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売れる野菜のコンセプト作り

割引あり

売れる野菜といっても、栽培方法の話ではありません。

野菜の「コンセプト」の話です。

この記事は、植物工場で長年野菜と向き合ってきた私が、
「世の中にあるマーケティング手法を、もし野菜販売に応用したら?」
について考察したものです。

消費者の方からは、様々な声を耳にしますよね。

「美味しい野菜が食べたい」
「安心安全な野菜を選びたい」

しかし、消費者が本当に求めているものは、実はもっと深いところにあるのではないでしょうか?

スーパーの野菜売り場には、今日もたくさんの野菜が並んでいます。 でも、消費者の求める野菜ってなんでしょう?

今回は、消費者の心を掴む野菜作り、そして販売戦略について解説していきます。

誰もが、自分の作った野菜がお店で大人気になってほしい! と夢見ていると思います。

しかし、現実はそんなに甘くありません。 心を込めて作った野菜も、いつも売れるとは限らない…

「せっかく作った野菜なのに、なかなか売れない…」

そんな悩みをお持ちのあなたへ。 この記事が、野菜販売の成功へ導く糸口になれば幸いです。


価格競争に巻き込まれない!

まず、野菜販売で成功するには、 価格競争に巻き込まれない ことが大前提です。

普通、商品を「安くすれば売れる」と考えがちですが、本当にそうでしょうか?

これは野菜も一緒で、安売りばかりしていると、利益が減ってしまいます。

確かに、価格が購買の決め手になることはあります。しかしそれは、あくまで「価格以外に決め手がない」場合です。

むしろ、安売りを続けると利益率が下がり、経営を圧迫する原因にもなりかねません。安売り戦略は、基本的にはお勧めしません。

大切なのは「質の良さ」だけではない!

そしてもう一つ、多くの人が誤解していることがあります。「質が高い野菜を作れば売れる」という考え方です。

質の高さは重要ですが、それだけで売れるほど、野菜市場は甘くありません。

例えば、ある高級イチゴがあるとします。糖度が高くて、見た目も美しい。 確かに魅力的ですが、果たしてそれだけで売れるでしょうか?

「〇〇農法で栽培」「有機肥料を使用」

こだわりの栽培方法をアピールする生産者は少なくありません。

しかし、消費者は、本当にそれを求めているのでしょうか?

生産者にとっては、「有機肥料を使って丁寧に育てたイチゴだ!」と自信を持って言えるかもしれません。

しかし、消費者にとっては、他のイチゴと比べて、どこがどう違うのか、 わかりにくいというのが本音でしょう。見た目や味が重要かも。

大切なのは、 「この野菜が消費者の生活にどんな変化をもたらすのか」 を伝えることです。

消費者は、野菜そのものを買っているのではなく、 「野菜を食べることでもたらされる価値」 を買っているのです。

消費者は「未来」を買っている

高級だろうと、希少品種だろうと、消費者の生活に変化をもたらさなければ、それは自己満足に過ぎません。

極端な話ですが、どんなに素晴らしい拾った石ころを売ろうとしても、誰も買ってくれないでしょう。

「私が拾った石ころは、世界に一つだけの模様です!」

そう言われても、魅力を感じないですよね?

つまり、大切なのは 「消費者がその野菜を通してどんな未来を描けるのか」 という点なのです。

消費者は、商品が自分に必要かどうかを無意識的に判断しています。

「この野菜は、私の人生を豊かにしてくれるのか?」
「この野菜を食べることで、どんな変化があるのか?」

無意識のうちに、こんなことを考えているのです。

これが、野菜を販売する上で、最も重要なポイントです。

消費者は、価格や品質だけで野菜を選んでいるのではありません。 「野菜を食べることでもたらされる価値」 を求めているのです。

ヒット野菜を生み出す「コンセプト」とは?

続いて、「コンセプト」についてお話しましょう。

「どんな野菜を作れば売れるのか?」

多くの生産者が抱える悩みだと思います。

そして、ヒット商品を生み出すには、この「コンセプト」が非常に重要になってきます。

では、どのようにコンセプトを考えればいいのでしょうか?

