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2024/1/15週|成長企業が直面する7つの課題と感じたことのmemo

成長企業が直面する課題やその際の注意点に関する教訓をまとめた記事をいくつか読みました。
その中の一つを紹介しつつ、感じたことをメモします。

成長企業が直面する7つの課題

上記記事から引用、要約させていただくと下記のような内容になります。


  1. 初期従業員の不満:

    • 問題:

      • 成長に伴い初期の従業員が不満を示す可能性がある。

    • 避ける方法:

      • チーム文化の変化に注意し、文化にとって重要な要素を明確にする。また、これまでと同じレベルの透明性とコミュニケーションを保つよう努力する。

    • 解決方法:

      • 透明性とコミュニケーションを維持しつつ、好みに応じて初期の従業員が異動する時期であることも理解する。

  2. ツールが古くなる:

    • 問題:

      • 初期のツールが不十分になり、問題が発生。

    • 避ける方法:

      • 事業拡大前に技術スタックを見直し、必要に応じてアップグレードまたは切り替えをする。

    • 解決方法:

      • ツールの監査と、必要な変更や追加を行う。

  3. 採用が急すぎる:

    • 問題:

      • 予算確保後に急な採用が生じ、生産性低下やチーム文化の悪化が発生。

    • 避ける方法:

      • 急激な雇用拡大を避け、新入社員を慎重に検証する。

    • 解決方法:

      • 急な採用が問題を引き起こした場合、共感をもって透明性を保ち、決断を先延ばしにせず、必要な調整を行う。

  4. 予算が2倍になるが成果は上がっていない:

    • 問題:

      • チームを倍増したのに、なぜ成果が倍増しないのか?支出を倍にしたのに、なぜ顧客が増えないのか?

    • 避ける方法:

      • ゆっくりと規模を拡大する。徐々に改善と投資を行い、ビジネスの中核となる財務指標を常に把握する。

    • 解決方法:

      • 何が間違っているのか、ゆっくり考えてみよう。生産性は落ちていないか?現金を使いすぎていないか?間違った人材を雇ったのか?それとも楽観的すぎたのか?

  5. 実際の仕事ではなく、調整に時間をかけすぎている:

    • 問題:

      • 人を雇えば、自分の時間が自由になるはずだろう?最終的にはそうだが...たいていは最初はそうではない。(新入社員の受け入れは、どんなビジネスにとっても最も時間のかかる作業のひとつ)

    • 避ける方法:

      • これは慎重に成長することで回避できる事業成長の問題。徐々に雇用を増やすことで、あなたとあなたのチームは、新しいチームメンバーを受け入れるための時間とエネルギーを確保することができます。

    • 解決方法:

      • もしあなたやあなたの会社の経営陣が、「本当の仕事」に集中する代わりに、人を管理することに一分一秒を費やしているとしたら、そのプロセスを見直してみよう。どこに非効率性があるかを特定し、戦略、リーダーシップ・チーム、ビジネス・ツールのどこを変える必要があるかを理解する。何に時間を浪費していますか?

  6. 各部門の足並みが乱れつつある:

    • 問題:

      • かつてはテーブルを囲んで一緒に座っていたが、今ではチームが増えた。営業チームはそれぞれのミーティングを持ち、マーケティング担当者はチーム内で話し合っている。そして、データのサイロ化が始まっている。

    • 避ける方法:

      • ビジネスを成功させるには、優れたコミュニケーションとコラボレーションが必要です。各部門を緊密に連携させ、部門の数字だけでなく、ビジネス全体の目標に対する個人の説明責任を維持し、ツールの透明な同期化を図る。

    • 解決方法:

      • アラインメントを高めることによって、アラインメントの取れていないチームを解決するのだ。つまり、顔を合わせる時間を増やし、コラボレーティブな技術ツールを使い、部門横断プロジェクトを行う。また、サイロ化を解消するために、データを同期させる。

  7. 連絡先管理が面倒になってきた:

    • 問題:

      • ビジネスで以前より多くのアプリを使うようになったため、データベース内の連絡先の数がどんどん増えている。しかも、整理されているとは言い難い。

    • 避ける方法:

      • 連絡先管理の混乱を防ぎ、解決する最も効果的な方法は、双方向データ同期ツールを使うことだ。これを設定することで、ツール間で同期された正確なデータとセグメンテーションで、すべての適切なアプリ間で連絡先を素早く揃えることができる。

