見出し画像

「私立学校教員」の仕事、学校広報

教員志望者が減り続ける中、当然私立学校教員を目指す教員志望者も増えるということはありません。

とはいえ、教員を目指す学生や公立学校からの転職を考える人がいないわけではありません。

そうした方に参考となるような情報を共有したいと思います。

公立学校にない仕事=「学校広報活動」

「ない」と書きましたが、最近は公立の高校などでは多少は宣伝活動を行ってるようです。

それでもパンフレットを配ったり、説明会を行ったりすることはあっても専門で校務分掌を受け持つケースは少ないようです。公立勤務の知人や業者からの話を聞いても、生徒募集に関する積極的な活動はそれほど盛んではないとのことです。

しかし、私学は違います。次年度の生徒数は学校経営の根幹に関わります。

これは管理職だけの問題ではありません。一般の教職員に関しても給与や賞与、福利厚生に関わる重要事項です。そのため、教育外の活動ではありますが、全職員で協力して行う学校がほとんどです。

したがって、私の勤務校でも小中学校へのチラシやパンフの配布、学校体験の紹介や体育祭などのイベントの招待などを一年中にわたって実施しています。

それらの活動の代表的なものを紹介し、私学への就職、転職の材料にしてもらえれば幸いです。

塾や小中学校への営業活動

営業活動は日常の業務として行っています。

先述の学校体験や体育祭などのイベントの前には必ず塾や小中学校へチラシの配布のお願いに回ります。

その際には、営業だけでなく地域の進学事情や人気傾向などの情報交換なども積極的に行います。

また募集要項や願書、パンフレットなどが完成する度に持っていき、説明を行います。

毎回の営業に嫌な顔一つせずに対応していただく担当者には感謝しかありません。

そうした地道な営業、広報活動は私学の特徴の一つです。
(有名超人気校はそんなことをしていないのかもしれませんが…)

学校体験の実施

学校体験は私学において重要なイベントの一つです。ここでの印象で受験校を決定する生徒が最近は増えています。

九州は少し前までは公立王国で有名でしたが、無償化などの波や各私立学校の営業努力によって潮目がかわりつつあります。

そのため、ここでの印象は極めて重要です。わかりやすく、楽しく、そしてためになるイベントを企画、実施することは非常に大変です。

体験授業をしていた生徒が入学してくれているのを見ると、やりがいを実感できる仕事でもあります。
(私の授業や対応がきっかけで入学、といのはまずないのですが、それでも)

部活動への依頼活動

吹奏楽部が盛んな学校などでは依頼演奏を行うことがあります。

依頼があるのは地域の祭りやイベントであったり、小中学校の文化祭など様々です。ボランティア活動などの依頼を受けることもあります。

また、地域の商工会や青年会と生徒会がコラボする活動なども存在します。

こうした地域密着による地道な活動も生徒募集につながる広報の仕事になります。

教育外活動

これらの草の根の広報活動を通して、地域住民の人へ生徒の様子を伝えることで口コミや評判で入学へつなげる仕事は公立学校には少ない業務でしょう。

このような仕事は直接的な教育活動ではなく、あくまでも教育外活動です。しかし、私立学校においては死活問題にもなる非常に重要な仕事なのです。

この手の仕事には、教育活動とは異なる別の面白さがありますし、興味を持ってもらう工夫や仕組みに関しては生徒へフィードバックできる類のものも存在します。

仕事の種類が変わるという意味では面白さがありますので、私学に興味をお持ちの方は是非、就職、転職先の候補に私学を考えてみてはどうでしょうか。

私立学校に興味のある方は…

「私学適性検査」という教員採用試験に準ずる内容の筆記試験を受けると、私学協会の名簿に登載されます。その後、それぞれの地域の学校からオファーが来るという仕組みになっています。東京や福岡など複数の県で実施しているようです。

また、それ以外の県の場合には各県の私学協会が履歴書の委託や登録制度を実施しているようです。

学校であり公的機関の要素もありつつ、私企業に近い部分もあるのが私立学校の面白さなのかもしれません。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?