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志×技能×高等教育=新しい職人学校創設プロジェクト

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大きな社会問題となっている建設業界の職人問題と、高等教育からドロップアウトする若者の増大の両方の課題を解決する新しい学校創設プロジェクトの歩みを書き溜めて行きます。
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#キャリア教育

2つの課題を解決する新しい職人養成学校の胎動① 〜出逢いこそが宝〜

2つの課題を解決する新しい職人養成学校の胎動① 〜出逢いこそが宝〜

私が代表を務める株式会社四方継はいわゆる大工工務店で、社員大工による施工ができる分しか工事を請け負いません。なので、若者の採用を積極的に行い、育成に努めてきました。現在も、3年生、6年生の若手大工が目覚ましい活躍をしてくれており、今後の成長が本当に楽しみです。翻って建築業界全体を見渡すと圧倒的な高齢化が進んでおり、あと10年もしないうちに深刻な職人不足になるのが目に見えて明らかな状況です。建築現場

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通信簿も内申書もテストの成績もどーでもいい3年間

通信簿も内申書もテストの成績もどーでもいい3年間

2023年4月から新しく開校する職人育成の高校、マイスター高等学院の2023年度の新入生募集を開始しました。
先週末、早速、入学希望の生徒と親御さんが入学試験となる3者面談に来られて、私は即合格の内定を出しました。この面談だけで試験は終了、正式に願書が届けば入学承認書を通知する流れになっています。この学生は小学生の時から大工になることを決めており、ゆくゆくは大工見習いになるつもりだったようです。た

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職人育成高校とキャリア教育の交差点

職人育成高校とキャリア教育の交差点

昨年、サイクリング中に自動車にはねられる事故に遭いました。車とぶつかる瞬間に脳裏をよぎったのは先送りしてきた様々な事に対する後悔です。幸い、大した怪我はなく、顔面にそこそこ大きな傷が残る位で事なきを得たのですが、その事故以降、先送りする事に対して敏感にリスクを感じるようになりました。

社会課題の根本的解決へのアプローチ私が世話人として参画しており、熱心に活動している一般社団法人経営実践研究会には

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子供達へのキャリア教育に本物の体験を!

子供達へのキャリア教育に本物の体験を!

企業はそもそも社会の課題を解決するために存在する。ならば、事業そのものが社会課題解決に繋がる活動であるべきだ。との考え方が本来、当たり前であるはずが何故か非常識になってしまっているのが今の日本社会。その根本を地域企業から是正していこうと本業で社会課題解決を行い、地域や社会と共有価値の創造を行うCSV経営の研究を行う経営実践研究会には高い志を持った経営者が全国で1000社近く集まっています。そこでは

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本物のキャリア教育が日本を救うと思うんだよ

本物のキャリア教育が日本を救うと思うんだよ

先日、とある世界的に有名なプレゼンテーションイベントのオーディションに参加しました。そこは、世界を良くするアイディアをシェアする場で、私がなりわいとしている建築業界の狭い世界とはかけ離れた雰囲気の場ではありますが、私が見出し、実際の事業で実践しているアイディアは、日本を変える可能性があると信じており、熱く語ってきました。

教育の目的を見直す私が世の中に広めたいアイディアとは、端的にまとめると学校

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若手職人を採用、育成する前に、職人を育成する職人を育成する。

若手職人を採用、育成する前に、職人を育成する職人を育成する。

職人育成の高等学校、マイスター高等学院を運営する一般社団法人マイスター育成協会では、毎月2回、誰でも参加出来る無料オンラインミーティングを開催しています。1つは事業所に高校を併設して若者を受け入れる事業に参画した経営者及び育成担当者が集い、中学校、高校への生徒募集や中学校へのものづくりの楽しさを伝えるワークショップの開催、実際の高校を運営する中で知見を集約するリアルな情報共有の場となっています。

