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ドバイ万博は目に見えないメンタルの障害に対応したインクルーシブな万博・今後の社会実装の課題と日本社会へ向けて

私がドバイ万博へ行った一番の目的はこの「Expo 2020 Dubai: Four quiet rooms to help soothe frayed nerves」の記事を見目に見えないメンタルディサビリティ(精神・発達障害)に配慮され平等に楽しめる万博であるとわかり実際にその会場を体感したいと感じ、それをどの様に日本の中でインクルーシブな社会へ応用することを目的とするために現地へ訪問することとなった。
Expo 2020 Dubai: Four quiet rooms to help soothe frayed nerves
https://www.khaleejtimes.com/expo/expo-2020-dubai-four-quiet-rooms-to-help-soothe-frayed-nerves?amp=1

1.ドバイ万博のメンタルディサビリティへの対応を書いた記事を見て行くことを決心

 2021年10月 ドバイ万博が1年遅れで開催された。万博は最新技術に触れられる素晴らしい機会である。私は参加者としてお祭り感覚の万博を楽しみたいという興味本位と、自分が過去に愛知万博とミラノ万博へ行った経験から、次の万博も参加したいと考えていた。当時はコロナ禍の影響があり日本からドバイへの渡航は、ドバイ到着時並びに日本帰国時のそれぞれで隔離期間が7-14日と長い期間であったため、仕事の関係で諦める他無かった。
しかし、その諦めを乗り越えさせるような記事を発見する。

ドバイ万博は目に見えない障害に対するサポートが充実しており、Quiet roomという落ち着くための部屋が用意されているという旨の記事の紹介があった。

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Expo 2020 Dubai: Four quiet rooms to help soothe frayed nerves
https://www.khaleejtimes.com/expo/expo-2020-dubai-four-quiet-rooms-to-help-soothe-frayed-nerves

思い返せばミラノ万博では各パビリオンでお年寄りと障害を有している人のサポートをしているとの表記があった。しかし、障害を有しているかはイタリア国内のエビデンスに基づくとのことであり、当時は他国からの申請はとてもハードルが高いと感じた。
また、日本の中で目に見えない障害に対してのサポートとしてはヘルプマークがあるものの、職場や学校で責任者が個人的に対応するだけであって根本的な解決法には結び付けるには時間が掛かると感じていた。
自身もADHDと感覚過敏(特に聴覚過敏)を有しており、今まで様々なサポートや申請を日本の中でしてきた。その中で感じたこととしては、申請を受け取った人たちは他人事であり、きちんと理解されないまま対応が表面的であったこと、身体の障害と比べて目に見えないのでどうサポートして良いかが理解されていなかったことがあげられる。
私はその解決のために研究としてHCI(Human Computer Interaction)系の分野で、目に見えないメンタルの障害を有している人が意思疎通し易くなるデバイスやシステムを制作したが、当事者目線で作りたくても「健常者が障害者をサポートする」という学会の風潮的な流れを感じていた。そのため、学会に出た時には障害を有していることを隠して毅然とした振る舞いをしなければならないという圧迫感を感じていた。
一見、障害を有している当事者が健常者を演じるのは当たり前だしそうあるべきだと考えられるかもしれない。健常者に合わせる社会が良いのかもしれないが、当事者らはとても疲弊してしまう他、無理に周囲に合わせようとすることで限界が来てしまう。そんな研究を続けていて、器具やシステムでは根本的な解決にはまだほど遠いところがあるとずっと感じていた。
当事者であると言えないもどかしさ、当事者と言っても理解されない苦しみ。理解しようとしない周囲。研究という場でこそ当事者目線で共に考えられるかもと思っていたが、実はそうでもないと感じた時にこのまま当事者としてメンタルの障害を有している人たちを助けるための研究を続けるべきか悩み大きな壁にぶち当たっていた。

