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MBA1年目を振り返って - WBS Life Vol.2

世の中には知らないことが溢れかえっているのに、悲しいかな人間は忘れる生き物であるらしい。僕が大学院で学んでいることは、数年後にどれくらい記憶に残っているのだろうか。

気付けばWBSでの一年目が終わるので、大学院生活で学び、気付き、感じたことを、将来のためにもnoteに残すことにした。

MBA一年目で得られたもの

1. 知の体系化と無知の知

以前のnoteにも書いたように、LINEで働きながら社会人大学院生になった理由の一つは、経営を体系的に学びたかったからだ。

これまでは、戦略、マーケティング、会計、ファイナンス、M&A...など、ビジネスの世界で現れる様々な領域をふわりと捉えていたが、学びを通じて基本領域は自分の言葉で言い表せるようになった。

春休みに一年間を振り返ったことで、各領域が点と点で繋がっていった。まとめた内容を一部紹介したいと思う。

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"総合経営"、"企業価値創造型経営"、"マーケティング"、"グローバルM&A"、"スタートアップファクトリー"、"ミッションとリーダーシップ"、"デジタル化と破壊的イノベーション" は特に記憶に残っている。

菅野さんの「MBAの経営戦略が10時間でざっと学べる」を春休みに読んだが、戦略と思考法のエッセンスが詰まっておりお勧めの一冊だ。

また、全力で勉学に取り組んだ甲斐もあってディーンズリストにも入ることができた。ぱちぱち。mini CEO とも言われる Product Manager として働くにあたって、これらの経験は基盤と自信になった。

一方で、学べば学ぶほど、授業を取れば取るほど、知らないこと・知りたいことが溢れてくる。知の体系化を通じて、無知の知を自覚したのである。

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2. 学びのイノベーション

社会人大学院生はその名の通り、企業で働きながら平日の夜と週末に大学院で学ぶ。本業のパフォーマンスを落とさないためには、限られた時間の中で学びの成果を最大化する必要がある。

そのためには学びのイノベーションが必要不可欠であり、目的意識(何のために学ぶのか?)、優先順位付け(どこまでが必要で、何は不要なのか?)、タイムマネジメント(自分の能力把握と計画力)、情報整理能力(短時間で本質を捉えてアウトプットする)など、今後何を学ぶにしても重要な要素を磨けた。

3. 思考法とマインドセット

経営に関する知識だけでなく、思考法マインドセットもビジネスパーソンにとっては非常に重要だと学んだ。

・真の目的を問い、目的と手段を混同せず課題解決を行う "戦略的思考"
・限られた情報の中で、素早く意思決定をするために必要な "仮説思考"
・物事の因果関係を理解し、具体と抽象を行き来する "科学的思考"

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これらの思考法はビジネスの世界だけでなく、人生においても重要な思考の軸となるだろう。また、現代の不確実性が高い社会におけるマインドセットの重要性も、多くのビジネスリーダーや先生方から感じ取れた。

・経済性、適法性、社会性のバランスを取り、倫理観を持って利益を追求することの大切さ
・レジリエンス: 困難なことから速やかに立ち直る力、切り替える力

・偶発的な出来事を計画的に設計し、キャリアを良くする
・ミッションの共有とオーナーシップが生み出せれば、会社は正しい方向にむかって自走していく

強く記憶に残っているのは、近代経済学の祖と言われるアルフレッド・マーシャルの "Cool heads but, warm heats (冷静な頭脳と温かい心を持ち、人間性と伴に理論的に物事を解明していく生き方)" である。

4. ミッション & ビジョン

マインドセットと似たような話になるが、ミッションの大切さはビジネス・個人両方の観点で身に沁みた。

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戦略的思考ではゴールと現状の差からビジョンを実現する手段を考え、軌道修正しながら突き進んでいくのと同様に、自分の中で譲れない存在理由が明確になると、正しい方向に向かっていけるのだと強く感じた。

短期的な目標だけではなく、自分の人生を通じて何を成し遂げたいのか?を明確にすると、どこに向かうのか、どうやって登るのか、優先順位... などを適切に判断できるようになるのだ。

