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グダグダ会議を変えるには、一枚の「アジェンダ(目次)」があればいい

オンライン・オフラインに限らずですが、会議の進行って本当に難しいですよね。

クリエイティブディレクターである佐藤可士和さんも「会議をデザインせよ」とおっしゃっていますが、なかなか思い通りにはいかないものです。

打ち合わせは、ファシリテーターの腕でその質が決まります。打ち合わせにおいて仕切り役は、極めて重要な役割を持っているということです。

で、私が後輩に「会議をうまく進めるにはどうしたらいいですか?」ともし聞かれたら、ファシリテーションとかなんとか言う前に、まず「アジェンダ(目次)を1枚作りなさい」と言うだろうなー、と思います。

会議にアジェンダを用意することぐらい知っているよ! という方も多いと思うのですが、会議続きで時間がなくなり、意外とできていない場合も多いように思います。

実は、アジェンダは簡単に作れる割にはものすごくパワフルで、ファシリテーターなんていなくても、アジェンダ1枚で上手に会議を進めることができる優れものです。

実際、アジェンダが完成したら、会議準備の半分は終わったようなものだ、と言えます。

そこで今日は、最小限の労力で最大の効果を発揮する、会議のアジェンダ作りについて書いてみたいと思います。

場当たり的な会議進行は、自分に返ってくる

アジェンダとは、「今日の会議の進め方」を書いたものです。

アジェンダの他にも、会議の進め方、議題、目次など色々な呼び方がありますが、この記事では「アジェンダ」と呼びたいと思います。

アジェンダの作り方に入る前に、まずは「うまくまとまらない会議」をみてみましょう。

例えば、あなたがBtoBのマーケティング支援会社の中堅社員だったとします。

最近話題の「Clubhouse」を使って、自社のサービスをもっと知ってもらうためのアイデアを考えたい! そう思い立ちました。

早速、チームのSlackで、Clubhouseの招待を送った上司と若手の2人に声をかけます。二人とも興味をもってくれて、すぐに会議の日時が決まりました。

会議の時間は1時間。オンライン会議のはじまりです。

【会議前半】

早速、Clubhouseをやりこんでいる若手とあなたの2人で会話が盛り上がります。

「あの芸能人がこんな話をしていましたね〜」
「そういえば、イーロン・マスクが来たらしいよ!」

ところが、遅れてきた上司が「実は、アプリはダウンロードしたけど全然使っていないんだけど、どんなものなの?」と言ってきます。

招待したのに、使ってないのかよ!とも思いましたが、気を取り直してClubhouseの説明をします。口頭で説明してもいまいち伝わらないので、スマホの画面をカメラ越しに見せてなんとか説明。