初めてQuiet roomを知り、パニックに陥る人たちが落ち着けるためのスペースとして機能していることがわかった。調べてみると日本国内でも療育施設を中心にカームダウン・クールダウン室というものが置かれていたが、それをドバイ万博では、利用が必要だと考える当事者が申請すれば療育(発達支援)の有無に関係なく利用できた。
(*療育(発達支援)は主に検査等に基づくIQの程度等で診断されるが、実際にはIQが高くても自閉・発達障害を有していることは多い。また療育の規定は各国により異なり、日本国内では都道府県によっても基準が異なる。)

目に見えない障害としての自閉や発達に対して配慮されているドバイ万博に参加し、実際に体感してみたいと思いドバイ万博行きを決行することにした。

2. 現地へ行くための調整

 ドバイ現地へ行くには2022年3月時点ではハードルが高く、特に仕事との調整を一番に考えた。現在私は大学で技術系の職員として勤務しており、担当する工房の開室日に合わせる必要があった。行けるタイミングを上司とも話し、卒業式から新年度の授業が始まるまでの期間であれば工房を閉室しても問題ないことがわかった。そのため卒業式〜ドバイ万博閉会の3/31までがタイムリミットとなった。
次に考えなければならないのはコロナワクチンであった。3回接種で日本帰国後の隔離が免除されることが2022年2月に発表された。既に2回接種はしていたので3回目も職域接種で直ぐに打つことができクリアした。更にワクチンパスポートを取得した方が空港での手続きがスムーズになるとのことで、役所にお願いし即日発行していただいた。
PCR検査はUAE入国の際には免除されていた。日本帰国のためのPCRは、日本政府のフォーマットに対応しているドバイ市内の病院で検査を行い、証明書を発行していただいた。当時は有料だったのと時間に限りがあったので、タクシーでの往復に4000円とPCR検査代の5000円で合計9000円ほど掛かった。
そして、日本に帰国する際の航空券であるが、日本政府の渡航受け入れの兼ね合いで急遽キャンセルとなり、代わりの航空券を急いで手配することとなってしまった。差額は3万円ほどと少し高くはなったがその代わり直行便となりトランジットなどの負担は軽減された。
コロナ禍での渡航はPCR検査、飛行機チケット、ワクチン、そして日程に余裕を見なければならない、ということを痛感した。
そして費用もコロナ禍前に比べると航空券、ホテル代金が1.5倍くらい増えた。また、ドバイの物価は日本よりも少し高いくらいだったので日々の食事なども予算を決めたり、ホテルで必ず水を貰ってから出かけたりして節約を心掛けていた。また、ドバイは日中気温が3月でも30°を超える日もあり、日焼け対策を行うとともに、移動する時にとにかく身軽にすることでなるべく疲れない様にする工夫をした。

3. 事前調査 サンフラワーレイヤード申請と配慮申請

 ドバイ万博でQuiet roomを利用するには、サンフラワーレイヤードという日本で言う目に見えない障害を有している目印であるヘルプマークの様な役割を担うレイヤードを取得しなけばならなかった。そのレイヤードを取得するためにはExpo2020の公式アプリとは別にPOD Way(Prevention of Disability :  疾患への罹患や事故により、様々な障害が残らない様、方策を講じるという考え方。障害予防と訳される。) というアクセシビリティに対応したヘルプアシスタントを申請するアプリから申請する必要があった。わかりやすい様にデザインされたアイコンからタップし、自身の情報を入れて申請は完了した。念のため日本から行く時には英語でのエビデンスを取得しておいた。ガイドにはエビデンス表示があったほうが、より的確にサポートを受けられると記載されていたからだ。
実際に現地で申請をするために入場口からPOD Wayの画面を見せて説明すると、POD対応のスタッフが出てきて別なレーンでの対応となり一般とは違うレーンでの案内となった。そしてインフォメーションセンターでサンフラワーレイヤードを入手できると案内され向かった。

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PODway(Prevention of Disability)のシステム アプリから申請することで必要なサポートを受けることができる。

