いたお話なので、興味のある方はさらに調べていただいて、僕にもまた教えてください!

オレゴン歴史博物館の中で見つけた
最強に心を揺さぶられる名言があったので最後にシェアです。

子ども向けのBook Nookにあった名言。
奮い立ちました。

それでは!

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