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オーバーツーリズム対策:成功事例:アイスランド編

アイスランドでオーバーツーリズムが発生した原因

アイスランドでは2010年初頭から観光客数が急増し、2018年位は約250万人の観光客が訪れました。

これはアイスランドの人口の約8倍に相当するそうです。

火山の噴火後にメディアの映像から自然の美しさが世界的に注目された

2010年のエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火後、アイスランドの自然の美しさが世界的に注目され、観光客が急増しましたそうです。

加えて、Instagramなどのソーシャルメディアでの美しい風景が広く共有されさらに観光地としての人気が急上昇。

また、WOWエアなどの確約航空会社がアイスランドへのアクセスを容易にし、短期間での旅行ができるようになったためです。

オーバーツーリズムの発生時期

オーバーツーリズムの問題は、2010年代初頭から顕在化し始め、特に2015年から2018年にかけて観光客数が急増しました[3]。

2018年には観光客数がピークに達し、その後、WOWエアの倒産やCOVID-19パンデミックの影響で観光客数が減少しました[3]。

対策の開始時期と内容

アイスランドはオーバーツーリズムに対する対策を2018年頃から本格的に開始しました。以下に主な対策を挙げます:

  1. 観光インフラの整備:

    • 政府は観光地のインフラ整備に多額の投資を行い、トイレや駐車場、指定されたトレイルなどを整備しました[2]。

  2. 観光客の分散化:

    • 観光客を特定の観光地に集中させないために、新しい観光ルート(例:Westfjords WayやDiamond Circle)を開発し、観光客を分散させる取り組みを行いました[2]。

  3. 持続可能な観光の推進:

    • 環境保護と持続可能な観光を重視し、観光客に対して長期滞在やゆっくりとした旅行を奨励するキャンペーンを展開しました[2]。

  4. 観光税の導入:

    • 2024年には観光税の再導入を計画し、観光地へのアクセス料金を設定することで観光客数を管理し、環境保護に資金を充てる方針を示しました[4]。

この他にも、経済的利益と雇用創出、柔軟な対応、地域コミュニティへの配慮、研究と分析をより重視したりと、これらの対策により、アイスランドは観光業の持続可能性を高め、オーバーツーリズムの影響を軽減する努力を続けているそうです。

参考
[1] https://www.mdpi.com/2076-3298/7/8/59
[2] https://www.cntraveler.com/story/how-iceland-is-rethinking-tourism-for-the-long-haul
[3] http://www.nordiclabourjournal.org/nyheter/news-2020/article.2020-11-06.0701993397
[4] https://www.cnbc.com/2024/06/17/iceland-wants-to-revamp-its-tourist-tax-policy-to-fight-overtourism.html
[5] https://skift.com/2019/09/11/the-rise-and-fall-of-icelands-tourism-miracle/
[6] https://www.responsibletravel.com/holidays/iceland/travel-guide/overtourism-in-iceland
[7] https://www.euronews.com/travel/2023/09/25/sustainable-tourism-this-nordic-nation-is-introducing-tourist-tax-to-protect-its-unspoilt-
[8] https://www.roughguides.com/articles/overtourism-in-iceland/
[9] https://en.wikipedia.org/wiki/Tourism_in_Iceland
[10] https://www.researchgate.net/figure/Reasons-for-overtourism-in-Iceland-as-presented-by-the-media-N-507_fig6_344767811
[11] https://www.researchgate.net/publication/344767811_Overtourism_in_Iceland_Fantasy_or_Reality

オーバーツーリズム対策の改善結果


アイスランドのオーバーツーリズム対策の結果、いくつかの改善が見られていますが、完全に問題が解決されたわけではないようです。

改善点:

  1. 観光客の分散:
    新しい観光ルート(Westfjords WayやDiamond Circleなど)の開発により、人気スポットの混雑緩和につながっています[1]。

  2. インフラの整備:
    政府が観光インフラに40%増の予算を投じ、トイレ、駐車場、指定トレイルなどの整備が進みました[1]。

  3. 環境保護の強化:
    一部の国立公園では、観光客の減少により環境への負荷が軽減されました[1]。

  4. 持続可能な観光モデルへの移行:
    環境に配慮した観光インフラの整備や、長期滞在を促進する取り組みが行われています[1][2]。

  5. 地域経済への貢献:
    観光客の分散化により、これまで注目されていなかった地域にも観光客が訪れるようになり、地域経済の活性化につながっています[1]。

残された課題:

  1. 観光客数の管理:
    2023年には2.3百万人の観光客が訪れると予想され、2026年までに2.5百万人に達する見込みです[2]。これはアイスランドの人口(約38万人)の6倍以上に相当し、依然として大きな課題となっています。

  2. 観光税の効果:
    2024年に再導入された観光税(1泊あたり約4.34ドル)の効果はまだ明確ではありません[3][4]。

  3. 住宅問題:
    観光客向けの短期賃貸物件の増加により、地元住民の住宅確保が困難になっています[3][4]。

  4. 環境への影響:
    人気観光地では依然として環境への負荷が懸念されています[2][5]。

アイスランド政府は、これらの課題に対応するため、以下のような新たな対策を検討しています:

  • ピークシーズンにおける観光税の引き上げ[3][4]

  • 人気観光地への入場料導入[2][3]

  • 「持続可能性バランスチェック」システムの導入[2][3]

これらの対策により、オーバーツーリズムの問題が一定程度改善されていますが、完全な解決には至っていません。アイスランドは引き続き、観光産業の経済的利益と環境保護・地域社会のバランスを取るための取り組みを続けていく必要があります。

参考
[1] https://www.responsibletravel.com/holidays/iceland/travel-guide/overtourism-in-iceland
[2] https://www.cnbc.com/2024/06/17/iceland-wants-to-revamp-its-tourist-tax-policy-to-fight-overtourism.html
[3] https://fortune.com/europe/2024/06/18/overtourism-crackdown-iceland-new-measures-prioritize-locals-hot-spring-blue-lagoon/
[4] https://finance.yahoo.com/news/overtourism-crackdown-enters-iceland-country-050000532.html?guccounter=1
[5] https://www.euronews.com/travel/2023/09/25/sustainable-tourism-this-nordic-nation-is-introducing-tourist-tax-to-protect-its-unspoilt-

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