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暮らし(翔泳社の福祉の本)

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翔泳社の福祉の本が扱う「暮らし」をテーマにした記事を収納しています。
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記事一覧

「敵」は思い出? 親の片付けがなかなか進みません

昨年末、高齢の親から「断捨離するから、お正月に帰って来たら手伝って」と言われました。 伯母夫婦が同じ県内に住んでいたのですが、2年前に伯父が他界すると「田舎の古い家を一人で管理するのは無理」と伯母は都市部のマンションに引っ越しました。 その片付けを東京にいる子どもたちが毎週末手伝いに来ていたのを見て、私の両親も「体が動くうちに身辺の整理をしなければ」と思ったようです。 新幹線の中で「断捨離」を検索すると、「断捨離は60代までにやるべき」「暮らしのサイズダウン」「失敗しな

新しい防災の考え方「フェーズフリー」、日常時と非常時を区別しないデザインとは

災害の多い日本に住んでいるとしても、日常生活を送りながら常に非常時に備え続けるのは簡単ではありません。 そこで注目されているのが、「フェーズフリー」という新しい防災の考え方。 フェーズフリーとは、「いつも」を豊かにする物が、「もしも」においても暮らしと命を支えてくれるようにデザインしようという、防災にまつわる新しい考え方のことです。 製品やサービスの対象とするフェーズ(社会の状況)をフリーにする、つまり、「日常時用」と「非常時用」という区分をやめて、「いつも」と「もしも

冷凍宅配弁当を試して実感。「食感」って大事

年に数回、料理熱が異常に高まります。ふだんはかなり適当ですが、手の込んだものを作ったり、作り置きをしまくったり、特定のメニューばかり作ったり、変わった調味料にはまったり。 今がまさにその時期で、「煮物」と「レシピ厳守」をテーマにほぼ毎日作っています。調子に乗って、新しい鍋も2つ買いました。 気になっていた宅食サービス逆に、まったくやる気が出ない時もあります。買い物に行くのも、献立を考えるのも面倒くさい。嗚呼、何もやりたくない……。そんな時、ふと思い立って、冷凍の宅配弁当を

酔わない人生なんて、つまらない!?

10月某日。地球沸騰の時代と言われた記録的な猛暑の夏も過ぎさり、2023年もあと少しとなりました。みなさんの今年の目標達成率はどのくらいですか? わたしの場合は例年みじめな結果に終わってしまうのがつねですが、今年は珍しくいい感じになりそうです。 「ソバーキュリアス(Sober Curious)」という、あえてお酒を飲まないライフスタイルが広まってきました。わたしもそのブームにあやかって、それまでほぼ毎日飲んでいた!お酒を今年のお正月からやめてみました。 とは言え、今夜は

あなたにとって幸せな時間とは? そして幸せでない時間とは?

家事や仕事、そのほか諸々の雑事に追われ、かといって空いた時間や休日はだらだら過ごしてしまう。それがむしろいいのだと感じる人もいるかもしれませんが、やはり有意義で充実したと実感できるような日々を過ごしたいと思うのが人の常。 そのためにはやはり、幸せだと感じられる時間を過ごすことが不可欠です(もちろん、幸せでない時間を減らすことも!)。では、あなたにとって幸せな時間とは? これはあくまで一般的な話になりますが、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)アンダーソン経営大学院

両親共働きでも「孤食のない幼少期」をおくった私が考える、食事で大切なこと

子育てや食生活を考えるときに、長年課題としてあげられているものに「孤食」があります。 そして、孤食の原因としてよくあげられるのは「共働き世帯が多いこと」。私の両親もフルタイム(正社員)で働いていたので、孤食が発生する流れは比較的イメージしやすいです。ただ、タイトルにあるとおり、私の幼少期の記憶には孤食の姿がほとんどありません。 今回は①「孤食のない幼少期」が今の自分に与えているものと、②共働き世帯であった我が家が「孤食のない幼少期」を創り出したポイントについて考えてみまし

電子書籍とSDGs~デジタルだからできること~

こんにちは。今回は、翔泳社で電子書籍制作を担当しているチームから、「電子書籍とSDGs」についてお話ししたいと思います。内容としては、広がる電子書籍のラインナップを具体的にご紹介し、電子書籍読書を「アクセシビリティ」「バリアフリー」の観点から考えます。 翔泳社は幅広い分野の書籍を出版していますが、本のかたちは時代とともに変化しています。紙書籍は、原稿を紙面にあわせてレイアウトしたデータ(DTPデータ)を印刷所に入稿し、印刷・製本して完成します。電子書籍はそのDTPデータをも

