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2024/1/1週|しかし、それもまたよし。 by 松下幸之助

本にも "読み時” と言うものがあると思います。
学生時代に松下幸之助さんの『道をひらく』などを読んだことがあるのですが、今思うと当時は、文字では理解できても肌で感じられない状態だったのだと思います。

この年末年始、松下幸之助さん関連の本を5冊ほどまとめ読みしたのですが、学生時代と比べると時が経ち、フェーズや置かれている位置などの変化に伴う中での今回の読書体験は、、金言の数々が心に沁みました、、😂

響いた言葉

まず、それら 4 - 5冊の中から、個人的に響いた一節をいくつかご紹介したいと思います。(読んだ本のリンクは下部にて)

絶対に必要なのは熱意である。社員が百人いて皆が熱心だとしても、社長は熱意にかけては最高でなければならない。
だからいちばん熱心にやる。そうすると部下が熱心にやっている社長の姿を見て、なんとかわれわれもやってあげないといかんというて、期せずして皆がよく働くようになる。若い経営者はそれで成功すると思います。
成功を信じて、自分が先頭に立って率先垂範してやる。
熱意のない者が最高の地位にいたらあかん、ということを思っています。

社長になる人に知っておいてほしいこと より

永遠であるものはない:
企業に限らず、いっさいのものには寿命がある。今と同一の形態で永遠性を保つことはまずできない。そう考えておいたほうがいいのではないか。
「松下さん、それは寿命ですよ。すべてのものに寿命がある。それがお釈迦様の説かれた諸行無常ということです。だから、禅宗といえども、時が来れば消滅するのです」

社長になる人に知っておいてほしいこと より

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。 坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、 思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、 所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、 懸命 に歩まねばならぬ。
 それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。

道をひらく より

中庸であること:
過当はいけない。中庸こそが真理であり、真髄である。中庸とは、いうならば道のまん中を走ること。それを保っていくことは、むずかしい。ほうっておくと、人間は行きすぎてしまう。

人生と仕事について知っておいてほしいこと より

人間というものは、中庸を保っていくということが非常にむずかしいから、中庸という言葉ができたわけや。人間は、ほうっておけば、振幅が大きくて、行きすぎたことばかりやっておる。そやから、要するに三尺の振幅を一尺に縮めるということが中庸やな、早くいえば。

人生と仕事について知っておいてほしいこと より

誠意と熱意と信念はあるか:
文句を言われるのは、やはりどこかに文句を言われるだけの理由がある。その厳しい得意先をも満足させるだけの、誠意と熱意と信念がほしい。
いろいろ文句を言われるのは、やはりどこかに文句を言われるだけの理由がある。むずかしいお得意、厳しいお得意、そういうお得意をもっているメーカーは、仕事が困難のように見えますけれども、なおかつそれを辛抱して、その人たちをさらに満足せしめる努力をしていったならば、こっちの腕が、こっちの考えが非常に進歩いたしまして、ぐんぐんと力が伸びていくのです。

人生と仕事について知っておいてほしいこと より

礼儀をわきまえつつ言うべきことを言っているか:
礼儀を失わず、相手を尊重した誠意をもって、言うべきことを言う。そうした仕事のできる会社こそ、常に新しく、常に溌剌とした会社であり、望ましい会社といえるのではないか。

人生と仕事について知っておいてほしいこと より

プロとして一人前の仕事をしているか:
技術はまだ力及ばぬところがあるかもしれないが、プロとして最善の努力をはらわなければいけない。その責任の自覚なくして、安閑としているのは許されないことである。
しかし看板をかけてやっている以上は、月に一台やなくして何百台、何万台つくらないといかん。それが下手やったら、非常に影響する。多くの人に迷惑を与えるわけである。
プロの立場にある者の、責任の自覚というものがなければ、きわめて多くの実害を社会に流すことになる。これは許されないことだと思うんですね。そのことをみずから自覚しない、会社みずから自覚しない、社員またみずから自覚しないというような、べらぼうなことはないと、私は思うんです。  それを自覚しないようになったら、たいへんな偽りである。だからこの点は皆さんもよく考えて、自分は今、玄人として立っているんだと、こういうように考えねばならんですね。

