くつべらマン

cafeシモキタトナリと児童養護施設で働く、自称ヒーロー。 若者と一緒に働き、カフェで…

くつべらマン

cafeシモキタトナリと児童養護施設で働く、自称ヒーロー。 若者と一緒に働き、カフェで再会を待つ。たまに、人々に問題行動を引き起こす「まっくらムウ」と闘う。 アニメ化切望。

マガジン

  • 児童養護「現場の事例」

    児童養護「現場の事例」というインタビュー動画を紹介する記事集です。

  • くつべらマンの「プロにきく!」

    児童養護施設に勤めるくつべらマンが、子供たちから聞いた質問を、若者たちとプロに聞きに行くという、壮大な冒険譚である。

最近の記事

気を遣わないことに気を遣う

児童養護施設で働く児童指導員の仕事について「児童養護施設最低基準」にはこのように書かれています。 自立に向けての様々な指導を、他業種と連携して行っていく。ということなのですが、前提として「安定した生活環境を整える」ことが必要不可欠になります。 児童養護施設職員の教科書ともいうべき「運営指針ハンドブック」には以下のように記載があります。 リラックスをしていないとき、リラックスできない相手から言われた「指導」を受けれますか? リラックスできていないとき、社会模範的な態度や行動

    • 仕事でもバイクは危ないの?

      私が働いている児童養護施設では、子どもがバイクの免許を取ることは禁止されています。危ないからです。 「バイクのレーサーになりたい」と切り出したベラ男くん。ムウママの反応は…? 「ダメ、危ないから」と取り付くしまもありません。 実際のところ、どうなんでしょうか。 というわけで、元プロレーサーのトニーシュルツ様にお話を伺いました。 トニー様は、現在飲食店を経営されており、大森にある店舗で、営業前に取材をさせていただきました。お忙しいところ、ありがとうございます。 ※取材時は

      • 施設から出さない

        高校を卒業しても「措置延長」という形で、施設での生活を続ける子が増えてきました。 無職の期間が終わるまで。大学に慣れるまで。進学が決まるまで。 理由は様々ですが「高校を卒業/中退したら自立するもの」という空気感が変わってきたように感じます。 ただ、児童養護施設には「定員」というものがあり、一人残ることで新しい一人は入れなくなる。児童相談所の方とやりとりをしていると、そのジレンマへの葛藤を感じることがあります。 ほかにも「自立しないとわからないことがある」「モラトリアム期間が延

        • そろばんって何?

          電卓があるのに、世界中で1000万人以上の方がそろばんを習っていると言われていることを、ご存知でしょうか? (参考:東洋経済オンライン「そろばんが「数字に強くなる」最適な手段のワケ」) というわけで、今回は「そろばん」です。英語でアバカス。 スタッフの大人も若者も、まったく予備知識がないので、若者スタッフに事前の調査で、博物館へ行ってもらいました。 小さい息子も、使い方がわからないのにいじっている…そういう魅力が、ひとつのヒント? いよいよ本番当日、先生よろしくお願い致

        気を遣わないことに気を遣う

        マガジン

        • 児童養護「現場の事例」
          13本
        • くつべらマンの「プロにきく!」
          28本

        記事

          何故くつべらマンの新装備を作ってくれるの?

          突然ですが、練馬工業高校の学生さんたちが授業で「くつべらマンの新装備を作ってくれることになった」よ~~~? なんで? おお、恰好いいラフがあがってきた…これ…ワタシ? 仕掛け人の「株式会社アリトリズム編集部の阿部さま」に話を伺いました。 どうやら「学生さんがより実践に即した制作を体験するため」の企画だという。くつべらマンに白羽の矢が立ったのは!…単に加藤さま(株式会社Sacco)の紹介があったからとのこと。。。 しかし、なぜ編集者の方が学校さんと連携してこのような授業を

          何故くつべらマンの新装備を作ってくれるの?

          トルコ・コーヒーって?

          今回は「トルコ・コーヒー」のお店を取材させていただきました。 みなさん。突然ですが、くつべらマンの持っている「器具」どうやって使うかご存じですか? 今回は、そんな疑問からはじまります。 私は、児童養護施設でよくコーヒーを淹れています。 入職して、しばらくしてから、ハンドドリップの器具を持ち込み、ひと段落するときコーヒーをいれて、コーヒーブレイクをします。 コーヒーが「苦い」という子も多いので、あまーいカフェオレなどもいれます。 お話しするのが大好きだし、大事だと思うので家事を

          トルコ・コーヒーって?

          金属加工の職場って?

          昔から、職人さんなど「ものづくり」のプロに憧れがあります。 たぶん、私が児童福祉の人間で、仕事に「目に見える成果」がないからだと思います。給料も、勤続年数で上がっていくのが基本です。育児には、上昇の実感はあれど、成績はつけられません。「売上」の数字や、「作品」の出来で評価される「競争厳しくも、ルールのシンプルな世界」に、子供じみた憧れを持っています。 今回は「金属加工」の現場。株式会社茂呂製作所さんに伺いました。 当時たまたま、施設勤務で子どもと段ボール工作をしていまし

          金属加工の職場って?

