燻煙器よりぼくの息
みつばちのいる巣箱内を見るときは燻煙器(くんえんき)という道具を使います。
この中に麻袋や杉の葉を入れて燃やし、その煙をみつばちに吹きかけることで、反射的に貯えてあるハチミツを食べます。
そうすることでお腹が満たされて怒りにくくなり巣箱内が見やすくなる、という道具です。
はじめのころは刺されるのが怖くて必要以上に煙を吹きかけてはおそるおそる巣箱内をのぞいていました。
しかし使いすぎると、ずっとしずかだったみつばちたちが突然けたたましい羽音をたてて一斉に怒りだすことに気づきました。
たしかに考えてみると人間の都合で
「静かにしなさい!」
と強制的に抑圧しているようなものです。
みつばちたちにも負担が大きく、だんだんと怒りっぽい性格になっていくようにも感じました。
なので現在は、巣箱内を見るときは寝ている赤ちゃんを起こさないように丁寧にそして静かに扱います。
そしてみつばちたちに移動してほしいときにはぼくの息をやさしく吹きかけるようにしています。
そうすると、みつばちたちは
「しょうたさんの息、とってもさわやか➰♥️」
と目をうっとりさせながら
モーゼの道のごとく移動してくれます。
燻煙器は極力使わずに、みつばちたちを丁寧に扱いながらぼくの息も使うことで、みつばちたちはぼくの作業にとても協力的になってくれました。
どの養蜂の本にもこのような方法は書いてありませんし、なにが正解かもまだまだわかりませんが、養蜂をやっていくなかで「当たり前」といわれていることを再度考えてみて、自分なりの方法を作り上げていくのも楽しいものです。
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