私の場合、 「市場」 から考えるようにしています。

簡単に言うと、 「その野菜を求めている人がどれだけいるのか」 ということです。

マーケティングの世界では、 「ウォンツ」「ニーズ」という言葉がよく出てきます。

「ウォンツ」とは、消費者の「手段」に対する欲求。「ニーズ」とは、「目的」に対する欲求です。

例えば、消費者が「サラダをたくさん食べたいから、新鮮なレタスが欲しい」と思っているとします。

「新鮮なレタスが欲しい」というのは「ウォンツ」です。 つまり、「サラダをたくさん食べたい」というのがニーズになります。

野菜を販売する際には、この「ニーズ」、つまり消費者の目的を意識することが重要になります。

消費者の「問題」を見つけ出す

では、消費者の「ニーズ」はどのように考えればいいのでしょうか?

答えは、 「消費者が抱えている問題」 を見つけることです。

消費者が野菜を買うのは、何かしらの問題を解決するためです。

お客様が野菜を購入する理由の根底には、問題解決という要素があるのです。毎日同じ野菜は飽きる、栄養バランスが偏る、とかでしょうか。

先ほど、「目的」という話をしました。そして、「目的」を達成するために、「手段」として商品やサービスを選びます。

例えば、「栄養バランスの取れた食事をしたい」という目的を達成するために、「様々な種類の野菜」という手段を選ぶわけです。

つまり消費者は、 何かしらの問題を抱えていて、「それを解決するために野菜を購入する」ということです。

「問題」を見つけるヒント

「問題」と言っても、少し分かりにくいかもしれませんね。

そこで、いくつかポイントをご紹介します。

まず、 「他にその問題を解決している人がいるかどうか」 という点です。

世の中には、すでに解決策が用意されている問題もたくさんあります。

せっかく画期的な野菜を開発しても、すでに同じような野菜が販売されていたり、簡単に栽培できる方法が見つかったら?

例えば、せっかく栄養満点の新しい品種のレタスを作っても、すぐに真似されてしまったり、ライバル農家が現れたりすることもあります。

せっかく時間をかけて開発したのに、すぐに真似されてしまっては意味がありません。

つまり、 「他に解決策を持っている人がいるのかどうか」「市場に需要があるのかどうか」 を事前にリサーチしておく必要があるのです。

例えば、珍しいハーブを栽培したいとします。

ハーブティーや料理にこだわる人は多いので、市場としては魅力的です。

しかし、すでに多くの農家が珍しいハーブを栽培していたり、簡単に栽培できるキットが販売されていたら?

需要と供給のバランスが崩れ、価格競争に巻き込まれてしまうかもしれません。

逆に、 「誰も解決していない問題」 を見つけることができれば、それは大きな武器になります。

消費者が「本当に」求めている問題とは?

もう一つ重要なポイントがあります。

それは、 「消費者が「今すぐ」解決したい問題なのかどうか」 という点です。

簡単に言うと、後回しにしても構わないような問題は、問題とは言えません。

「今すぐ解決したい!」と思えるような問題を見つけ出すことができれば、それは大きなビジネスチャンスに繋がります。

例えば、近年、異常気象による農作物の被害が深刻になっていますよね。

例えば、大干ばつで野菜が全然育たないとき。

「そのせいで野菜が高騰している…」

これは、消費者にとっては「今すぐ解決したい問題」です。

逆に、「いつか素敵な家庭菜園を作りたいな~」というのはどうでしょうか?

もちろん、家庭菜園を作ることは素晴らしいことです。しかし、それは「今すぐ解決しなければならない問題」ではありません。

消費者は、「今すぐ解決したい問題」にお金と時間を使います。

「後回しにしてもいいや」と思えるような問題は、なかなか商品に繋がりにくいのです。

さて、消費者がお金を使うポイントがわかりましたね。

重要なことは、「それを踏まえてどんな野菜のコンセプトにするか」でしょう。

それを考えるうえでの具体的なポイントをさらに考察していきます。

ここからは有料ですが、
この記事を書いた目的は、私と同じ「野菜販売に悩む生産者」の解決の糸口になることです。私が長い時間かけて経験し、学んだことを書いています。問題解決のヒントは提供できると思います。ぜひ読んでみてください!

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ぜひお得に読んでみてください。

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