インフォメーションセンターで、サンフラワーレイヤードを入手するためにPOD Wayアプリの画面と念のため日本から持ってきたエビデンスを見せると、受付奥からサンフラワーレイヤードを持ってきてくれたのだ。係の人は「日本人で申請するのは珍しいね。日本からははじめてかもしれないね。」などと話してくれた。ドバイ万博のアクセシビリティサポートのページに辿り着き、全て英語のページを読み解き、どの様にサポートを受けるべきかの説明を理解し申請する必要があったため、英語以外を母国語とする人々には少しハードルが高いのかもしれない。

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ドバイ万博のマークが付いた Sunflower Lanyard サンフラワーレイヤード 

4. ドバイ万博で受けたサポートと課題

 ドバイ万博でサンフラワーレイヤードを付けて歩くのに少し抵抗があり、私はスカーフを巻いてその下に隠すようにレイヤードを付けた。しかし、ふと周りを見るとサンフラワーレイヤードを付けた参加者にたまに遭遇したり見かけることが多くあった。特別他のサンフラワーレイヤードを付けている人たちとコミュニケーションを取るわけでもないが、お互いその場所に居てなんとなく安心感は持てた。特別に存在しているというよりも一般のマジョリティの中にマイノリティだけど自然と溶け混んでお互いが万博を楽しんでいたのだ。一般来場者はわからないかもしれないが、必要なサポートは各パビリオンのスタッフやインフォメーションセンターから受ける事ができたのでそれだけで充分だった。特にパビリオン入場時にサンフラワーレイヤードを付けていることで入場口でサポートを受けることができたため、疲れを軽減することができた。それでもたまにスタッフの中にも理解が無い人もいたり、一般客でもパビリオンでサンフラワーレイヤードのサポートを受けている様子を見て反対に差別だと怒って来る人たちもいた。そのためサンフラワーレイヤードを盗まれかけたこともあったし、中にはスタッフからサポートを受けられない時もあった。全てのスタッフが偏見を持たなかったりサンフラワーレイヤードを理解しているわけではないし、そもそもサンフラワーレイヤードを大々的に宣伝したりアピールをするということもドバイ万博ではされていない。ホームページのアクセシビリティへのサポートの一つとして掲載してあるだけで、必要な人が必要なサポートを受けられるために存在しているシステムであった。一部の人から理解が無いのは仕方ないことだが、自分としてはさりげないサポートをスタッフから受けられたことに心から感謝している。多くの人たちが理解するにはまだ時間が掛かることなので、ゆっくりでも着実に理解が進めば良いと感じた。

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Visitor Center ドバイ万博の中にある7ヶ所の内、3ヶ所にQuiet roomが設置されていた

5. Quiet roomを利用して 理解者との出会い

メンタルディサビリティーへのアクセシビリティ(メンタル障害へのサポート)として一番大きかったのはQuiet roomの設置であった。前回のミラノ万博では障害に対するサポートは主に身体障害者やエルダー(60歳以上の方々)対象のもののみであったが、目に見えない精神・発達障害に対してのサポートを万博として提言し、実行していたことに意味があると思う。Quiet roomの存在は万博の中ではほんの小さな一部であったし、気づく人もとても少なかったかもしれない。けれど、僅かなマイノリティの人たちでも必要とする人たちがいるのであれば、そこに存在する意義があると考えられる。例えQuiet roomを使わなくてもそこにメンタルディサビリティーのサポートがあることに大きな意味があると思う。
実際に私がQuiet roomを使う機会が出てきたのは、万博会場で歩き疲れた時に一気に感覚過敏の1つである聴覚過敏が発症した時だった。疲れてしまうと私の場合は聴覚優位として耳が過敏になり少し遠くの救急車の音まで聞こえてしまう。聞こえ過ぎるのは私にとってとてもストレスであり、直ぐにでも休まなければ倒れてしまったりパニックを引き起こしてしまう。それは周囲に迷惑をかけてしまうという側面もあるが、それ以上に当事者自身が自分をコントロールできなくなるので辛いことである。