5. 素晴らしい出会い & 知の探索

高い志やチャレンジ精神に溢れ、自分とは異なる人生経験や知見を持つ学友と共に学ぶ経験は刺激的であった。真剣ゆえ衝突する時もあるが、社会人になってから社外でそのような存在に出会える機会は貴重である。

また、博識でプロフェッショナルな教授陣、授業にゲストスピーカーとして来ていただいた各業界のトップランナーの方々に出会い、一流に到達するには何が必要なのか?を考えさせられた。

イノベーションを起こすために必要な知の探索を実践出来ているのだ。

春学期はオンライン授業だったものの、秋学期からは対面での授業も始まり、クラスメイトとの距離感はより縮まっていった。授業やグループワークでお世話になった皆さま、本当に一年間ありがとうございました!

学業と仕事の両立は大変だったけど、心から楽しい一年間でした。もっと遊んだり飲んだりしたかったなぁ。溜まっている打ち上げが多すぎる。

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学業以外にも、イスラエル部に入ってイスラエル企業と協業する日系企業へインタビューに伺ったり、早稲田実業で高校3年生向けに授業を行わせて頂いたりと、貴重な経験も得ることができた。

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MBA二年目に向けて

"永遠に生きるかのように学べ。明日死ぬかのように生きろ。"

多くを得られた一年目だったが、学びはまだまだ不十分であり、二年目も引き続き本業と学業の両立を頑張っていきたい。その中でも、特に注力したいと考えているいくつかのテーマがある。

1. 経営力の深堀り

経営を幅広く学んだが、今年はあくまでも包括的知識が中心だったので、専門分野を深堀りたい。(Tの横軸から縦軸に)

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とはいえ幅広い領域に興味があり、コーポレート戦略、管理会計、マーケティング、コーポレート・ガバナンス、M&A、イノベーション、SDGs/ESG/CSR、定量分析、経済学、思考法などの授業は取りたい。

2. 理論と実践の融合

実務における課題を理論に当てはめ、最善の選択を行えるようになって初めて、大学院でMBAを取得したと胸を張って言えるだろう。そうでなければ、知識はただの机上の空論だ。(個人の見解)

そのためにも、現実の課題を抽象化して経営学の理論に当てはめ解決策を導く、科学的思考法の深堀りは必要不可欠だと考える。

M2では修論を書くのだが、マッキンゼーで現役パートナーを務めながら戦略とファイナンスを専門とする佐藤先生のゼミに入ったので、修論を通して具体と抽象を行き来する力や思考力を磨いていく。

せっかくなので、これからの自分のキャリアに中長期的に繋がっていくテーマにできないかを模索中だ。

3. グローバルリーダーシップ

昨年はかなりドメスティックな生活になってしまった。一昨年までは月一で海外出張もしていたのに、英語を使う機会やグローバルな環境でリーダーシップを発揮する機会が減ってしまった。

WBSにも交換留学生がいたりとチャンスはあるのだから、機会を自ら作り出し、グローバルな環境でも活躍できるような人間になりたい

WBSでの授業を通じて気付いた、これからの経営人材にとって求められるだろう3Pを身につけていく。

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4. 出会いと課外活動

M1はオンライン中心だったので、どうしても交友関係が広く浅くになってしまった。二年目はより深い関係性を築いていきたい。新M2の皆さま、ゼミの同期、新入生の方々、ぜひたくさん絡みましょう!色々な人達と1:1でランチに行けるようになると良いなぁ。

多種多様な同級生がたくさんいるので、講義以外にも課外活動を行っていきたい。一年目は他の人が主催するイベントや団体のお手伝いが中心だったので、何かしらプロジェクトを立ち上げたい

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以上が、早稲田大学ビジネススクールで一年間を過ごしてみての振り返りだ。ゼミや修士論文の執筆が始まったりと、新しい一年の始まりにワクワクしている。

"人間は努力する限り迷うものだ"

もし、社会人大学院生としてMBAを取得するか悩んでいる人がいたら、胸を張ってオススメ!と言える、そんな一年目だった。

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大学院生活に悔いの無いよう、楽しくも濃密な二年目を過ごせるように決意を込めて。

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