自由教育実践家しょーちゃん

2023年に長沼町にて開校した、自由教育の中で体験学習を中心とした「まおい学びのさと小…

自由教育実践家しょーちゃん

2023年に長沼町にて開校した、自由教育の中で体験学習を中心とした「まおい学びのさと小学校」の教員スタッフ 11年間中学高校で保健体育科と特別支援学級を経験し、既存の教育方法に疑問を抱き、転職 日本の教育、社会が「愛」で満たされて変わっていくようにするための奮闘劇を紹介します!

最近の記事

まおいの食育⑨ 鶏といじめの話

鶏の社会は完全な縦社会。 まおいには8羽の鶏がいますが 8羽の中で一番上から一番下の序列が明確にあります。 序列が上の鶏はエサを優先的に食べることができます。 もし下の鶏が横入りをするとクチバシで突かれてしまいます。 時には血が出ることも。 そんな様子を見ている子どもたちは 序列が低い鶏たちでもエサを食べられるように エサを置く場所を振り分けたり工夫をするようになりました。 いじめられて血が出てしまっている鶏のために 保健室(個室)を作ってあげたりもしまし

    • まおいの食育⑧ タンパク質のお話し

      ⑦では主に穀類の確保についてお話ししましたが、ここではタンパク質の確保についてお話します。 鶏のエサのタンパク質として、主に動物性と植物性のタンパク質をバランスよくあげています。 植物性のタンパク質は、長沼といえば「大豆」です。 畑で穫れた大豆や、近隣の野菜直売所に売っている大豆、頂き物の大豆などを「きな粉」してあげています。 ちなみに、この「きな粉」は料理店の定番メニューになりつつあり、小学校1年生の子でも、誰の手も借りず一人で完成させることができるくらいです。

      • まおいの食育⑦ プロと繋がる

        前述した、鶏のエサについてのお話を詳しくしたいと思います。 鶏の配合飼料はホームセンターに売っていますが、自家配合したほうが安上がりで、環境にもよいということで、まおいは自家配合したエサをあげています。 養鶏家 モスガーデンさん https://www.instagram.com/moss_garden_hokkaido?igsh=enNrdHoxcTYxOXNp には鶏のエサのことや病気のこと、小屋のことなど様々なことに相談に乗っていただいておりますが、農家さんや酪

        • まおいの食育⑥ 動物愛護の心

          掃除・散歩係はもぐもぐタイム(中休み)や昼休みになるとダッシュで鶏小屋へ走ります。 鶏が来るまでは、各々好きな場所で好きな遊びをしていました。 今は鶏を散歩させてあげたくて仕方ないのです。 鶏はか弱き生き物です。 自分たちが世話をしてあげないといないという使命感と、かわいい鶏と戯れたいという動物愛護の気持ちがあるのでしょう。 鶏はよく草を食べます。 鶏が逃げないように、杭とネットで散歩エリアを作っていますが、すぐに生えている草がなくなるので、時々散歩エリアを変えて

        まおいの食育⑨ 鶏といじめの話

          まおいの食育⑤ 鶏チームの1日

          鶏が来てから、子どもたちの動きはさらに良くなり、成長は加速しました。 ここで、鶏チームの1日を紹介します。 エサ係は、朝登校したら、配合飼料作りをします。 鶏は雑食ですが、体調を良好に保ち、卵を産んでもらうにはエサをバランスよく配合しなければなりません。 穀類・タンパク質・繊維質・塩分・カルシウムなど百分率を使ったパーセンテージに沿ってそれぞれの重さを測っていきます。 ちなみに百分率の計算は教科書では小学校5年生に出てきますが、今のまおいには一番上でも4年生しかいま

          まおいの食育⑤ 鶏チームの1日

          まおいの食育④ 鶏がやってくる

          いよいよ鶏小屋が完成し、鶏をモスガーデンにもらいに行くことに。 200羽ほどいるハウスの中から、好きな鶏をもって行っていいよとのことでしたが、初めて鶏を触る子どもたちは、怖くてなかなか捕まえることができず…。 なんとか、前の学校で鶏を飼っていた子が活躍して、雌鶏7羽・雄鶏1羽を捕まえてケージに入れることに成功! ケージをバスに乗せていざ学校に戻ろうという時に、空が真っ暗になり、ゴロゴロと音が鳴り出す。 あたりがビカビカと光りはじめ、大粒の雨が。 バスが学校に着いたこ

          まおいの食育④ 鶏がやってくる

          まおいの食育③ 循環型社会を知る

          基礎作りを終えて、近隣の栗山町にある「コメリ」というホームセンターにあくせく通い、たくさんの木材を買ってきてはインパクトドライバーやコーススレッドを使って鶏小屋の建物を作りました。 ちなみに担当のスタッフ(しょうちゃん)を含め、全員が小屋なんて建てたことがない素人の集まりです。 それでも、長沼図書館に建築の本を借りに行ったりして、自分たちの力で立派な小屋を作り上げることができました。 今年の夏は猛暑でしたが、ほとんど具合悪くなる子も出ず、まおいの子はみな元気だなと感心し

          まおいの食育③ 循環型社会を知る

          まおいの食育② 循環型社会を知る

          そうこうしているうちに、学校近隣にある「モスガーデン」という養鶏家さんとご縁があり、廃鶏(餌代と卵を産む効率の比率を考慮し殺処分される鶏)がいるという話を聞きました。 子どもたちと、こういう鶏がいるらしいけどどうするか、というミーティングを行いました。 満場一致で、殺されるのはかわいそうだからもらいたいということに。 何羽でも連れて行っていいということだけどどうする? 子どもたちは、3m×2mの鶏小屋だと最大10羽飼えるけど、狭すぎるのはかわいそうだから、8羽にしようと

          まおいの食育② 循環型社会を知る

          これが本物の食育

          まおい学びの小学校の食育① まおいの特徴 「プロジェクト」の一つ 「まおい色々料理店」では、主に鶏チームと畑チームの2チームに分かれてプロジェクトの活動をしています。 僕は料理店所属のスタッフなので、ここでは鶏チームの活動を中心にお話ししたいと思います。 鶏チームでは当初、動物を飼いたいという話になりました。 様々な動物を検討した結果、卵を産んでもらって、その卵で料理をしたいということで鶏を飼うことになりました。 まずはどこにどのくらいの大きさの鶏小屋を建てようかみ

          先生がいない学校

          先生のことをあだ名で呼ぶ理由 それは、まおいでは大人と子どもは対等の立場であると考えているから。 一般の学校ですと、大人が上、子どもが下という上下関係、子どもは年上の人を敬いなさい。敬語を使いなさい。社会に出るためにそれが必要だ。という風に教えると思います。僕もこれまでの経験上、そのように子どもたちに指導してきました。 さらに公立の先生は子どもたちの評価者でもあり、テストや学習の様子をみて子どもを数値化します。 この時点で、評価する側される側に分かれることになります。 ま

          自由学校の中身

          note始めました。 自由学校で働く中で、感じたこと、公立学校との違い、子どもたちの成長などを書き記していきます。 北海道の長沼町に2023年4月に開校したまおい学びのさと小学校で教育スタッフをやっています。 今井翔太です。 あだ名は「しょーちゃん」です。 まおい学びのさと小学校には「先生」と呼ばれる人はいません。 先生ではなく「大人」と呼ばれたり「スタッフ」と呼ばれたりします。 学校の中では、僕はしょーちゃんと子どもたちから呼ばれていますし、同僚からもしょーちゃんと