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【天狼院書店新店OPEN】日常にいちばん近い、非日常の真ん中で、笑顔になれる。そんなお店になりますように。


はじめまして。天狼院書店「湘南天狼院」店長の山中と申します。

世の影響もあり、なかなかもどかしい期間もありましたが、
本当に皆様のおかげさまで
2020年6月8日に湘南片瀬江ノ島に新刊書店、天狼院書店の7店舗目として無事オープンを迎えることができました。

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ご利用いただいている皆様はじめ、応援ご協力いただいた皆様、
本当にありがとうございます。

こんな時代の、こんな時期に「本屋」をオープンする。

側から見ると「?」「?」「?」といくつものはてなが浮かんでしまうように思います。

天狼院書店は2013年9月26日に一号店天狼院書店「東京天狼院」をオープンしました。
そこから2015年「福岡天狼院」
2017年「京都天狼院」「池袋駅前店(現在のシアターカフェ天狼院)」
2018年「Esola池袋店STYLE for Biz」
2019年「プレイアトレ土浦店」
2020年6月「湘南天狼院」
また、
2020年8月に「天狼院カフェSHIBUYA」
さらに名古屋、大阪とオープンを控えています。

スクリーンショット 2020-06-22 12.28.19

みなさんが思いうかべる「本屋さん」とは少し違うかもしれません。


テーマは「READING LIFE〜本のその先の体験〜の提供」

本を読むだけではなく、その内容を体験を通してもっと楽しんでいただくために「書籍」だけでなく「カフェ」や「イベント」を本屋として提供しています。

京都本棚写真

例えば、当店で「カメラの本」を手に取る方へ。
もちろんその「カメラの本」をレジまで持ってきていただければ、販売することができます。
しかし、その人が本当に求めているものってなんなのだろうと考えてみます。
それはきっと、
その「書籍そのもの」ではなく、「書籍を読むことによって得られるカメラが上達した自分自身」なのではないかと思うのです。

でもその本をボロボロになるまで読み込んだからといって、写真が上手くなるかというとなかなかそうではありません。
やはりカメラを実際に触って、撮影するという「体験」が必要不可欠です。

では本屋として、お客様が本当に欲しいものを手にするためにどんなことが提供できるだろうか……
そこから様々なイベントが生まれていきました。

フォト部様子

東京天狼院BAR様子


私といえば大学生だった2014年の2月頃からここでお世話になっていて、今となっては全国に社員、アルバイト合わせて50名ほどいる中で1番の古参メンバーとなってしまいました。

東京天狼院に始まり、京都天狼院、Esola池袋店、シアターカフェ天狼院とありがたいことに様々店舗をの店長を任せていただくことが多かったのですが、
私がこの湘南天狼院の店長に決まったのは今から6年前、私がまだ入社もしていない大学生の頃でした。


まだその時は、南池袋に東京天狼院が1店舗しかなくて。
福岡に新店舗をオープンさせる! と意気込む社長を
どうやったらこの小さな本屋が新しい店舗を構えるなんてことができるんだろうと、半分ひと事、半分夢物語のように聞いていました。

東京外観

だって、池袋駅から徒歩15分歩いて歩いてやっとつく蕎麦屋さんの2F。
ギイっとドアを開けてお越しいただくのは「相当の本屋好き」か「何か偶然きっかけ」があったたまたまお越しいただいた方ばかりだったのです。
レジをやりながら日々の売り上げを見ながら、やっぱり本屋さんは好きだけど、色々大変だなぁとバイトながらに感じていたくらいでした。

その日はいつものようにお客さんが来るか来ないか、どうかなーという昼下がりで、珍しく店主の三浦が天狼院で作業をしていました。
お店のことはスタッフに任せて外で仕事をしていることが多かったので、この日はなんだか珍しいなぁと思いながら、集中して仕事をしているその背中を少し気にしつつ、私は私で本の発注か何かをしていたように思います。

「ねぇねぇ、なっちゃん(当時の私のあだ名)」

集中が切れたのか、ひと段落ついたのか。奥のテーブル席で作業をしていた三浦さんがレジ横のカウンター席に移動して呼びかけてきました。

「なっちゃんはさ、どうなりたい?」


その呼びかけに、急ぎではない作業を止めて、深く考えてしまいました。
とてもざっくりとした質問でしたが、言わんとしていることはとてもよくわかる。

というのも、その頃から天狼院にいるスタッフは皆、何かに没頭して、何かになりたくて、何か夢があってそれを達成するために様々なことに挑戦している人が多かったのです。

女優をやる傍ら、劇団を主催したり。
文章を書くことに目覚めて、小説や記事をどんどん書いていたり。

将来という大きな目標でもいいし、いついつにこんなことをしたいという直近のものでもいい。
こうしたい!ああしたい!将来どうなりたい!と良い意味で下心があって、野心があって、だからこそ、ここにいるのだ! とみんな明確「なにか」があったように思います。


でも、私はその質問にすぐに答えることができませんでした。
突然に聞かれたからとか、考えがまとまらなくてではなくて、ただ単に。
どうなりたい。のイメージが申し訳ないほどに沸かなかったのです。

しばらく経ってから、ふっと言葉にできたのは

「笑ってたいです」という言葉でした。

時間をかけて出すような答えではなかったかもしれません。
でもその時はただそう素直に思ったのです。


近い将来も、遠い未来も笑って過ごしていたい。
そんな漠然とした夢なのか願望なのかを口にしてみたら、そこから頭の中にイメージがふつふつと湧き出でくるようでした。

親しい友人とお世話になっている方と、お客様と、海の見えるカフェでゆっくり話していて、私はエプロンをしてコーヒーを入れている。
ゆっくりした時間が流れてる。店内には新刊の本の匂いと、コーヒーの匂いが優しくて薫っていて看板犬がみんなに撫でられるのもお構いなしに、ほかほかと昼寝している。


ふーんと、そんな想像を妄想を三浦さんに簡単に伝えました。

「そうしたら、湘南天狼院だね」

「湘南……!」

こう聞いて、パシッとと何かがはまる感覚がありました。
神奈川県横浜市出身の私にとって、湘南エリアは特別な場所でした。友人と休日にぷらっと遊びに行くところであり、母とちょっぴり贅沢なランチを楽しむ場所であり、自転車を借りて目的もなく1日走り回った場所であり、毎年浜辺で花火大会を楽しむ場所でした。
一番日常に近い、非日常な場所。
私の想像の中の場所は間違いなく湘南という場所でした。

「いつかできたら、絶対に私が店長やりますから。よろしくお願いしますね」


それだけははっきりと、強い目標を持って言葉にすることができました。

まだ1店舗しかなくて、お客様もなかなか来ない、駅から15分も歩く、こんな小さな本屋さんで。
他の店舗も、ゼミも何もなかった中で、なぜかそれだけくっきりとイメージできたのか。今でもとてもとても不思議で仕方ありません。

でも今現実として、天狼院書店「湘南天狼院」のお店でお客様をお迎えしている私がいます。
人ごとでもなく、絵空事でもなく。

過ごす皆さんが笑顔になれるようなお店を目指して。
改めて、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

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