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「アイスブレイクなんてする余裕がない」という人にこそ、アイスブレイクをオススメしたい

みなさんは、普段の会議で「アイスブレイク」をやりますか?

「アイスブレイク」とは、会議が始まった直後に行う、参加者が話しやすくする工夫のことです。

「実際に初めて顔を合わせる場合、名刺を交換して自己紹介したり、興味がありそうな話題を口にしたりして、話のきっかけを探る。互いの緊張感を解きほぐして話しやすい雰囲気をつくる「アイスブレイク」の時間だ。」

対面の会議では、名刺交換などで自然とできていたアイスブレイクも、オンライン会議では難しいと言われています。

では、日々のオンライン会議で上手にアイスブレイクを取り入れるにはどうしたら良いのでしょうか。

今日は、簡単にできるアイスブレイクについて書いてみたいと思います。

アイスブレイクの2つの目的


アイスブレイクのやり方について書く前に、アイスブレイクの目的を改めて確認したいと思います。

アイスブレイクの目的は、2つあります。1つ目は、先ほども書いた通り、参加者が話しやすくなる雰囲気作りです。

では、もう1つは何でしょうか。

それは、自分自身がリラックすることです。

私は、アイスブレイクは、相手のためだけでは無く、自分にも役に立つんだ、と考えることが重要だと思っています。

これは、弊社のある若手社員が、初めてワークショップのファシリテーターを担当することになった時のエピソードです。

ワークショップの開始直後は、先輩が後ろから見ていてもわかるぐらい、ファシリテーターである彼自身が、最初はガチガチでした。

しかし、アイスブレイクが始まり、参加者同士がワイワイ話し始めた頃から、ファシリテーター自身の顔色がみるみる良くなりました。

ファシリテーターの緊張がほぐれたこともあり、その後のワークショップは順調に進み、デビューとしては上々の結果に。

後日、その先輩は「一番アイスブレイクしたのは、ファシリテーターである彼自身だったね」と笑って言いました。

このエピソードからもわかるように、アイスブレイクは実は、会議の進行役である自分自身をリラックスさせるための効果的な手法でもあります。

なぜなら、進行役を緊張させる最大の理由は、「参加者が好意的に会議に参加しているのかどうか、よくわからない」からです。

アイスブレイク・セッションを通じて、参加者が会議に前向きな様子を見ることで、進行役は安心して会議を前に進めることができるのです。

なので、「参加者をアイスブレイクで和ませるなんて、そんな余裕は無いよ!」と思う人ほど、自分のためにアイスブレイクを取り入れた方が良いと思うのです。

難易度別の4つの手法


ここからは、日頃のオンライン会議で使えるアイスブレイクを紹介したいと思います。難易度別に分けてみたので、ご自身の状況に合わせて使ってみてください

難易度★☆☆☆
大きな声で挨拶する

以前、演劇のプロに教えてもらったのですが、最も簡単にリラックスする方法は、大きな声を出すことだそうです。大きな声と言っても、怒鳴るのでは無く、お腹から声を出すイメージです。

同様に、オンライン会議の最も簡単なアイスブレイク手法は「挨拶」だと思います。やり方は、会議冒頭にカメラをオンにして、少し大きめの声で「○○さん、こんにちは」と笑顔で話しかけるだけです。

挨拶を成功させるポイント2つあります。

1つ目は、「○○さん」と名前をつけることです。そうすると、高い確率で相手も「こんにちは」と返事をしてくれます。このように、お互いに声を出せば、それだけでアイスブレイクにつながります。

2つ目は、少し早めにオンライン会議に入ることです。すでにたくさんの人が入っていて、シーンとしている会議で「○○さん、こんにちは」と大声を出すは、逆に緊張しますよね。

