野菜の良し悪しはこれで一目瞭然となるか? 真剣にビミョーな自由研究をしてみた。
まずはこの表を御覧ください。
私たちがスーパーマーケットなどで見かける野菜や果物を、「栄養」「農薬」で勝手に分類してみようと考えました。
Aは、「栄養豊富で農薬が少ない」。もっとも好まれるパターンですね。
Bは、「栄養豊富だけど農薬も多い」。買うかどうか迷います。
Cは、「農薬は少ないけれど栄養もたいしたことない」。買うかどうか迷います。
Dは、「農薬は多いし栄養も少ない」。欲しくありませんね。
では、市販されている野菜や果物それぞれは、A~Dのどこにプロットされるでしょうか。
これから強引にそのプロット作業をしてみようと思います。
ただし日本には参考になる情報が見あたらないので、残念ですがアメリカの資料を使うことにしました。
「栄養」からのアプローチ
ひとくにち「栄養」といっても、栄養素の種類はさまざま。
ビタミンCの多いもの、ポリフェノールの多いもの、オメガ3脂肪酸の多いもの…、単純に比較ができません。
さて、どうするか…。
ANDIとは
そこで、「ANDI」という評価法を使うことにします。
「ANDI」とは、かつてホールフーズマーケットが野菜や果物の栄養価値を点数化するために使っていた計算式のこと。
栄養の量を、カロリーで割り算します。
つまり「栄養÷カロリー」。
さまざまに種類のある栄養素の量を1つの数字にまとめたところも立派ですが、それをさらにカロリーで割るというコワザを利かせています。
これにより、カロリーあたりの栄養量」の目安ができます。
ある意味、「栄養の濃さ」を表しているといえるかもしれません。
これを1000点満点で評価します。
栄養が多いと、点数が高い=濃い
栄養が少ないと、点数が低い=薄い
カロリーが多いと、点数が低い=薄い
カロリーが少ないと、点数が高い=濃い
ANDI結果
「ANDI」による点数の高いもの、低いものはこうなります。
(たいへん乱暴ですが、500点で線引きすることにしました)
<ANDIスコアの高いもの=濃い>
ケール…1000点(満点)
チンゲンサイ…865点
ハクサイ… 714点
ホウレンソウ…707点
レタス…585点
バジル…518点
ダイコン…502点
<ANDIスコアの低いもの=薄い>
キャベツ…434点
ピーマン…371点
カリフラワー…315点
イチゴ…182点
ブルーベリー…132点
ブドウ…119点
カンタロープメロン…118点
エダマメ…98点
ブルーベリーとエダマメの点数が低いのが、なんだか妙な感じもしますが、とりあえずこのまま行きます。
「農薬」からのアプローチ
EWGとは
「EWG」とは、アメリカの非営利団体。
食卓にのぼりやすい一般的な野菜や果物の残留農薬の量を調べ、そのランキングを毎年、発表しています。
よく洗ったあと、皮をむいて食べるものは皮をむいた状態で調査しています。
むろん、オーガニック(有機)農法のものは調査対象ではありません。
コンベンショナル(慣行)農法で生産された青果物が調査対象です。
農薬の残留が少ないトップ15には
「クリーン・フィフティーン」
という名前がついています。
農薬の残留が多いワースト12には
「ダーティ・ダズン」
という名前がついています。
「オーガニック農産物に興味あるけど、いきなり全部そうするのは大変。お金もかかるんじゃないかな?」
「とりあえず、農薬が心配なものからちょっとずつオーガニックに変えてみよう」
という人々が、このランキングを参考に買物をしているようです。
EWG結果
「クリーン・フィフティーン」
「ダーティ・ダズン」
それぞれの最新ランキングは以下です。
<クリーン・フィフティーン(農薬少なめ、ベスト15)>
1位:アボカド
2位:トウモロコシ
3位:パイナップル
4位:タマネギ
5位:パパイヤ
6位:サヤインゲン
7位:アスパラガス
8位:ハニーデューメロン(※)
9位:キウィ
10位:キャベツ
11位:マッシュルーム
12位:カンタロープメロン(※)
13位:マンゴー
14位:スイカ
15位:サツマイモ
(※)ハニーデューメロンとカンタロープメロン、「メロン」で1つにくくってしまえばいいのに、わざわざ分けているのはなぜなんでしょうね?
サッカーやラグビーのワールドカップで、同じイギリスなのに「イングランド」だの「スコットランド」だの「ウェールズ」だの「北アイルランド」だのと分かれている、みたいなものでしょうか。
<ダーティ・ダズン(農薬多め、ワースト12)>
1位:イチゴ
2位:ホウレンソウ
3位:ケール
4位:ネクタリン
5位:リンゴ
6位:ブドウ
7位:ピーマンおよびトウガラシ
8位:サクランボ
9位:モモ
10位:洋ナシ
11位:セロリ
12位:トマト
個人的には好物のケールとセロリが「ダーティ」にランクインしているのが気に食わないですが、このまま行きます(笑)。
プロット結果(総合評価)
それではプロット結果です。
その前に、弁解をひとつ。
じつは…
栄養の濃淡を表す「ANDI」
残留農薬の多少を表す「EWG」
この両方のリストに共通して載っている野菜は6品目しかありませんでした。
したがって、その6つだけを冒頭の表に入れてみます。
すると、こうなりました。
A(栄養↑ 農薬↓):今回の資料には該当なし。
B(栄養↑ 農薬↑):ケール、ホウレンソウ
C(農薬↓ 栄養↓):キャベツ、カンタロープメロン
D(農薬↑ 栄養↓):ピーマン、イチゴ
さて、これを見てどう感じるかは個々人の自由ですが、念のため3つ、補足しておきます。
これは日本の情報ではなく、アメリカでの調査をもとに作ったものです。
「残留農薬のマイナスと、栄養価のプラスを比較すれば、差し引きプラスになる」と考える専門家も少なくありません。
今回の視点(栄養と農薬)と、「味わい」とはまったく関係がありません。
以上、大人の「夏休みの自由研究 食育版」でした。
(参考)
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