万博の会場内にはQuiet roomがVisitor center7箇所の内3箇所に設けられていた。利用する時にはセンターの受付にPODwayの申請とサンフラワーレイヤードを見せ、Quiet roomを使いたい旨を伝えて初めて使える様になる。オペレーションが統一されてないのか、あるセンターではルームを使う時にパスポートを預けたり、制限時間を30分と言われたこともあったが、無制限で落ち着くまで使ってよいと言われたこともあった。またある所では申請していることを伝えることでそのまま使うことができた。
実際にQuiet roomに入室すると先に入っていた人がそそくさと出ていった。どうやら申請者ではなく会場スタッフが休憩所の代わりとして使っていた様子だった。使うべき人が来るのをわかってすぐに対応してくれたのはありがたいことだ。同時にこのルームは当事者だけでなく多くの人にとって必要とされる休めるスペースであると感じた。

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ドバイ万博内にあった実際のQuiet roomの様子

ドバイ万博のQuiet roomは全体的には20平米くらいの広さで部屋全体は青と赤の交互の色が投影されていた。中の湿度温度は調整され少し冷たいと感じるくらいだった。中にはカプセルホテルの形をしたベッドルーム、ソファ、靴を脱いで上がるところにはビーズクッションにスヌーズレンと呼ばれる五感に適度な刺激を与えることで気持ちを落ち着かせる手法を用いていた。そのスヌーズレンの効果を考慮したベクション効果のLEDライトのアートや水泡アートがあった。壁には細胞をイメージしたプロジェクションアートがあり部屋全体はセンサリルームの様な感じを受けた。
実際にその場所で休憩してみると、驚くほど心から休め、少し仮眠ができるくらいリラックスした状態になれた。
自分はカプセルスペースで横になったり、ビーズクッションで横たわってだらりとした体勢をとることでとにかく体を落ち着かせた。時に見るスヌーズレン効果のアートが自分の脳を不思議な感覚に陥らせた。まるで宇宙に解き放たれた様な宙に浮く感じがし、冷たい気温が心地よく感じられたため、万博の外界から受けた音の刺激を沈静化することができた。そして利用した後、再びドバイ万博会場内を楽しむことができたのだ。

会場内でとある日本人に会い、何故サンフラワーレイヤードをしているのか、そしてなぜドバイ万博に来たのかと聞かれ、Quiet roomの話をすると見学したいと言われた。どうやらその方は、万博を長年追いかけている方で万博は世界初をたくさんみせてくれるから魅力あるとのことだった。
センターに行きQuiet roomへの付き添いを聞くとすんなりOKしてくれた。そしてその日本人にQuiet roomを見せると目に見えない障害へのサポートを考えるのは本当に未来だと言ってくれた。
その方によると1990年の大阪花万博の時に日本で初めて授乳室が設けられたことで、以後日本中に授乳室が広まったそうだ。昔は女性は子供を産んだら家で黙って子育てをするという考えだったらしい。それが女性の社会進出をきっかけに女性の多様な活躍が提案される中で、授乳室は女性をサポートし、社会を支える場所になったのだと話してくださった。
Quiet room(カームダウン・クールダウン室)も、同じように目に見えない障害を有する方が社会進出し活躍するためのサポートとなるために、普及してくれたらどれほど助かるだろうと考えた。特に自身が当事者ということもあり、自閉・発達の人たちが落ち着けるスペースを作るという考えが社会に浸透してほしいし自分がそのスペースがあればどれほど救われるだろうと思った。そんな風に社会が変容して欲しいと切に願った。

6. 自分の使命感と人生観が変化し研究の方向性を変える

 自身はずっと研究でタブーだと思い、ひたすら当事者であることを隠して生きていたが、ドバイ万博への参加を通じて心から自閉・発達の人たちに貢献したいと思った。 研究の方向性として、これまでは人間拡張の分野として顔の表情を拡張し 相手に困っている人の感情を伝え易くするという研究をしていたが、それ以上に当事者が落ち着くことの方が大切だと考え、研究の方向性をカームダウン・クールダウン室(及びセンサリールーム)の社会実装と普及に変えた。