しかし、開始時間の2〜3分早めに入っておいて、相手が入ってきた順に「○○さん、こんにちは」と話しかけるのは、それほど難しくはありません。

少し早めに入っておいて、相手の名前を呼びながら挨拶する。これが最も難易度の低いアイスブレイク手法です。

難易度★★☆☆
特定の人に話しかける

挨拶に続いて、雑談ネタを提供できると、さらにアイスブレイクが進みます。

例えば、

「○○さん、おはようございます。今日は本当に寒いですね」
「○○さん、こんにちは。その壁紙の画像、かっこいいですね」
「○○さん、お疲れ様です。今年度も、もうすぐ終わり、早いですね」

など、相手が返事しやすそうなネタを振ることができれば、雰囲気も温まります。

ネタといっても、特殊なネタである必要はありません。天気、季節、食事など、話しやすいものが良いと思います。

この時のポイントは、挨拶同様、「○○さん」と宛先をつけることです。

宛先をつけないと、誰が返事をして良いのか迷って、逆に「シーン」となってしまうことがありますので、宛先をつけて話してみてください。

なお、オンライン会議では、あまり触れない方が良いこと(実際の部屋が背景に映っている場合の、部屋の様子など)もあります。オンラインならではの配慮も必要だな、と思います。


難易度★★★☆
一人一言「チェックイン」

会議の時間に余裕があれば、一人一言話す時間を取れると最高です。

ワークショップなどでは「チェックイン」と呼ばれますが、ホテルや飛行機のチェックインのように、会議に入る前の簡単な儀式として、自分の気持ちなどを共有する方法です。

私はよく、こんな感じで、参加者に一言話してもらいます。

それでは、発声練習を兼ねて、一人一分間でお話しください。
話す内容は2つ、最近のお仕事内容と、プライベートで最近ハマっているものです。
では、五十音順で、お名前の順番にお願いします。

ここでのポイントは2つです。

1つ目は、仕事の内容だけでなく、プライベートな側面も出してもらうことです。人は、自分と共通点があったり、自分には無い才能の持ち主の話はよく聞く、という習性があります。

「隣の課の課長さん」という遠い存在だった人が、実は自分と同じ「山登り」の趣味を持っていたり、「日本百名山を完全踏破した」と知った瞬間に、相手を見る目が変わります。

そのようなきっかけの多くは、仕事よりもプライベートな側面に多いと感じています。

2つ目は話す順番を最初から決めてあげることです。オンラインはアイコンタクトが使えないので、「誰からでも自由に話してください」が、一番困ります。

五十音順や、誕生日順、あるいは司会が指名する形でも良いと思いますが、話す順番は決めた方がいいと思います。

難易度★★★★
二人組での「他己紹介」

先ほどのチェックインをさらに進化させたのが、二人1組での「他己紹介」です。

「他己紹介」では、二人1組でお互いに自己紹介をしたのちに、会議参加者全員に向けて、相手のことを紹介します。

「他己紹介」を行う場合、zoomのブレイクアウトルームで二人1組で自己紹介をしあう環境を作る必要があり、すこし手間がかかる方法です。

しかし、全員が誰かと対話をする時間が取れるので、アイスブレイクがとても進みます。また、ペアの相手のことを、参加者全員に発表することで、参加者の人となりを知ることもできます。

新しい部署や、数ヶ月続くプロジェクトのメンバーとの最初のミーティングなどで実施すると効果的だと思います。

自分のためにもアイスブレイクしよう


今日は、オンラインでも簡単にできるアイスブレイクについて、いくつか紹介しました。

会議のファシリテーターや進行役はもちろん、一人の参加者であったとしても、「挨拶」や「ネタをふる」などのアイスブレイクはできると思います。

アイスブレイクの目的は、「話しやすい雰囲気をつくる」だけでなく、「自分自身をリラックスさせる」こと。

自分自身がリラックスして良いパフォーマンスが出せるように、ぜひアイスブレイクを使いこなしてもらえたらと思います。


※Twitterでは、気になる記事をコメント付きで投稿してます。気になる記事がアイスブレイクのネタになることも・・。


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