世界に誇れるヒミツの技術 | 東海テクノ株式会社インタビュー
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そんな熱い想いのもと、工場を一般開放し、見学や体験を行うイベント「ファクハク」がいよいよ開催されます。
今回はファクハクで開く工場の一つ、東海テクノ株式会社にお邪魔しました。
同社は巨大なタンクと大型の産業用機械の製作を得意とする歴史の長い工場です。
11月に開催されるイベントを前に、会社に参加を提案したSNS広報〈いしかわ〉さんと、それを快諾した望月社長にファクハクへの想いを伺いました。
またご厚意で、取締役の栗山さんに工場内を案内していただきました。
「東海テクノ」と検索すると
いしかわさん:
お手元のスマートフォンで「東海テクノ」と調べてみてください。検索候補に「駐車場」って出てきませんか?
弊社のすぐ近くには、プロサッカーチーム清水エスパルスのホームスタジアムがあり、試合当日には弊社の敷地を駐車場としてサポーターの方々にご利用いただいているんです。
なので、試合が近くなると問い合わせが増えるのですが、「東海テクノが何の会社なのか」をご存じの方は少ないと思います。
ですから、せっかくなら何をやっている会社なのかも知ってもらおうと、
最近は情報発信にも力を入れ始めました。
私はSNSの運用も担当しているのですが、情報発信に苦戦していました。そんな時にファクハクのことを知り、社長に参加の打診をしました。
望月社長:
ファクハクは会社を知っていただくよい機会だと思いました。
昔は地域でその名を知らない人がいないくらいの会社でした。あの頃の知名度を取り戻したいです(笑)
もっと会社を知ってもらいたいと思います。社内では将来の東海テクノをどのようにするか社員たちにも検討してもらっています。
今回は、いしかわさんの熱意が伝わってきたので、参加を快諾しました。ただ、大切なのは継続です。「どうせやるなら続けてください」と、お願いをしました。
これからも、誰かの役に立ちたい。
いしかわさん:
ここがすごい、ここを見てほしいというところが、たくさんあります。ただ、あまり言えません。
山崎製作所の山崎社長もおっしゃっていたように、守秘義務の観点から、どんな会社さんにどんな技術・機械を提供しているかを公にできないことが多いんです。
▼ファクハクの立役者である山崎社長の記事はこちら▼
ある産業機械なんか日本全国を始め、海外にも輸出していますし、現地での組み立て・据付・使い方の指導まで一貫して弊社が行っています。
他にも東海テクノでしかつくれないものがたくさんあって、どこで活躍しているか聞いたらきっとびっくりしますよ。
でも……言えません(笑)
望月社長:
どんな製品を製造しているのか詳しく言えないながらも、「立派な仕事をしているんだ」という自負はあります。
弊社のキャッチコピーがこちらです。
うちの会社は、人々の豊かな生活を維持するためになくてはならない事業を営んでいます。そして何と言っても、うちの会社は自信を持って「良い会社」だと言えます。
目立つことこそなくても社会を支える立派な仕事なのだと、とくに次の世代を引っ張っていく若い社員たちに感じてほしいです。
今回のファクハクが、ちょっとでも社員たちの刺激になればいいなと思っています。
いしかわさん:
言うことはできませんが、そんな大きな事業に関わっていることを私たちは誇りに思っています。そしてそれが日本で、世界で役に立っている機械なんだよってことを、来てくださった方々には伝えたいです。
大きなものが得意です
栗山さん:
工場内を案内するにあたり、あらためて東海テクノがどんなことをやっている会社かを説明させてください。
弊社は今年の12月に創業77年目を迎える、中小企業では比較的歴史の長い会社です。事業内容は主に二つ。プラント事業と産業機械事業です。
「プラント事業」というとイメージしにくいかもしれませんが、「工場のタンク」と言えばわかりやすいでしょうか。材料や燃料なんかを入れておく大きなタンクを見たことがある方も多いと思います。
このタンクの設計、製作、据付に始まり、そこから中に入っているものを移動させるためのパイプといった配管に関する事業を一貫して請け負っています。
「産業機械事業」に関しても、“特定のコレ”みたいなものはなく、お客さまのオーダーに合わせて設計、製作、据付まで対応させていただいています。
わかりやすいものの一つにドラム式タイヤ耐久試験機があります。タイヤを実際にコロコロ転がして耐久性をテストするための機械です。
この二つに加え、昨今では3Dレーザースキャナーを使った計測サービスを行っています。
ざっくり言えば、東海テクノは大きなものを得意としている会社であり、お客さまが「こういった装置・機械がほしいんだけど、できる?」にお応えする形で成長してきました。
いざ、工場見学へ
栗山さん:
実際に工場をご覧いただきたいと思います。
ただ、工場が11棟もあるので、一つひとつ丁寧に解説していたら日が暮れてしまいます(笑)。やや駆け足になってしまうことをご了承ください。
まずはこちら、産業機械の組み立て工場です。扱うものが大きいので、重いものは天井に設置されたクレーンで移動させます。
あっ……申し訳ありません、工場中央あたりは写真NGでお願いします。海外のメーカーからご依頼いただいた機械で、企業秘密というやつです(笑)
先ほどいしかわさんが言っていましたが、僕らは歴が長いので、そういった機械を見ても特別な感情は持ちません。「当たり前」になっていますから。
でも、いしかわさんのような若い社員からは輝いて見えるんだなと、逆に教えられました。
こちらは金属を加工する機械。ドラム缶いっぱいに入っているのは金属の削りかすです。こういった僕らからすれば当たり前の景色も、見慣れていない方々には新鮮に映るかもしれませんね。
続いて、タンクをつくっている作業場に移動しましょう。
見上げるほどの大きなタンク
栗山さん:
このUFOみたいなのはタンクの両端の部分です。これを胴体と溶接して、一つのタンクに仕上げます。ご覧の通り、人が簡単に入れるサイズですね。
工場で組み立てまでしてしまうのはトラックで運べるサイズまで。最大で直径3.5メートル、高さ10メートルくらいです。それ以上になるとトラックに積めないので、設置場所までバラバラにして運んで現地で組み立てをします。
こういったタンクは、遠目に見ることはあっても触れられる距離で見ることは少ないですよね。なかなかの迫力でしょう。
近くにいたので、せっかくなので紹介させてください。
杉山さんはうちの長老社員です。会社に入って60年ほどで、御年77歳になります。技術もさることながら、一番年長なのに誰よりも元気です(笑)
歴史が長い会社だからこそ、見られるものもたくさんあると思います。
たとえばこちらは、先ほどご説明したドラム式タイヤ耐久試験機の〈ドラム〉と呼ばれる部品です。30年前に納入した製品の一部を、お客さまに依頼されて修理しております。
こういった技術や信頼を未来に引き継いでいくのも我々の使命だと考えます。また、杉山さんのように長く勤めてくれる社員が「東海テクノに勤めていてよかった」と思えるような会社にしていきたいです。
最後に
いしかわさん:
ファクハクでは工場内を見学していただきます。うちは工場が広く、つくっているものも大きいので見どころもたくさんあると思います。
ただ、お客さまからご依頼いただいている内容で工場内にあるものは変わってきますので、何があるかは当日までのお楽しみです。大きなタンク、大きな機械があれば、ぜひご覧いただきたいです。
そして、こんな大きなものを東海テクノという会社がつくってるんだよって、こんな人たちがつくってるんだよって、知っていただければ幸いです。