『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』~ やるべきことは、何よりも"環境"を整えること~

日々の読書に記録を、メモ程度の備忘録として残していきます。

現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全 脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す! / 佐々木 俊尚(著/文)

この本を知ったのはこの記事だったか。
著者の佐々木俊尚は、毎日1000本のネット記事の見出しに目を通して、10本を選び、紹介するという営みを、10年間続けているということについて、素直に凄いと思った。そして、そこまでコミット出来てはいないが、似たようなことをやっている自分として、この本は確実に読んでおくべきだろうという直観があり、手に取った。

そして、実際に読んでみた感想だが、かなりの部分について、同意する内容だった。これまで自分が考えてきたこと、そして我流で創りあげてきたやり方が、そこまで的外れなモノでもないということを確認できたのは大きかった。
そのため、ここからは、読んだ中で、特に興味深かった点を大きく3つの観点に分け、簡単に取り上げてみたい。

①SNSの使い方について

冒頭にも書いた、日々の記事紹介についてだ。それだけ膨大な量を扱うには、RSS・後で読む系のツール・Twitterを駆使するというやり方は、自分も全く同じことをしている。

自分は、週末にまとめて、気になった記事をツイートするやり方を取っているが、基本的には全く同じ考え方で、3~4年ほど、記事紹介を続けている。自分としてもうまく回っている感じはするので、この辺りに課題意識がある方は、参考にしてみると良いだろう。考え方と共に、かなり具体的なツールの利用方法まで説明されているので、分かりやすい。

あえて、本では取り上げていなかったが、自分がやっていることを書いておくと、Googleアラートの活用である。この記事とかに詳しい。
Googleアラートは、自分では辿り着かないような情報にリーチする手法としては有用だと思っている。ただ、情報の質はかなりばらつきが出るので、その点を見極めつつ、試してみると良いだろう。

②本の読み方について

本については、ジャンルにこだわらずに自由に読むことや、電子書籍を最大限活用することなどが記載されているが、こちらについてもかなり同意である。

前にこんな記事を書いたことがあるが、自分も電子書籍をフル活用した自由な本の読み方を日々行っている。(さらに言えば、個人的に、超並列で色んな本を読むというやり方が結構気に入っている。)

ネット記事のような気軽さで、本も読める世の中なので、ぜひこちらも試してみてほしいところである。本の選び方なども丁寧に書かれていて、参考になるだろう。

③そもそも「読むこと」を軸に考える意義について

そもそも、最近の傾向としては、インプットよりもまずはアウトプットすることが大事であり、インプットは二の次だというような風潮があるよう感じている。インプットとアウトプットは有機的に結びついているものだと思うので、「鶏が先か、卵が先か」という話だと捉えているが、それでも、インプット側から、物事を見ることは、若干軽視されているように感じている。そういった意味で、この本の視点は意義深いものではないだろうか。

「おわりに」の冒頭の一節を引用する。

「学び」というものの本質は、さまざまな知識を自分の頭の中で、「統合」していくこと

まさしくだと思う。
効率が重視される世の中において、社会の側からも、個人の側からも、必要十分な知識を身に着けることが求められている気がしているのだが、それは「学び」とは違うものだろう。
その必要性は全く否定しないし、目の前の課題を片付けていくためには重要なものに違いない。しかし、AIなどのテクノロジーが確実に発展していく今後を考えた時に、何が重要なものとして残り続けるかといえば、ここでいう「学び」ではないだろうか。

本の中でも触れられているように、人間の無意識を活用しつつ、人にしか見いだせない、非論理的な道筋を切り拓くこと
それこそが、この「学び」が生み出す、大いなる可能性であると、そう考える。

最後に

この本は確かに「読む力」に関しての本ではあるのだが、改めて全体を振り返ってみると、違った視点が見えてくる気がする。
それは、「環境を整えること」の重要性だ。
我々は日々、膨大な情報量と接しているわけで、そこに丸腰で立ち向かっても、勝ち目はない。この本に書かれているような、本質的な考え方をもとに、多様なツールをフル活用することが重要だ。つまり、環境を整えること。ここでいう環境とは仕組み含む。
実感をもって感じているが、自分も色んな情報に触れる仕組みを考え、環境を整えることで、ようやく物事が前に進んできたし、日々を積み重ねられている感覚が得られている。我々の意思の力など大したものではない。意思に頼るのではなく、環境を整えること。そうすれば、自然と、読む力も身に付いてくるのかもしれない。

はっきり言って、即効性があるやり方・考え方ではないと思う。時間はかかる。しかし、本質的なものであると確信している。ただ、3~4年、色々な知識を積み重ねてきて、最近ようやく「学び」に繋がってきている気がしている。時間をかけて、腰を据えて取り組む。それだけの価値がある内容だと思っているし、それを実践の中から証明するために、日々膨大な情報量に抗っていきたい

参考

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