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2023/3/20週|『マッキンゼー 経営の本質』を読んだ

マービン・バウワーはあのマッキンゼーの発展の土台を築いた方です。
今日はその方の書いた『マッキンゼー 経営の本質 意思と仕組み』を読んだので感じたこと含めてメモしておきます。
原著は1966年に刊行されているとのことなので50年以上前になるのですが、経営に携わるものが心に留めておく原理原則は変わらないのだなということを理解させてくれる名著だと思いました。

(kindle版がない…ので久々に書籍を買いました。この記事を書いている段階であと10冊!笑)

本書の要点についてはこちらのサイトこちらのサイト、さらにはこちらのサイトによくまとまっていたので引用させてもらいます。

『マッキンゼー 経営の本質』の要点

◆意思あるところに道あり
経営とは、組織の目標を定め、人材を始めとする資源をその目標達成へと導いていくこと。
事業の経営をする立場にある人は、経営に向き合う決意(経営の意思)を持ち、効率的な経営の仕組みを整えようとする(一貫性のある経営システム)、その結果が事業の成功へ結びつく。

◆経営理念とは
経営理念とは、経営プロセスを支える指針である。
競争を生き抜き成功を収めるためには、どんな企業も、あらゆる方針や行動の前提として確固たる信条を持たなければならない。成功を導く最も大切な要素を1つ挙げるならば、この信条を誠実に守ることである。

◆経営理念を浸透させる
経営理念をより強固にするために上に立つ人が実践や指導すべきこと
①経営幹部が理念を絶えず強調し、現実に直面している問題を経営理念に照らして考える。
②どんな行動が会社の心信条に一致しどんな行動は反するのかを部下に教える。

◆戦略計画とは
戦略計画とは、企業の持つ下記2点を踏まえて経営資源(人材・資材・資金・経営力)を展開して、競争環境で目的・目標を達成するための技術
①戦略計画には戦略そのものの立案だけでなく目標の設定が含まれる
②企業の成功は売上高・販売量・シェア、投資利益率、優れた経営の継続性の3つの基準で測る。

◆戦略計画を立てる
戦略計画とは、組織が採るべき方向についての「考え方」である。
戦略計画の最も系統的で望ましい手順
①戦略計画の責任者の特定(戦略計画の責任者はだれか)
②戦略計画を事業単位と会社全体の2つのレベルに分ける
③事業領域を明確に定義し、到達目標を定める
④各事業について市場・利益・人材の3つの戦略を立てる

◆経営幹部に責任を持たせるために必要なもの
①権限委譲
権限委譲の第一歩は責任と権限を明確に定義すること。
②業績評価
評価プログラムを厳格に運用して、人事に関する決定や能力開発に役立てるべきである。
③コーチング
部下の仕事ぶりに対する評価や、改善点を率直に評価できる上司が感謝され尊敬される。

経営コンサルチームの読書共有会を実施しました! より

経営システムを構成する基本的な経営プロセス
1.はじめに
どんな業種、どんな規模の会社も、次の 14 のプロセスから経営システムを組み立てることができる。

2.経営プロセスとは
(1)経営理念を打ち出す
信念、価値観、会社としての姿勢など骨太な、しっかりした方向性を確立する。こうしたものを「我々のやり方」として定着させていく。
(2)経営目標を設定する
会社全体または事業部が何をするのかを決め、その事業で目指すものを定める。経営目標は、時代や流行に左右されない不変の価値を持つものが望ましい。
(3)到達目標を設定する
経営目標という大きな目標に対して、期限あるいは範囲を狭めた具体的な数値目標を定め
る。この到達目標を達成するために、戦略を立て計画を立案する。
(4)戦略を立案する
経営目標を達成し競争に打ち勝つためのアイデアを練り、計画を立てる。戦略立案は計画立案プロセスの一部であり、このプロセスにはほかに中期的な事業計画、単年度の業務計画が含まれる。
(5)行動方針を定める
経営理念の下で戦略を実行する時に、あらゆるレベルの具体的な行動指針となるべきものを定める。
(6)基準を設定する
経営目標の達成に向けて参照すべき業務基準や評価基準を設定する。
(7)手順を定める
重要な仕事や反復的な作業をどう進めるかについて決まりをつくる。
(8)組織計画を立てる
組織の設計図を引く。経営理念の下で戦略、方針に従って行動する時に、社員の力を一つにする役割を果たすのが組織である。
(9)人材を配置する
人材を募集・選抜・養成し、組織図に用意されたポストを満たす。この時、幹部候補を適切な比率で確保する。
(10)事業計画・業務計画を練る
経営資源の配分や業務の進め方に関する計画を策定する。事業計画・業務計画は到達目標の達成を目指し、定められた戦略の下で行動方針・基準・手順に従って実行する。事業計画・業務計画の立案は、戦略計画から始まる一連の計画立案プロセスの一環である。
(11)施設設備を用意する
事業の遂行に必要な工場、設備などの施設を用意する。
(12)資金を手配する
施設の建設や運転資金に必要な資金を手配する。
(13)社員に情報を提供する
社員に事実や具体的な数値などの情報を提供する。こうした情報があれば戦略も行動方針も遂行しやすい。また事業環境に働く外部要因の予測や業績評価にも役立つ。
(14)社員に行動を促す
計画の実行局面で、経営理念に従い方針・基準・手順に基づいた行動を促す。

3.おわりに
(1)14 のプロセスを自社に合わせた経営システムとしてまとめ上げるのが、CEO を筆頭とする経営幹部の仕事である。
(2)そして経営システムを浸透させ、守り、守らせるのは業務面の仕事であり、上は CEO から下は現場主任まであらゆるマネージャーがしなければならない。
(3)これが経営の基本である。

書き抜き読書ノート 219 より

競争に長けた経営者の特徴は?
・時間を無駄にせず、素早く行動する。時間を最も貴重な経営資源と捉える。
・情熱的である。部下よりも熱心で手際がいい。
・迷いがない。事実を集めたらズバッと決断する。
・機会を逃さず活用する。短所を直す事より長所を伸ばす。
・問題を探し出して直面する。時間が経つほど問題対処は困難
・人事をめぐる困難な決断にも尻込みをしない。
・シェアを拡大し利益を上げる事に全力投球する。

マッキンゼー経営の本質その2「経営理念」

焦りを感じます。。

コンサルタントとして様々な企業に向き合ってきたマービン・バウワーだからこそ共通化できる視点:経営システムのプロセスや、競争に長けた経営者の特徴も興味深く、参考にしたいところですが、何より至る所で言及されている、「会社を経営する意思を持つこと」という心構えの部分が個人的には最もグサッときました。オーナーシップの表明だったり、コミットメントだったり。
ここ1年くらいは経営システムの14のプロセスを断片的に体現してきていると感じられる部分もありつつ、もっともっともっと目の色を変えないと、、という焦りを読みながら感じた次第です。

事業を経営しようという意思を幹部が持つことで、次には効率的な経営の仕組み(= 社員全員が会社の目標達成に貢献し成功を実現できる仕組み)を整えようとする、その結果として中長期的に社会的価値を発揮できる可能性を高める、、というメカニズムの理解が深まりました。意思が全ての起点です。
行動の具体としては、「経営システム」と呼ばれる14のプロセスから構成されるシステムの構築が経営に携わるものの仕事、と。

「我々は事業が拡大するがままに任せるのではなく、会社の成長を自らの手で統制しようと決意した」(急成長中のグローバル企業の新任CEO)

P.12より

手元に置いて何度も読み返していく本になりそうです。

お読みいただきありがとうございました。

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
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