          「政治家って何をしているの?」衆議院議員

          〇〇えも~ん わか太「政治家が何をしているか、誰がいいのかなんて、わからないんですよ!」 クツえもん「しようがないなあ...」 というわけで、国会議事堂駅にきました。 チームくつべらマンで、国会議事堂を見学させていただきました(内部は写真NG)。若い方たち、意外に大盛り上がり。 国会議員さんには「地域」と「国会」の二つの職場があります。今回は、国会へ。衆議院会館へお邪魔しました。 衆議院議員の落合貴之先生、今日はよろしくお願いします。 国会議員さんのお仕事は「日

          「政治家って何をしているの?」衆議院議員

          「社員は家族」株式会社横引シャッター

          「社員は家族」ということについて、株式会社横引シャッターの市川代表取締役に、お話をいただきました。 社員は家族。よく聞くフレーズですね。「そうだといいなー」と思いつつ、「うさんくさいなー」と感じる。大体の方の印象がそうではないでしょうか。 「社員が家族だといいなー」、というのは児童養護施設での仕事中、結構切実に願うことです。 特にアフターケア、児童養護施設を退所した子への就労支援の文脈なのですが。例えば「離職しちゃった」+「貯金がない」+「最終学歴が中卒」の三拍子がそろ

          「社員は家族」株式会社横引シャッター

          臨床心理士「養育者へのケア」

          今回は、臨床心理士の方にお話を伺いました。 cafeシモキタトナリで知り合った方で、雰囲気の柔らかな素敵なお客様でした。なぜ印象をご紹介したのかというと、臨床心理士の方は玉石混交だと経験的に思っているからです。 ------------------------------------------------------------------ 児童福祉に関わって10年あまり。二桁以上の心理士の方とお仕事をさせていただきました。一人「この人はスゴイ」と驚嘆した方がいました

          臨床心理士「養育者へのケア」

          駄菓子屋のナニが人気なの!?

          子ども御用達のお店といえば...! 駄菓子屋さんですね。 とにかく安い! 2~300円もっていけば「なにを買おうかなー」と大きな気持ちで買い物を楽しむことができる。あの頃は楽しかったなー もちろん児童養護施設の子どもたちも大好きです!たぶん。というのは、最近は近くに駄菓子屋さんがなくなってしまいました。残念。 私の働く/働いていた児童養護施設では、高校生の小遣いが5000円くらい。中学生が2000円くらい。小学生は1000円くらいです。コンビニでちょっとお菓子を買ったり

          駄菓子屋のナニが人気なの!?

          NHKディレクター「児童養護施設について」

          YouTubeチャンネル「くつべらマンのプロにきく!」の【現場の事例】シリーズで、NHKの番組ディレクターさんに撮影取材をさせていただきました。 「ねほりんぱほりん」という番組で児童養護施設を取り扱ってくださった関係で知り合いました。メインは「プロに聞く」のお仕事取材だったのですが、あまりにもお話の上手な方で「児童養護」に対するお話も別枠で伺いました。 ↑ お仕事に関する取材(プロにきく) ↑ 現場の事例(※年齢制限かけています) 取材を通じて感じられたことをお話くだ

          NHKディレクター「児童養護施設について」

          虫歯の治療ってどうやるの?

          みなさんは歯医者さん、好きですか? 私はもちろん、子どもの頃から...苦手です!!! 「ドリルギュイーン!」 「神経イタ―!!」 「こと」が終わっていても、いなくても... 白衣。匂い。乗降するイス。ドリルの先端。口の中にゴム手袋がァああ.... すべてが「イタイ、コワイ」の予感で、頭いっぱいになります。 大人になって、泣き叫ばなくはなりましたが、歯科医院を予約するときは生唾をのむような心持ちになります。 程度の差はあれ、同じように思う人はいるのではないでしょ

          虫歯の治療ってどうやるの?

          コラム④信頼関係とロールプレイ

          「話を聞く」することにより、その人の個別性を「理解」する。 それっぽくいうと「傾聴」からの「児童理解」ですね。 この技術を知ったくつべらマン。さっそく実践しようとして失敗します。 誇張してあるので分かりやすいと思いますが、誰もが自身の「身の上話」を誰にでも話したいわけではありません。この感覚は大切なことで、要するに「プライバシー」です。性教育につながることだと思っています。 私が、若い当事者が自身の生い立ちをメディアで発信することに懸念をもっているのはそこからです。自

          コラム④信頼関係とロールプレイ

          児童養護施設退所者「退所後に感じたこと」

          今回は、児童養護施設で8年生活をされて自立された方に話を伺いました。タイトルは「退所後に感じたこと」。当時、児童養護施設関連の事件が続いて紙面に載っていました。児童養護施設に対するステレオタイプなイメージが広がっていると感じ、違和感をもっていたそうです。 良かったこと、悪かったこと。ただ共通して「多様」だったこと。広く話していただきました。 (本編には年齢制限がかかっています) 以下、現役の施設職員さんにコメントをいただきました。 ------------------

          児童養護施設退所者「退所後に感じたこと」

          児童養護施設退所者「家出:逃げてもいい」

          (※こちらの動画は、年齢制限が設けられています) 今回は、学齢時に児童養護施設で育った元在寮児の方へ、お話を伺いました。お題は「逃げてもいい」。児童養護施設措置へ至る経緯で、何度もご自宅から家出をされていたとのこと。支援の手を待つのではなく、幼かったご自身は「家出」という行動を選択されたようです。最後は、児童相談所の方の手によって保護され、児童養護施設に措置された、とのことです。 ちなみに私が施設で担当していた子でも、家出を繰り返していた子がいました。家でも。施設でも。で

          児童養護施設退所者「家出:逃げてもいい」