リモコン、家電、洗濯機、トイレ、入浴。高齢の親の変化を感じたら、すぐに準備すべきこと

親が高齢になると、手先の不自由さや視力の低下などからいままで当たり前にできていたことでも時間がかかるようになるなど、多くの変化が生じます。 子の立場である皆さんが「見守りや介護が必要になるかもしれない」と感じたら、まず親の不自由さをできるだけ取り除き、皆さん自身がなるべく変わらず生活を続けられるように、やっておくべきことがいくつかあります。 その中でも生活の快適さに直結する家電や習慣については、高齢の親でも使いやすくする、嫌な思いをしないようにするなど工夫をしておきたいと

病気やケガ、生活が苦しい……障がいのある子とその親が頼れるセーフティネット

障がいのある方とその親が頼ることのできる社会保障制度(セーフティネット)には、状況や内容に応じたいくつもの種類があります。 親御さんの立場からすると、ご自身で情報収集や手続きができるときは問題なくても、自分や家族が亡くなったあとにお子さんをどう支えるかについては、不安を感じているのではないでしょうか。 そんな方のために、翔泳社の書籍『障がいのある子とその親のための「親亡きあと」対策』では、いまから利用できる制度、また将来に備えて知っておきたい制度を解説しています。 本書

一筆箋好きの編集者、ペン字の練習はじめました

ノート、メモ帳、一筆箋、付箋、カード、マスキングテープ、包装紙……など紙製のグッズが好きな方は多いと思います。 私は一筆箋、ミニノート、付箋が好きで、文具店やミュージアムショップなどで見つけると、わりと躊躇なく買ってしまいます。集める、愛でるより、使って満足感を得るタイプです。 編集者に多い? 一筆箋ユーザー書籍編集の仕事には、紙グッズを使う機会が結構あります。例えば、著者さんに資料や校正刷(ゲラ)、完成した書籍を送ったり、デザイナーさんに装丁(カバーや表紙)の色校正を送

障がいのある子が50歳になったとき、親はいくら残せば安心しておける?

障がいのある子の親御さんに共通する心配事が、お子さんの老後や自身が亡くなったあとのことだといいます。 不安を少しでも減らすために備えておきたい。でも、具体的にどうすればよいのかわからない。特に、お金の準備について疑問や不安を感じている親御さんは少なくないようです。 33年間、入所施設や通勤寮、グループホームなどで障がい者支援に携わり、現在はファイナンシャル・プランナーとして成人した障がい者の暮らしや「親亡きあと」の相談を受ける鹿野佐代子さんも、よく「障がいのある子のために

育児休暇中の収入はどれくらい? 給料とボーナスから実際に確認してみる

子育てにまつわる不安や悩みの多くは、お金に由来することではないでしょうか。 勤める会社で育児休暇の制度があっても、収入が減ったり復帰したりするのが難しそうというイメージがあるかもしれません。 ですが、安心して子育てを行なうために大切なのは、事前に育児休暇中の収入を計算し、どんなサービスや制度が使えるのかを確認しておくことです。 今回はその計算方法や、収入に合った育児・教育費、さらに各種保険へのお金のかけ方や貯め方が分かる書籍『書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て

鍋のふた「する」「しない」から考える料理本 VS. 料理教室

前回「料理本」を買わなくなったという、出版社に勤める者としてあるまじき話を書いた編集部のくらはしです。 そんなわたしが、先日人生初の「料理教室」に行きました。目からウロコな世界だったので、引き続き料理ネタにお付き合いいただければと思います。 余談ですが、最近また料理本を買うようになりました。その理由については、コラムの最後のほうに書きました。 プロの料理を見てみたい今まで料理教室というと「○○先生のお料理教室」みたいなセレブ感の強いところや、中学校の家庭科の調理実習の

不得意分野や講師の話が理解しづらい、発達障害の人が上手に勉強するには?

発達障害を持つ方にとって、勉強は内容の理解だけでなく取り組み方にもいろいろな難しさや困り事があります。 例えば、得意分野ばかり勉強してしまい、不得意分野だと頭に入ってこない。あるいは、モチベーションはあるのに集中できなかったり、講師の話が理解できなかったり。 こうした悩みを乗り越え、同じような境遇の方を支援しているキズキ代表の安田祐輔さんによる著書『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本』が、翔泳社から発売中です。 安田さんが設立したキズキで