なんとなく雰囲気が伝わったところで、時間はすでに30分が過ぎています。

【会議後半】

しびれを切らしたあなたは、「そろそろ、アイデア出しをしましょうか」と切り出します。ようやく話は本題に。

「セミナーを定期的にやったらいいんじゃない」
「有名人に絡んでいこうよ」

アイデアがどんどん出てきて、いよいよ盛り上がってきたかに思われましたが・・。

「でも、コンプライアンス的に大丈夫?」
「そもそも、うちの会社って保守的すぎるんですよ」
「そうなんだよ、この前なんてさぁ・・・」

アイデアを出す会議のはずが、会社の愚痴大会になってしまい、気づけば残り時間はあと3分

そろそろまとめに・・・と思ったら、仕事を押し付けられそうだと察知したのでしょうか、若手は「次の会議があるので抜けまーす」と言い残して、消えます。

上司も、「部長に提案しておくからさ、アイデアを企画書にまとめておいてくれる?」と仕事をあなた一人におしつけて去っていきます。

一人取り残されたあなた。

「こんなはずじゃなかったのにー。もう会議いやだ。涙。」

やや大げさに書いていますが、こんな会議になりがちではないでしょうか。

さて、こんな悲しい結末にならないために、どんなアジェンダが必要だったのでしょうか。

ここからは、アジェンダの作り方について書いていきたいと思います。

会議は未来予測から始まる

アジェンダ作りの第1歩目は、会議を予測することから始まります。

時を、会議の前に戻しましょう。

会議前のあなたは、参加者の顔を思い浮かべます。

「あの先輩、忙しそうだからなー。もしかしたら、招待したClubhouseをまだあまり使っていないかも」

参加者の間で、テーマに対する知識や体験の差があるかもしれません。

そういう場合、アジェンダの1つめの項目は「Clubhouseの体験共有」にしましょう。

「でも、あの後輩、話し出したら止まらないからなー」

そう思ったら、アジェンダに「Clubhouseの体験共有 1人3分」と時間を追加すると良いかもしれません。

次に、アイデア出しのシーンを想像します。

「あの先輩、意外と慎重なタイプだから、コンプライアンスとか、他社はどうしているのかとか、気にしそうだな」

ということは、すでに他社が実施している事例があると参考になるかもしれません。

アジェンダの2つ目の項目に「他社事例紹介」としましょう。これは、あとで自分で簡単に調べておくことにしました。

これで、参加者の目線が揃い、安心してアイデア出しに没頭できるはずです。

アジェンダの3つめの項目は「アイデア出し」。ここは時間をたっぷり30分ぐらいは欲しいところです。

ただし、最後に、出てきたアイデアを整理して、役割分担する時間を取りたいものです。そうしないと、結局一人で仕事をかけてしまうことになりかねません。

アジェンダの4つ目の項目は「ふりかえり 10分」として、時間に余裕を持たせます。

最後に、議論が盛り上がるとつい忘れがちな会議の「目的」を、一番上の目立つところに書いてアジェンダの完成です。

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あとは、このシートを会議の最初に共有するだけです。

実際、5分ぐらいで完成できる、簡単な作業です。会議中は普通に参加者として自由に発言して構いません。ただし、タイムキープだけはやりましょう。

このアジェンダがあることで、参加者の目線を合わせ、目的を見失わずに会議がすすめられます。そして、最後のふりかえりの時間でちゃんと役割分担ができれば、自分の負担も減るので、みんなハッピーです。

アジェンダで大事な5つの要素

改めて、「アジェンダに必要な5条件」をまとめます。

条件1:会議の目的は目立つところに書くべし

話が盛り上がると、つい脱線して盛り上がってしまうもの。少しの脱線は良いのですが、困った時に立ち戻る「目的」をアジェンダに書いておくと便利です。

条件2:アジェンダの項目はシンプルに

アジェンダは、パッと見て理解できるように、箇条書きで4〜5項目にまとめましょう。メールやチャットで送れる程度の分量がベストです。

条件3:各項目の時間を書こう

話し始めるとつい忘れてしまうのが、タイムキープです。そこで、あらかじめアジェンダに、各項目で話し合う時間を書いておきましょう。そうすると、参加者の頭に話して良い時間のイメージを植え付けることができます。

例えば、「盛り上がっているところ申し訳ないのですが、そろそろ次のテーマに・・」と切り出す時も、あらかじめ時間が書いてあれば、参加者も「そうだったね」と納得しやすくなります。

条件4:意外と大事、終了時間

特にオンライン会議は、次の会議がすぐ始まる人がいます。アジェンダに終了時間を書いておきつつ、会議が始まる時に一言「終了時間になったらすぐに移動しなくては行けない人はいますか?」と聞きましょう。

仮に会議が盛り上がった時でも、時間通りに終わらせなくてはいけないのか、少しぐらいなら延長できるのかが、把握できます。

条件5:会議開始時に見せる

アジェンダは、会議が始まる時に見せましょう。当たり前じゃないか!と思うかもれいませんが、意外と参加者が話し始めてしまって、出すタイミングを失ってしまうこともあります。会議の最初に一声あげて画面を共有しましょう。

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アジェンダは変わっても良い

ここまで、アジェンダの重要さを書いてきました。

しかし、会議は生き物です。話していたら、もっと大事なテーマが見つかったり、良い意味で脱線していくことはよくあります。

そんな時は、ためらわずアジェンダを変更しましょう。

ただし、「アジェンダとは変わりますが、この話は大事なので、このまま続けましょう」などと一声かけてあげると、参加者は安心します。

アジェンダは、守るべき法律ではなく、会話に没頭するための不安解消ツールです。

人は、未来が見えないと不安になります。

「この会議、本当に時間通り終わるのだろうか・・・」
「話の内容が、本題からずれている気がする・・・」

そう思いながら進める会議では、話に集中できません。

時間や内容をあらかじめアジェンダで確認しておくことで、議論に集中することができるのです。

本来、新しいことを考える会議は楽しいはずのもの。

心配事はさっさとアジェンダで解消して、メンバーとの会話を思いっきり楽しみましょう。

※Twitterでも気になることをほぼ毎日投稿しています。


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