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「書きたいけど書けない」ときに試したい5つのこと

こんにちは!

前々回、「うまい文章」を以下のように定義しました。

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うまい文章=「わかりやすさ」×「モチベーション」×「独自性」
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今回は、2つめの要素である「モチベーション」を高める方法を解説します。

1つめの「わかりやすさ」はこちら。

レポート、感想文、記事、日記、エッセイなど書くべきもの(書かないといけないもの)があるけれど、どうしても書く気が湧かない。腰が重くて、ついついSNSやYouTubeに逃げてしまう。あるあるですよね。

でもどうせ書くなら、前向きな気持ちで取り組みたい。前向きとまではいかなくても、自然体で書けるモチベーションを身につけたい。気持ちよく書けるようになりたい。

今回は、そんなときに役立つ習慣を紹介します。5つあるので、どれか1つでも参考になればうれしいです。

1. 「マイ書斎・マイタイム」をもつ


文章を書くときには、集中力が求められます。「目の前の文章」と「脳内の意識」と「架空の読者」から同時に声を集め、響きを確認しながら、少しずつ先に進めていく――。それが書くときの基本的な流れです。

ただ執筆していると、「1歩進んで2歩戻ったと思ったら、いきなり5歩進んだ」みたいなことが珍しくない。いわゆる「ゾーンに入る」ですね。ランナーズ・ハイ。言葉がどんどん湧き出てくる。手が勝手にタイピングしてくれる。これは快感ですし、達成感もあります。

でも集中力が不十分だと、5歩進むチャンスは訪れず、むしろ「1歩も進めない」「1歩進んで2歩戻って終わり」となってしまいます。

そうした状況に陥らないようにするために、書く前に「集中できる環境」を整えましょう。

おすすめなのは、「書く場所と時間」を固定すること。たとえば、お気に入りのカフェで9時から11時まで、ファミレスで20時から22時まで、といったイメージです。

創造性という意味では、やはり午前中、とくに朝早い時間がいいでしょう(思考や創造性を担う前頭前野の活動は、朝に最も高まるとされています)。

いずれにせよ、大切なのは「固定する」です。「マイ書斎」ともいえる場所を見つけ(自宅でも構いません)、決まった時間に書く習慣をつける。これだけでも集中して書く習慣が定着します。

2. 「書き出しの儀式」をつくる


書き始めるまでが億劫な人は多いのではないでしょうか。書かなくてはいけないけれど、どうしても机に向かえないし、一文字目が書けない。とはいえ、そんな人もきっと「ある程度書いたら、リズムに乗れてくる」はずです。

そこで試してほしいのが「書き出しの儀式」

次のように、文章を書く前にする行為を決めておくわけです。

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  • 体を動かす(例:ストレッチや手首や指の運動をする)

  • 好きな音楽を聴く

  • 書き出しの言葉を決めておく

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ぼく自身、最後の「書き出しの言葉を決めておく」を実践しています。たとえば、この連載は毎回「こんにちは!」で始めているのですが、これは書き出しを考えるのが面倒という理由が大きかったりします。この言葉を書くと、不思議と次の文章が出てくるんです。

書き出しの言葉は後から修正・削除できるので、「まずはお決まりのフレーズから書き進める」というのも一手かもしれませんね。

3. 関係ない文章を編集する


前項の続きです。

自分の文章で書き出そうと思うと、肩肘張ってしまうというか、構えてしまうものです。そんな人は、他人あるいは自分が書いた文章の編集からスタートしてみるのはどうでしょうか。

他の文章に手を入れていると、体が書くリズムを思い出し、自分の文章が出てきやすくなります。

ただし、編集する文章は「今書こうとしているものと関係のない内容」にしましょう。同じテーマの文章を読み返すと、つい比較してしまい、かえってプレッシャーになってしまうかもしれないからです。

編集といっても、細かい添削や推敲をする必要はありません。誤字脱字を見つけたり、わかりにくい表現を見つけたら自分なりに書き換えてみる。そんな軽い気持ちで取り組んでみてください。

大切なのは、「新たに書く」という行為に近い状態をつくること。文章に向き合い、言葉を選び、推敲する。その感覚を思い出すことが、自分の文章を書き進めるきっかけになるはずです。

4. 締切に追われる


締切。デッドライン。社会人としての常識。人間の品位――。冒頭で書いた「気持ちよく文章を書けるようになる」とは矛盾しますが、はっきり言って、これしか有効でない人もいると思います。

むしろ締切に追われているからこそ、まさしく火事場の馬鹿力のように、わかりやすいロジックや斬新なアイデアが閃くこともあります。

締切がなくても、無理やりつくってしまえばいい。

といっても、自分との約束は信頼できないので、誰かに伝えることをおすすめします。家族や友人に言う、SNSやnoteで発信する、担当編集者にメールする。なんでもいいです。「5月10日までにこの原稿を書き上げます」と宣誓する。これで逃げ場がぐっと狭まります。

ただし、締め切りに追われた文章は、書きたてほやほやのラブレターのように、暴走したり詰めが甘かったりするもの。熟成させてから読み返す時間を設けてください。

人間は本当に愚かなもので、締切ギリギリに提出したときは「ああ、もうこんな思いはしたくない。次は余裕をもって進めよう」と思うのですが、1日も経てば、そのときの苦労を忘れてしまいます。

ただ、同じ過ちを繰り返して「また今回もやってしまった……」と(表面的にせよ)落ち込むのはあまり意味がありません。「自分は締切ギリギリにならないと作業できない人間なんだ」と開き直って、「締切ギリギリに良い文章を書きあげるには?」を考えたほうが建設的だと思います。

5. 寝て待つ


「果報は寝て待て」ということわざがあります。「良い結果や幸運は、焦らずにじっくりと待つことで得られる」という意味です。

文章もこれと同じ。書く気になれなかったら(行き詰まったら)、思いきって寝てしまいましょう。

なにを馬鹿げたことを……と思われたかもしれませんが、寝ることで頭がリセットされ、新しいアイデアや発想が生まれることがあります。科学的にも、睡眠中の脳は記憶を整理し、新しい情報を定着させる働きがあることがわかっています。

そう。寝ることは文章を書くうえで重要な「インプット」の一部なんです。

1、2分、目をつむって何も考えない(=瞑想)だけでも頭がスッキリしますし、20、30分のお昼寝でもいいと思います(ぼくはふてくされて2時間くらい寝るときもあります)。

寝る前は「起きたらこの文章を書こう」と頭に描いておくようにしましょう。起きた後、スムーズに執筆に戻れます。


いかがでしたか。

いろいろ解説してきましたが、正直なところ、「書くモチベーション」に悩むくらいなら、まずは書いてみるのが一番です。書き出しで詰まったら、思いついたことを書く。脱線してもいい。書けば、それがいずれ、モチベーションにつながるはずです。

来週は「うまい文章」の3つめの要素「独自性」を高める方法について考えてみます。

では、また次回の記事でお会いしましょう。

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