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渋沢栄一|『論語と算盤』から、明日の仕事に活かせる言葉5選

今年の大河ドラマ『青天を衝け』が始まりましたね。

吉沢亮さん演じる渋沢栄一さんは「実業界の父」と言われており、500社程の設立に関わっています。JRだったり、サッポロビールだったりみずほ銀行だったり日経新聞だったり・・・思いの外私たちの生活に影響を与えている方なのです・・・!

個人的には、自分が通っていた大学の設立にも関わっていることから、存じ上げてはいたものの(大学の中に銅像があった気がする)、『論語と算盤』を手に取ったのは社会人になってからです。
いろいろな会社の経営者の方が、座右の書としてあげているのが印象的で、それをきっかけに手に取りました。

『論語』のような春秋時代(紀元前771年 - 紀元前5世紀頃・・・今から2500年以上前?)からある道徳や考え方を、日本の資本主義の父である渋沢栄一さんなりに解釈して伝えてくれている本書、2020年代であっても色あせない、むしろ普遍的な考え方が満載です。
(時の洗礼を経て残っているものは本質的。なので、古典は好きです。)

『現代語訳 論語と算盤』は1916年(100年以上前!)に出版された本の現代語訳版で、厳密には渋沢栄一さんが講演で述べていたことをまとめた書籍となっています。

この記事では僕自身繰り返し読んでいる本書から、明日から仕事で使える、あるいは行動が変わるかもしれない考え方を独断で抜粋してみます。

ちなみにWikipediaとか読むとわかりますが、論語と算盤、みたいな堅いこと言っているのに結構チャラい人間味のあるところも個人的には好きです。笑

以下では、全部で10章構成になっている『論語と算盤』のいくつかの章からピックアップしていきます!

処世と信条

わたしは社会に生きていく方針として、今日まで「忠恕(ちゅうじょ)」ーー良心的で思いやりある姿勢を一貫するという考え方で通してきた。
(中略)
何事も誠実さを基準とする。
(中略)
得意なときだからといって気持ちを緩めず、失意のときだからといって落胆せず、いつも同じ心構えで、道理を守り続けるよう心掛けていくことが大切である。

毎日の生活におけるスタンスとして、真似したいなと思う一節でしたので最初にあげました。
社会人生活をする中でこういう方がいたらリスペクト対象ですし、自身の理想像でもあります。

また、進むばかりではなく、身の丈を守る・満足する時も大事、といったことも述べています。

人格と修養

自分を磨くのは、理屈ではない。「修養」ーー自分を磨くことは、どこまで続ければよいのかというと、これには際限がない。ただし、このときに気をつけなければならないのは、頭でっかちになってしまうことだ。自分を磨くことは理屈ではなく、実際に行うべきこと。
(中略)
現実だけ知っていても十分とはいえないし、かといって学問の理論だけ身につけていても社会に打って出ることはできない。この両者がよく調和して一つになるときこそ、国でいえば文明が開けて発展できるし、人でいえば完全な人格を備えたものとなるのだ。

この一節が個人的には非常に好きで。笑

つべこべ言わずに実践を求める前半もそうですが、後半の「現実と学問との調和」に関する記載の部分はまさにそうだなと考えており、僕自身、社会人経験を経た上でいつか大学に戻って学びたいと考えているのですが、その根底にある理由がここにあります。

。。。

同じ人格と修養の章からもう一つ。

「人の一生は、重い荷物を背負って、遠い道のりを歩んでいくようなもの、急いではならない。不自由なのが当たり前だと思っていれば、足りないことなどない。心に欲望が芽生えたなら、自分が苦しんでいた時を思い出すことだ。耐え忍ぶことこそ、無事に長らえるための基本、怒りは自分にとって敵だと思わなければならない。
勝つことばかり知っていて、うまく負けることを知らなければ、そのマイナス面はやがて自分の身に及ぶ。自分を責めて、他人を責めるな。足りない方が、やりすぎよりまだましなのだ。

これは徳川家康の遺訓の一つとして紹介されています。(青天を衝けの第1話でも出てきましたね。)
これは本書の中で、元は論語の名言からきていると解説をされています。

これは期待水準の設定の仕方とも言い換えられますが、実践しようと思うと中々難しいはずです。自分の感情のコントロールが求められるからです。
本書の中では「理想の人物や立派な人物は、感情が動くときにさえ、ケジメがあるものだ」という表現も出てきます。
一歩ずつ、一歩ずつ。

「自分を責めて、他人を責めるな」あたりは、自責・他責といった言葉で最近よく耳しますよね。

実業と士業

一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきだ。

シンプルですが、成されたことを鑑みると、渋沢栄一さんのベースになっている考え方と思われます。
この視座の高さ、持ち続けて生きていたいものですし、そうした仕事の方が個人的にはモチベーションが上がります。

立志と学問

人間はいかに人格が円満でも、どこかに角がなければならない。古い歌にもあるように、あまり円いとかえって転びやすくなるのだ。

これは正しい道に立っている限りは時には悪と争うことも重要ということを述べています。争いまで過激にならずとも、「これだけは譲れない」というところを持ち合わせておくことをお勧めしています。それは、そうあることが生きがいのある人生になるからです。
誠実さや思いやりをベースにしつつも、自分のスタンスを持つという大切さを感じます。


いかがでしたでしょうか。
紹介した部分以外にも現代人にとって気づきを与える至言が数多く詰まっていると思います。論語から考えると2500年以上前からの贈り物、気になったらぜひ本を手に取ってみてください。  


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