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キャリア教育の入り口は・・・

キャリア教育の入り口は・・・

北欧やオーストラリアではハイスクールを卒業した後の進路は職業訓練校などの専修学校に進学するのがスタンダードで、大学に進むのは研究者になりたいとか、医師などのステップが決まっている職業に就きたい場合のみとのこと。キャリア教育が随分と浸透している様です。当たり前ではありますが、学校での学習は社会に出て活躍するために行う。ならば、出来るだけ早い段階で職に関係する学びを得るに越したことはありません。せめて

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社会で通用する中学校での学びってなに? 〜大工のお仕事体験授業〜

社会で通用する中学校での学びってなに? 〜大工のお仕事体験授業〜

現在、私が住まう兵庫県では中学校が地域の事業者とコラボしてキャリア教育を行う「トライやるウイーク」の真っ最中です。11月に入ってから、一応、専修高校の校長をしている私と若手大工の和希は毎週のように講師として中学校へ職業体験の授業に出張しています。基本的に、この手の体験授業の講師は和希に任せているのですが、今回は受講する人数が多いという事で私も同行し、ついでに張り切って大工の技術体験の前説を行いまし

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今年最大のテーマ、Ikugaiについて因数分解やってみた。

今年最大のテーマ、Ikugaiについて因数分解やってみた。

実は私、現在の本業は高等学校の学校長ってなっていますが、中卒です。
若かりし頃に建築士の資格を取得すべく受験勉強を始めたら、因数分解が出来ず、アタックなる中学生向けの参考書を買ってきて学び直した覚えがあります。その時になって勉強は出来るチャンスがあるときに何でもやっておくべきだと痛感しました。最近、柄にもなく?校長先生として中学校に授業に行く機会が多くあり、その度に生徒達にそんな苦い経験談を話して

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建設業ってやっぱり離職率高いんですよね?にお答えします。

建設業ってやっぱり離職率高いんですよね?にお答えします。

1月も下旬、まだ進路を決めきれていない学生さんや先生達はそろそろスパートをかける時期だと思います。教育事業に関わり初めて意外に年明けから本格的に進路を考える生徒が多いことを知りました。
もともと大工上がりの工務店経営者だった私ですが、事業の本質の深掘りを繰り返した
結果、行うべきはものづくりではなく、暮らし作りである。とのマーケティングの基礎理論から派生して、地域の課題解決に向き合うように事業内容

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トレンド化している探求学習をもっと探求して見える世界

トレンド化している探求学習をもっと探求して見える世界

私は昨年、新しい学校教育を地域企業から生み出すプロジェクトを立ち上げました。マイスター高等学院なるWスクールで、地域企業が学校として子供達を受け入れ、現場で実務を教え、給与を支払いながら学生は高校卒業資格を取得できる仕組みです。その高校の教育カリキュラムの中心は、志を立てる人間力を高めるいわゆる道徳教育です。
日本の教育は戦後78年間、基本的に変わっていません。相変わらず、学歴偏重の社会に画一的な

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アテガイブチをぶっ飛ばせ!〜職人の未来創造〜

アテガイブチをぶっ飛ばせ!〜職人の未来創造〜

一般社団法人職人起業塾ではこの度、コロナ禍を機に止まってしまっていた東京での研修事業を再開しました。3年ぶりとなる東京、水道橋のSHIP社のセミナー室での研修には再受講の塾生も参加しており、馴染みある顔ぶれもいてアットホームな雰囲気からのスタートになりました。

起業家精神を宿す研修再受講の塾生も少し驚いていた様ですが、この研修はコロナ禍を経て内容が大きく刷新しています。今回は新たに参画された企業

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NEW STANDARD② 〜社会改革実践の書〜

NEW STANDARD② 〜社会改革実践の書〜

ソーシャル系ビジネス、社会性と経済性を両立させるCSVモデルを実践する経営者が全国から一堂に集う最先端のビジネスイベント、ソーシャル・シンポジュウムとナショナル・フォーラムの2daysが6.15、16に大阪で行われ、大盛況のうちに今年も幕を下ろしました。

毎年、回を積み重ねるごとに加速度を増すかのように、今年もとても素晴らしい熱い志が迸るイベントとなりました。その中でも強く印象に残った幾つかを備

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