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2023/6/5週|情熱は、無条件だ。

今週は1日有給をいただいて、少し、考え事をしておりました。

・始まった頃(ピータードラッカーが本を出した1970年代)と今を比べた時の、マーケティング活動の意義と限界?について
・人生目標へのHOWはあってもWHATとWHYが明確でない気がする話
・大義とは...

などなどなど。。

諸々含め、今後の人生の方針(の種)を考えつつ...必ずしもポジティブな側面からだけではないけれども、そこも含めて普段目の前のことに夢中であたっている自分を少し俯瞰して見ることのできた時間になりました。

。。。

その際に何冊か本を再読しながら考えていたのですが、『自分の中に毒を持て』もその中に含まれていました。

Amazonに記載のある紹介文は下記です。

みんなどうしても、安全な道の方を採りたがるものだけれど、それがだめなんだ。人間、自分を大切にして、安全を望むんだったら、何も出来なくなってしまう。計算づくでない人生を体験することだ。誰もが計算づくで、自分の人生を生きている。
たとえば美術家でいえば、美術家というのは、人に好かれる絵を描かなければならない。時代に合わした絵で認められないと、食ってはいけない。生活ができない。だけど、ぼくはまったく逆のことをやって生きてきた。ほんとうに自分を貫くために、人に好かれない絵を描き、発言し続けてきた。
1度でいいから思い切って、ぼくと同じにだめになる方、マイナスの方の道を選ぼう、と決意してみるといい。そうすれば、必ず自分自身がワァーッともり上がってくるにちがいない。それが生きるパッションなんだ。

自分の中に毒を持て 「BOOK」データベースより

初めて読んだのは大学3年か4年の頃だったと思います。今も年に1度くらいは会う大学同期(東海地方に住んでいるのでお互いタイミングが合うときにしか会えないのだ)に、大学の生協でだらだらと話しているときに勧めてもらったのを鮮明に覚えています。
(余談ですが、あのだらだらとした時間の使い方はなんとも贅沢で、心地良いものでしたね。)

読んだ感想は "複雑" だったと記憶しています。笑
「他人と同じに生きてると自己嫌悪に陥るだけ」というのは、2年浪人して大学に入り、やや少数派の道を歩み始めていた自分の背中を後押ししてくれているような感覚もありましたし、他方で、岡本太郎さんほどのパッションに溢れた選択は自分はできないだろうな、という乗っかりたいけどそこまで尖れないだろうなという感想も持っていました。

その後社会人になり、まれに手にとって読み返すことを続けてきていたわけですが、今回目を通して思ったのはまた違う感想でした。

それは、少なくとも学生の頃に感じていた以上には人生の選択に影響を受けている実感が湧いてきたことです。

例えば惰性的に生きずに「危険な道」を選ぶことを主張していますが、彼自身がそう思い至るにあたった下記の一説。
程度の差はあれ、新卒入社した1社目からスタートアップという場所に身を投じるようになった2016年頃の決断が自分としては重なり、無意識に影響を受けていることを感じます。

ぼくが危険な道を運命として選び、賭ける決意をはっきり自覚したのは二十五歳のときだった。パリで生活していた頃 だ。
それまで、ぼくでもやっぱり迷いつづけていた。自分はいったい何なのか、生きるということはどういうことか。 その時分、成功することが人生の目的であり、メリットであるように誰でもが思っていたし、そう教育された。だがそんなことに少しも価値があるとは思わない。といって失敗は当然また己を失う。(中略)

絵描きは絵の技術だけ、腕をみがけばいいという一般的な考え方には、ぼくはどうしても納得できなかったのだ。 しかしそれは極めて危険な問いだ。芸術ばかりではない。他の部門のあらゆる専門家、さまざまの企業内の社員でもみんなそうだと思うのだが、この道一筋、ただ自分の職能だけに精進すれば尊敬もされる、報われもする。
それを根本的に疑ったり、捨ててしまえば生きてはいけない。食ってもいけないということになる。与えられた枠からはみ出して、いわば無目的的に自分をひろげていくとすれば、その先は真暗な未知、最も危険な状況に落ち込むことを覚悟しなければならない。

それは極端に言えば死を意味する。

あれか、これか。
しかし、社会の分業化された狭いシステムの中に自分をとじ込め、安全に、間違いない生き方をすることがほんとうであるのかどうか、若いぼくの心につきつけられた強烈な疑問だった。(中略)

「危険な道をとる」
どうしてそのときそんなことを考えたのか、今はもう覚えていない。ただ、このときにこそ己に決断を下すのだ。戦慄が身体の中を通り抜ける。この瞬間に、自分自身になるのだ、なるべきだ、ぐっと総身に力を入れた。
いのちを投げ出す気持ちで、自らに誓った。
死に対面する以外の生はないのだ。その他の空しい条件は切り捨てよう。 そして、運命を爆発させるのだ。

自分の中に毒を持て

特に2社目がタクシー業界だったインパクトもあるのか😅、
「一見、常識人っぽいけど、その実かなりぶっ飛んでいるよね」
といった内容のことを付き合いの長い友人から言われるのですが、上記に照らすと褒め言葉として受け取れるかなと思っています。笑

もう一つ、『自分の中に毒を持て』の中の下記の一節も自分の体験と重ねることができるようになったのも変化でした。

安易な生き方をしたいときは、そんな自分を敵だと思って闘うんだ。たとえ、結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分は筋を貫いたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。人生というのはそういうきびしさをもって生きるからこそ面白いんだ。

自分の中に毒を持て

上記の「結果はともかくプロセスに全力を尽くすことの爽やかさ」に近いことを下記で書いていたことを思い出しました。

そして、冒頭に書いた今後の人生の方針(の種)についてもヒントをくれるような機会となりました。

まとめると、、、
大学生の頃に出会えてよかったオススメの一冊です!

お読みいただきありがとうございました。

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
タイミーは、すぐに働けてすぐにお金がもらえるスキマバイトアプリです。


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