発達障害は生かして昭和大学の岩波明教授の記事がある。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00369/092400001/?n_cid=nbpnb_fbed&fbclid=IwAR2QM2zfODm4YkxMLrIIe0AxWP6wXjieTa3tOY9DxeLScCj19ckpO_SBxvc
個人商店が減ると発達障害が増えるという内容の記事で精神・発達障害は病気ではなく「脳の個性」であると述べている。
どうしても日本では「普通」という枠にはめ込もうとしている日本像がある。
日本社会が理想とする社会像は良い家庭で育ち、良い教育を受け、良い学校や大学を卒業し、一流企業へ就職するか社会的に名誉ある仕事をし、良い結婚をし、子供を儲け、その子供も良い学校や良い就職をするという理想の構想は、むしろ真っ直ぐに失敗無く進ことこそ実はマイノリティなのである。
実際は皆何かしらで紆余曲折し、真っ直ぐに歩め無くても、頑張って工夫して乗り越えて生きている。綺麗なオフィスで華麗に働き様々な人たちと繋がり良い環境で仕事することも良いが、現場仕事で泥臭い仕事でも世の中には必要であり、どこかで繋がり共に社会を支え合っているのだ。
理想と現実は違う。それでも社会は回っているのはとても奇跡的なことなのだと思う。

カームダウン室の研究を始めた頃は、最初は理解者が少なく否定されたりもしたが、時にそんなものは必要無いとまで言われたりしたが、当事者が必要なモノを作り上げることが大切だと感じ研究を突き進めた。まだ自身のカームダウン・クールダウン室(センサリールーム)の研究は半年しか経過していないが、いままで当事者として自覚していた精神・発達または障害者の法律の知識が生かされてたのので大きな障害はなかったし、むしろ知識を活かすことができた。

7. 身体だけではない、目に見えないメンタルへのサポートを目指して

ドバイ万博から帰国後、 早速職場に掛け合い、合理的配慮を申請し、職場にカームダウン・クールダウン室を設置することを配慮事項に入れ申請した。大きな組織で勤務しているので上の先生方や執行部の方々のご理解が無ければ動くことはできないし、きちんとしたルートで申請することで職場で自閉・発達・感覚過敏を有する方でも普通に働いていることを上層部の方々に知っていただける機会になると思っている。ここで幸いだったのは、今回動くにあたりカームダウン・クールダウン室を研究している先生と、介護施設や障害者を考慮したスペースを設計しているバリアフリーを専門としている先生、そして当事者研究会の先生方がいたため、話がとてもスムーズに進んだことである。今回はまずは別のキャンパスにあった防音室を移設するということでカームダウン・クールダウン室を職場へ設置することになる。まずは小さな一歩からだと思うし、職場を正しいルートで動かせたことは本当にありがたいことだった。設置まであと少し掛かるが、大切なことは周囲の理解を得ながら着実に進んでいくことだと感じられる。

今後は社会全体的にカームダウン・クールダウン室が普及し、例えばトイレの一室に少し休めるカームダウン・クールダウン室を置くなど、当事者が気づいた時に休める区画されたスペースが設置されていけば、社会は少しづつでも変容していくと考えられる。
仕事や勉強に追われ煮詰まるよりも、少しの休息で救われる人は多く居ると考えられる。そして、何より目に見えない精神・発達の障害を有している当事者が必要とする休むためのスペースが増えることで、社会全体の活動や生産が良くなるのではないかと考えている。

健常者も障がい者もLGBTQや大人も子供も人種も関係なしに活躍できる真の意味でのインクルーシブされた社会になるにはこのようなこういう視点も求められるのではないか?
そして、真の意味で共創できる社会になることを心から願っている。

木村 正子
コンタクト先
shokok (at) arch1.t.u-tokyo.ac.jp

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