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資格や専門にとわれすぎない仕事選びのすすめ

こんにちは、しょうのまいと申します。久しぶりのnoteです。
こんな時期ですが、2020年5月末をもって、3年半勤めた会社を辞め、新しい業界に転職することになりました。

わたしは獣医師免許という国家資格を持っています。
なぜ獣医さんになったかが知りたい方はこちらからぜひどうぞ→「小さいころからの夢が叶っちゃった人の顛末」

そんなわたしが6月から勤めるのは、獣医療がまったく関係ない業界のベンチャー企業です。今回は、この転職の経緯を元に、資格を持っていることによる職業選択の不自由さと、いやいや、違う業界にいくのも悪くないよ、というお話をしてみたいと思います。

わたしのように特定の専門分野を持っている方、あるいは、そういうのがあるのって、うらやましいなあ…と思っている方、そんな方たちに届いたらいいなあと思って書きます。
それではどうぞ。

今までの職歴

わたしは獣医師免許を取得して大学を卒業し、すぐにその大学に附属していた動物病院で内科医として働き始めました。ここでの勤務が2年半くらい。

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その後、目をかけてもらっていた獣医師の大先輩に、紹介したい会社がある、と声をかけてもらい、企業への転職を決意します。それが、今月まで働いていたペットフード会社です。

そして3年半勤務し、今回の転職です。
今回は転職を相談した友人からの紹介で、株式会社ハウテレビジョンという、就活と転職のメディア運営を主に行っている企業に入ることになっています。

資格と関係のない企業への転職の葛藤

さてお分かりのとおり、次の会社は、獣医師免許にまっっったく関係がありません。自宅の猫もびっくりです。

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一度目の転職も、今回の転職も、葛藤はもちろんありました。

(わたしの心の声)
・せっかく獣医師免許を取ったのに、それを活かす仕事を選ばなくていいの?
・獣医師として働いていた方がキャリアに連続性がでるし、次に仕事を変えるときに有利になるのでは?

しかしながら、ここで思うのです。
せっかく…?連続性…?
これっていわゆるサンクコストでは?

サンクコスト、みなさんご存知ですか?
映画館で、面白くない映画にあたってしまったとき、チケットも買ったし、もう30分も見たし、最後まで観よう…って思って、結局2時間無駄にするやつ、とよく説明されてますよね。日本語に直すと、埋没費用らしいです。(これは英語の方がわかりやすい珍しいパターン)

つまりは、過去に使ったお金や時間のことを指します。一般的には、サンクコストを考えてしまうと、損失が拡大したり未来の可能性が狭まるため、無視した方が合理的、とされています。

そう、「せっかく資格をとったのに」「2年半も動物病院で働いて、勉強もたくさんしたのに」「経歴がペット関連なのに」これらはすべて、無視した方が合理的、であることに気づきます。

まわりの人からのネガティブな反応

もう一つ、転職に際して起きるのが、周囲からのネガティブな反応です。2回の経験から、大きく分けて2方向から来ることが分かりました。

① 仕事では関わっていない友人知人たちから
「(資格を持っているのに)もったいない」

② 同じ獣医師の先輩や同僚から
「逃げた」

この、もったいない、は上のサンクコストがわかれば笑って流せるようになりますが、同業者からの、それは逃げだ、という言葉には、結構傷付いたりしていました。
動物のお医者さんだった時に仲のよかった大先輩獣医師など、企業に転職してから学会で会うと、「企業は楽でいいよね、もう動物病院は一生戻れないよねそんなぬるま湯にいたら」と面と向かって言われたりしていました。

しかし、ここでも気付いてしまうわけです。
企業に転職したって、仕事は充実していたし、世の中に価値を提供できているわけだからお給料ももらえる、そして何よりわたしは今の仕事を愛している。仕事の業種や中身によって偉い偉くないなどはないんだ、ということです。

どんな仕事にだって価値はあります。放っておきましょう。

魅力や能力は資格に依存しない

ここまでの話をまとめると、こういった転職の時に気になることは結局、
せっかく資格をとったのに…といった過去の自分からの目と、周りの人からの反応なんですよね。これで自由な職業選択ができないの、もったいなくないですか?

そして、資格や専門を持っているがゆえに勘違いされやすく、自分でも勘違いしてしまうことのひとつが、資格や専門分野がイコールその人の魅力や能力である、と思ってしまうこと。

それゆえその分野から離れたら自分には価値がないのではないか、とか思っちゃいがちだし、違う分野にいったら活躍できないのではないか、と不安に思ったりもすると思うのですが、そんなことはありません。

まず、魅力や能力や資格に依存しないです。
わたしは2回の転職どちらも、人づてに紹介してもらっているけれど、どちらも、わたしの仕事ぶりを見て考え方や進め方を認めてくれたから紹介してくれています。これは資格を持っているから、とか、専門領域が獣医療だったから、というわけではないです。もっと根本的なところに、魅力や能力は宿ります。だから、そこから離れたってあなたの価値は下がらない、大丈夫。

そして違う分野にいったら今まで通り活躍できないのでは、という不安は、そんなこともありません。
経験はスライドさせると価値が上がる、とわたしは常々思っていて、簡単な例を挙げると、マーケティングを仕事にしていた人が、マーケティング業界でのぼりつめていくよりも、違う業界でマーケティングを必要とする場所にいったほうが、価値があがるよね、みたいな話です。すこし前に、ずらし転職、という本がでており、似たようなことが書かれていました。

そして、架け橋になることもできます。元いた業界と今いる業界の架け橋。これ実は誰にでもできることじゃなくて、経験のスライドをしたことがない人には想像できないことが多いんです。あ、今の業界ではここが課題だけれど、元いた業界ではこうやって解決してたな?これ一緒にやったらいいんじゃないかな?こういう発見が結構、あります。

なので、専門直結の仕事でなくたって、今までの経験は活用次第でどんどん価値があがっていくはずなんです。

資格や専門分野を持っていて、今の仕事に悩んでいる方がもしいたら

何らかの資格を持っていたり、専門を作って来られた方、本当に素晴らしいと思います。今までよく頑張ってきましたよね。頑張り屋さんが多いよね、そういう方は。

これからもこの分野で頑張っていくんだー!っていう方はもちろん、そのままでいてほしいのですが、もしももしも、今ちょっとつらいなあ…他の分野にいってみてもいいかもしれないなあ…あるいは、今も面白いけど、この分野もとっても興味ある!と思っている人がいたら、わたしは恐れずにチャレンジしてみてほしいなあと思っています。

資格なんかには負けないほどのあなたの魅力がぜったいにあるし、それが一番活かせるところで伸び伸びしてほしい。使い古された言葉だけれど、人生は一度きり、というのはおそらく真実で、周りの目や、ましてや過去の自分に遠慮するなんて、とってももったいなと思うのです。

そしてこれからの活用次第で、専門から離れたってその経験は活きていきます。わたしもその意識はしっかり持って、これからも仕事を頑張っていきたいなあと思います。ちょっとでも届いたら嬉しいなあ。

こんなところで今回のnoteを締めたいと思います。
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