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12年前、忙しい介護職の人でも楽しくスキルアップできる本を作ってみたら

11月11日は国(厚生労働省)が定めた「介護の日」です。

これは、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけているとのこと。覚えやすいですね。

また、この日にちなんで厚生労働省は「介護の日」の前後2週間を「福祉人材確保重点実施期間(11月4日~11月17日)」に指定しています。これは介護や福祉の仕事を「やりがいのある、魅力ある仕事」として発信するためだそうです。

そこで、翔泳社も福祉の本を刊行している出版社として、少しでもその取り組みの一助になれたらと思い、11月1日から17日まで人気書籍4点の全文無料公開を行うことになりました。

今回対象の書籍は、介護や福祉の専門職向けの「現場で使える便利帖」シリーズです。下記の4点を無料で読んでいただくことができます。

▼下記リンクから、対象書籍のページに飛べます
 各書籍のページにある「全文公開」ボタンを押してください(読むには会員登録が必要です)

▼今回のキャンペーンの特設ページはこちらから飛べます

少しでも読みやすく楽しく読める本を

「現場で使える便利帖」シリーズは対人援助向けが5点、介護職・ケアマネ向けが18点ありますが、最初の1冊を刊行したのはもう12年も前です。

当時、書店の棚には文字だらけの「ザ・専門書」という書籍が多い印象でした。福祉向けの本を作ることになったばかりの私が、介護や福祉の棚にはじめて踏み入れて思ったことは、

「もうちょっとだけ、軽く手に取って、楽しんで読めるような本ができないかなぁ」

そこで、専門職の方向けではありましたが、文字をしっかり読みこなすような書籍ではなく、肩の力をふっと抜いて、でも重要なポイントを押さえた知識を、忙しくても必要なときにどこからでも読めるようなものを、カバーや紙面に少しこだわって作ったのがはじまりでした。


↑シリーズ1冊目。介護ジャーナリストでおなじみの田中元さんに執筆をお願いした本。
初版カバーには写真を使用しました(第2版ではイラストに変更)。
刊行日は2011年4月8日。なんと東日本大震災の直後くらいに印刷所に入稿した本です。
カバー色校正で写真の出方にトラブルがあって、擦った揉んだしました。
いま思うと、未曾有の大災害直後の、いまの日常が東日本が、
この先どうなるか全くわからない不安のなか、よく出したなと。
当時の印刷所の方を含めた社内外の関係者には感謝しかありません。
もちろん、本を置いてくれた書店の方々にも!

1冊目が予想より売れたことでシリーズとして続けることになり、点数も増えました。もっとも、イラスト豊富な読みやすい本はいまでは他にもたくさんありますし、動画コンテンツも増えました。介護職の方々にとって、10年前と比べてスキルアップの機会も選択肢も増えたのは良いことですね。

なかなか本を手にする時間がないかもしれません

しかし、介護の現場では人材不足が叫ばれています。

介護職は利用者にも家族にも感謝される、とてもやりがいのある仕事である一方、状況によっては人命にかかわるプレッシャーがありますし、人手も増えずに人数の少ないなかでやりくりして、しかも物価上昇の局面に反して賃金は抑えられたまま……。

こうした状況では、忙しくて余裕がなく、なかなかスキルアップのために書籍を手にしてみようという気持ちは生まれないように思います。

ですが、視点を変えると、もしかしたらひとつのチャンスかもしれません。介護職はそれでも、これからますます重要になってくるからです。

私の周囲では、親の介護や見守りが必要になってきたという声が増えてきました。ですが、現役世代の彼ら彼女らが専門職に頼らずに介護に専念できるかというと、自分にも仕事と家族と生活があってそれは難しい。それはつまり、介護職の方々なしには、これまで以上に日本も経済も回らなくなるということではないでしょうか。

ということは、日本はそのバランスをしっかりとるべく、さらなる調整が必要です。その結果、なんらかの形で介護人材の増加と維持を可能とする制度設計がされるはず。

介護職の方が減少するような未来は見えません。どういう形かはわかりませんが、介護に関わる方が増えていく。そうした状況において、日々の介護のお仕事を漫然とこなされる方と、激務ではあっても意識的に知識や技術を習得され、それらをもとに経験を積まれる方とでは、5年後10年後のご自身の収入に差が生じるのではと思います。

「内実を知らないのに勝手なことを」
「外側からなら勝手にあれこれ言える」

たしかにそうだとは思います。ですが、外側から客観的に見るからこそチャンスにも見えるとお伝えしたいです。

知識の習得に便利なのは……やはり本?

さて、私は間接的に仕事の役に立つかもしれないと、最近ある動画セミナーを受講しています。いままで動画視聴といえば、10秒程度の猫や鳥あるいは面白動画に癒やされるくらいだったのですが。

そこで今更感じたことは、動画は本よりわかりやすいなぁ、ということでした。

本を読んでいるとき、さまざまな邪魔が入ることがありますが、動画を視聴しはじめると、イヤホンをしていることもあってか、思ったより集中できますね。

内容にもよると思いますが、同じ内容を書籍で6ページ読むのと動画を数分見るのとでは、後者のほうがわかりやすいと感じました。

ただ、動画はどんどん流れていってしまいます。その場ではわかった気になれるものの、途中「あれ、◯◯って何だったっけ?」「どこでこの話をしてたっけ」など振り返りたいときに、その場所を探しにくい。それに、後日、復習もしにくいですね。

ざっくり把握には動画は有用ですし、便利です。ですが、後から「こういうことを知りたい」とピンポイントで知りたい場合に、書籍はまだまだ活用いただけると改めて実感といいますか、認識しました。

必要なときに必要な情報を、さっと手元に

というわけで翔泳社の「現場で使える便利帖」シリーズは、頭から通して読まずとも、知りたいときに知りたいところをさっと引けるようになっています。基本的には、それぞれの見出しが見開き2ページ(4ページの場合もあります)で完結しているため、わかりやすく機能的です。

今回の全文公開の本のひとつ『対人援助の現場で使える 質問する技術 便利帖』の目次の一部を以下にご紹介します。

第1章 もっと質問してみよう
 質問して、引き出そう
 質問して、確かめよう
 質問して、思考や気づきを促そう   など
 
第2章 質問力を高めよう
 質問は、一度に1つ!
 相手が話したいことを質問!
 答えたくなる一言をプラス!     など

第3章 この質問では上手くいかない
 相手を萎縮させてしまう質問
 相手がプレッシャーを感じる質問
 相手を誘導してしまう質問      など
 
第4章 こんなときはこの質問!
 思いや考えを引き出したいとき
 程度を把握したいとき
 解決のヒントを見つけたいとき    など

第5章 訊いたら、聴く
 感情を確認しよう
 表現をサポートしよう
 考える時間を保証しよう       など

第6章 質問力を援助に活かそう
 質問力で解決志向の援助をする
 質問力で行動変容を援助する
 質問力で自己決定を支援する     など

興味・関心ある項目はありますでしょうか? もし一つでもありましたら、ぜひこの機会に内容をチェックしてみてください。

また、読み放題キャンペーンに合わせて、翔泳社の福祉の本の一部がAmazonと翔泳社のSEshopで10%ポイント還元となるキャンペーンも実施しています。ご活用いただけたら幸いです。

▼読み放題やポイント還元の詳細は下記リンクから飛べます

(編集部:オザワ)


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