人生と仕事について知っておいてほしいこと より

正月だけがめでたいのではない。心があらたまったとき、それはいつでもおめでたい。
毎朝、心があらたまれば、毎日がお正月。あらたまった心には、すべてのものが新しく、すべてのものがおめでたい。

道をひらく より

私たちは、もう少しあいさつの大切さを考えてみたい。〝ゆうべは寒かったですね〟という、おたがいにいたわりあう気持ちから出たこのあいさつで、あるいは〝毎度お世話になっております〟というこの感謝の気持ちから出たあいさつで、おたがいの用件にはいる。仕事がスムーズに動き出す。だれが考え出したのでもない。私たちの遠い祖先から伝わってきたこのあいさつというものは、いわばおたがいの毎日の暮らしの 潤滑油とでもいった尊い働きを果たしているのである。〝お寒うございます〟と言ったところで暖かくなるわけではなし、というのは落語の中の話だけにしたいものである。 あいさつにもいろいろとあろうが、要は、私たちはもっと、あいさつというものを大切にしたい。明るく朗らかに、あいさつをかわしあうことを心がけたいものである。

道をひらく より

一陽来復:
ひろい世の中、長い人生、いつも心楽しいことばかりではない。何の苦労もなく何の心配もなく、ただ凡々と泰平を楽しめれば、これはこれでまことに結構なことであるけれど、なかなかそうは事が運ばない。ときには悲嘆にくれ、絶体絶命、思案にあまる窮境に立つこともしばしばあるであろう。
しかし、それもまたよし。
悲嘆のなかから、人ははじめて人生の深さを知り、窮境に立って、はじめて世間の味わいを学びとることができるの
である。 頭で知ることも大事だが、身をもって知るということが何よりも大事。塩の辛さはなめてみてはじめてわかる。知るということにも、いろいろあるのである。
窮境に立つということは、身をもって知る尊いチャンスではあるまいか。得難い体得の機会ではあるまいか。そう考えれば、苦しいなかにも勇気が出る。元気が出る。思い直した心のなかに新しい知恵がわいて出る。そして、禍いを転じて福となす、つまり一陽来復、暗雲に一すじの陽がさしこんで、再び春を迎える力強い再出発への道がひらけてくると思うのである。

道をひらく より

幸之助が心がけたことのひとつに、「衆知を集める」ということがあります。衆知を集めるとは、多くの人に考えてもらい、その結果出てきた知恵を活かすということです。それにより、自由に意見を出しやすい環境ができます。
だから大切なのはかたちではなく、経営者の心がまえである。つまり、衆知を集めて経営をしていくことの大切さを知って、日ごろからつとめて皆の声を聞き、また社員が自由にものを言いやすい空気をつくっておくということである。そういうことが日常的にできていれば、事にあたって経営者が一人で判断しても、その判断の中にはすでに衆知が生きているといえよう。

運命をひらく 生き方上手<松下幸之助>の教え より

松下電器は、人を作る会社です。あわせて、電気器具も作っております」

運命をひらく 生き方上手<松下幸之助>の教え より

なぜ、何が刺さったのかについての個人メモ

2024年になったタイミングで個人的に共鳴度が高かった理由をメモ程度に残しておきます。

❶状況や課題直面:
学生時代に比べるとではありますが、社会人として10年以上生活していく中で、相対的に「そういうシーン・課題あるよね」と思う機会や、求められる役割の変化があり、テキストとして理解するというよりは実践の場で活かせそうな学びが多いため。

❷実行性の相性の良さ:
読んでいて思うのは松下幸之助さんのスタンス(熱意 / 中庸を求める / 衆知を集める / 人を作る会社)は、自身のパーソナリティや志向性からして真似しやすいものであり、自身の仕事でアクションに落とし込めそうな、あるいは改善が必要そうな部分についてのヒントが多数転がっていたため。

❸「xx、またよし」というマインド:
「それもまたよし」「心配またよし」とポジティブに、学び・理解・経験の機会に捉え直すマインドセットは使い勝手含めてとても素敵なフレーズでしたため。そう言うものを乗り越えてこそ人生を生きる意味がある、と。


これから折に触れて読み返す書たちになりそうです。
今回引用させてもらった書籍は下記からになります。

参考文献

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
タイミーは、すぐに働けてすぐにお金がもらえるスキマバイトアプリです。

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