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「覚悟はありますか?」という言葉をかけられたら

「うちの仕事は大変だと思うけど、それでも働く覚悟はありますか?」
って言葉、1度は言われたことがありませんか。

数年前、「週1からOK!」「初心者大歓迎!」みたいな広告のバイトでこの言葉をかけられたときは、正直何なんだろ…って思いました。
「週1〜2回しか働けないけど、ここで働くことにすべてをかけます!」
なんて言う人のほうが意味不明では。なんもかけてないじゃんかよ…とツッコみたくなるのは私だけではないはず。
門戸は広げるのは企業の勝手ですけど、それで集まってきた人を無駄に否定するのはすごい身勝手じゃないですか?
希望の経歴や人柄じゃなかったとしても、応募者の考えを否定して傷つける権利は面接官にはないですよね。

今日、たまたまテレビをつけたらアイドルのオーディション企画をやっていて、
「アイドルは楽しいことばかりじゃないけど、覚悟はありますか?」
「正直、向いてないと思います」
なんて言葉もあって、なんだか苦しくなりました。なんですかね、こういう厳しい言葉って、自分に対して向けられたものじゃなくても微妙に心に刺さったりします。
確かに、芸能の世界って狭き門だし、諦めなきゃいけない状況も山程ありますよね…。
その団体では向いていないだけで、他では向いてるかもしれないし、そこまで言わなくてもよくない?!なんて思いましたが、「こんな言葉で傷つくくらいならやっていけないよ」という意味合いもあるんでしょうね。芸能なら特に、批判をかけられても気にしない力が必要。覚悟がありますって自分に自信を持って言える人が求められているからこそ、この質問があったのかなと思いました。

でも、その一方で、普通の企業の中には軽々しく「覚悟がありますか?」と聞いている人もいますよね。
そんな面接官に、「あなたは"覚悟"という言葉の重さを、どれくらいの重量感で考えていますか?」と逆に聞きたい。

「覚悟がありますか?」と、深く考えずに聞く人も、
「覚悟があります」と、軽く言える人も、
どちらも信用ならなすぎる。

それこそ、人前に立つ芸能のような仕事は"自分に対する絶対的な自信"が必要になるけど、普通の社会人は絶対的な自信がある人ほど信用なりません。
自分を過信して仕事する人よりも、石橋を叩きまくる人の方が総じて良い仕事してます。丁寧に注意深くする人の方が、安心して仕事を任せられますよね。
それでも相手に覚悟を求めるのは、プレッシャーをかけてでも続けてくれるような精神力を求めているのか、責任感を求めているのか…。本当に責任感がある人なら、軽々しく「覚悟があります」と口にするのは躊躇するんじゃないでしょうか。
それに、すべてを投げ売ってでもここに尽力します、なんて働き方は現代に合っていないし、実際にまだ現場を見ていない人に対して覚悟を求めるのはずるいような気もします。社畜を得るためのキラーワードなのかもしれない。

そんなわけで、誰かに覚悟を問われたら、聞いてきた相手をめちゃくちゃよく見て、どんな意味で聞いているのか見極めることが大事だなと思いました。
軽々しく覚悟という言葉で人を括り付けようとする会社なら、見切って良いんじゃないかなと…。個人的にはそう思ったりします。

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