    • 解決方法:

      • 双方向同期を導入し、連絡先管理に秩序を取り戻すのに遅すぎるということはありません。また、これを機会に連絡先を一掃し、リードと顧客をより明確に把握することもできます。


加えて、上記記事の中で最も示唆に富むと感じた一説は下記です。

スタンフォード大学工学部の組織行動専門家、ボブ・サットンは、First Round Reviewのインタビューの中で、「スケーリングとは、より多くではなく、より少なくすることであることが多い」と語っている。
"スケーリング "というのは、実は "縮小 "の問題なんだ...。以前はうまくいっていたことでも、今はうまくいかないことがたくさんある。あなたがいつもやっていることの中には、気づかないうちにあなたのスピードを遅くしているものがたくさんあるでしょう。」

https://blog.hubspot.com/marketing/7-challenges-for-growing-businesses-and-how-to-fix-them 

感じたことのメモ

あるあるすぎる…

まず感じたのがこちらです。😅
こちらHubSpotさんの記事なので7などはそちらに関連する課題という印象ですが、そこ含め多かれ少なかれ「あるある。。。」と思うような課題の指摘と回避方法、解決方法の提示と感じます。

急速に拡大する中では目の前の仕事に集中していると上記のようなことになっているのに気付くのが一歩遅れたりすることもあります。その意味でこの7つを頭の片隅に留めておくことには価値があるように思われます。

スケール(成長)する過程で増える複雑性の想定、の重要性

成長していくと、人も組織の数もお客様も増えていくことになりますが、ここで起こることに対する準備については、個人的にも反省の経験がありますし、初めてのケースだと事前に中々想定できないことも多いと思います。

動的に移ろいいく状態を想定するのはそれなりの難易度ではありますが、組織に関して責任ある立場であるほど、何かが起きることを想定するべきですよね。

やや抽象的な話にはなりますが、過去経験してきたもので、その状態が現実になって初めて認識したような "しくじり例" としては、、

- これまでの成功方法が成功方法でなくなった、にもかかわらずそのまま続けている(疑われないルーティンの増加)
- 認知的負荷が大きくなることの想定と対処に遅れをとる(初期のスーパーマン神話に囚われる)
- データのサイロ化(組織の単位で同じようなデータを作り出し見ている)
- 採用が進みすぎて一人一人の領域が手狭に感じ出す(業務領域の時間軸的な広がりと採用人材のケイパビリティの読み間違え)
などなど、、です。

対処の準備、特に引き算やシンプルさを持ち込む勇気、の重要性

当然上記のようなものを見据えた上で、対処していくことは大事なのですが、対処の方針を考えるときに、まず引き算を考えるべきというのが上記でボブ・サットン氏によっても指摘されていますが、これは "スケール" という言葉から連想されるプラス方向の話ではなく、まずマイナス方向に考えていくというのが興味深い観点です。
これは、簡単に言ってしまえば見直す勇気を持とうということになりますでしょう。

組織を分ける功罪と俯瞰した調整、の必要性

スケールの過程で生じる上記のような課題、あるいはしくじりが「あるある、、」と感じるということは、合理的に考えて正しく意思決定しているゆえとも思います。
特に、上記であげたしくじりのいくつかは、「組織を機能で分化させること」に起因するように感じられます。

と言うのは、当然スケールする中で一人で何でもかんでもやるのは難しいので担当する領域を決めます(例えばマーケティング)。分業制の最たる利点は領域を絞ることでその専門性を高めることで生産性を向上させたりアウトプットを高度化させることです。
これ自体は合理性のある決定だと思うのですが、プラスの側面もある中で、上述の例のようなサイロ化が進行し、全体感が失われた状況が生まれがちです。

この時、こうした構造を、さらに俯瞰した立場から、しかもそれなりの解像度を持って(両立がとても難しい話と思う)調整していく役回りが求められると考えます。

ちなみに解像度の担保のためには状況をsyncするための適切な報告・レポーティングですが、これも意外に何をどこまで伝えるか、は属人的なケースが多いように思われます。

調整していく役回り(主に組織においてより上位のroleを担っている)の方は、上記の理解を持って、課題を設定したり、構造を見直すための意思決定をしていくことが求められるのでしょう。。

今週はこの辺りで、、
お読みいただきありがとうございました🙇‍♂️

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
タイミーは、すぐに働けてすぐにお金がもらえるスキマバイトアプリです。

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