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ついにコナンを観に行った②

 僕はやっぱり平次がこの映画の魅力を担っていると思いました。


ネタバレあり。


今回の物語は、血縁や歴史に縛られた物語でした。全員名前をすっかりと忘れてしまいましたが、一族が残した武器を探す者、父の意思を継ぐ者、土方歳三を崇拝するあまり謎を作ってしまう者。そしてコナンですら、キッドとの間に血縁があることが判明しましたね。
そんながんじがらめの物語など窮屈に決まっているのに、そう感じないのは、我らが西の高校生探偵、服部平次がいるからなのです。

彼はまったく本編に関わる血筋を持っていません。何の関係もありません。平次の両親はどんな人なのでしょう。なんなら事件も剣道大会ですらどうでもよく、彼が欲するのは絶景スポットでの告白のみ。

馬鹿ですねぇ、こいつは、本当に。

この馬鹿が、血縁に縛られた物語を簡単に壊す爽快感ったらたまりません。

彼の持つ天性のユーモアと、底抜けの能天気さ、時々見せる覚悟が、自由に生きることの意味を、世界に投げかけているような気すらしてきました。
彼は本当に素晴らしい。


まぁ、飛んでいる飛行機の上で戦うのは笑いましたけどね。シリアスなシーンのはずなのに、こんな馬鹿なことがあるかと笑ってしまいます。

複雑で多重的な物語構造になっているにも関わらず、子ども向けを時々思い出したかのようにとりあえず爆発させたり、とりあえず派手なアクションを入れてみたりする愚かさも、僕は好きですよ。

今回は特に馬鹿でしたね。

大岡紅葉たちがグレネードを飛行船から投下するのが無茶苦茶ですし、そもそも襲い掛かってくる敵の軍団を竹刀一本で返り討ちにしてしまう剣道部員お恐ろしさたるや、もう爆笑です。欄の暴走があれば、より馬鹿の評価がつけられたことでしょう、

大岡紅葉で思い出しましたが、この令嬢。まるで北海道をコナンの聖地巡礼地にするぞと言わんばかりに北海道を転々としてくれましたね。ゴールデンカムイを乗っ取ろうとでもしているのでしょうか。

こういうことをされると、自然と自分の北海道旅行が思い出されます。北の方にはいっていませんが、小樽も行きましたし、函館も行きましたし、札幌も行きました。ラッキーピエロでハンバーガーを頬張りましたし、五稜郭タワーでジェラートも食べました。彼女と巡った北海道を、コナンという物語が巡っていきますから、小学生みたいにありきたりな感想で恐縮ですが、楽しかったです。

しかし、となると100万ドルの夜景です。本編でもあったように函館山から見下ろす夜景はとても美しく、絶好のデートスポットです。ここで平次が和葉に告白をするという、劇的なラストシーンで映画が幕を閉じました。和葉は別に好きではないですし、他人の恋愛など一切の興味がない僕ですら、あのラストシーンはウルウルときてしまいました。

同時に悔しい気持ちでいっぱいです。僕と彼女の北海道旅行では、函館山に行く前にレンタカーの野郎が故障しやがり、100万ドルを目前にして断念する羽目になったのです。コナンという恋愛アニメの中でこれほどロマンチックに描かれた舞台を、僕たちが行けないとなると、単純に羨ましい、負けたくない、妬み、嫉み。

次こそは、彼女と100万ドルの夜景を味わいたいと切に思いました。

なにかおかしい。もはやコナンの映画感想と呼ぶには程遠いものになってしまいました。
が、これが即興ブログです。

とにもかくにも、今年もコナンの映画を劇場で見ることができて本当によかったです。お祭りですから、行って楽しまなければ損でしょう。毎回期待を越えてくるので、映画館から出た後の、してやられた、感は格別です。
そして今作、傑作でした。
僕の中では、歴代コナン映画の中で二番目に好きな作品です。

まだまだ間に合います。どうせ六月くらいまでやっているでしょう。ぜひ劇場で、「名探偵平次、100万ドルの五稜星」を観にいきましょう!

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