見出し画像

好きなことをやりなさい。ただ、自己実現って言葉はあまり好きではない。(若者へのメッセージ)

今回、静岡みんなの広報編集部は、江﨑グループの江﨑和明社長に若者へのメッセージを伺いました。

■ 江﨑グループ
株式会社江﨑新聞店静活株式会社株式会社静岡オリコミ

株式会社江﨑新聞店公式サイト

ARTIEをオープンした経緯やまちづくりに対する考え方はこちら

好きなことをやりなさい。ただ、自己実現って言葉があまり好きではない。

--若者へのメッセージはありますか?

「好きなことをやりなさい」
としか言えないよ。好きなことがわからないって相談もあるが、ただ好きなことを突き詰めていけば道は見えてくるんじゃないかな。スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式でしたスピーチの通りだよ。好きなもの・ことをやっていけばドット(点)がつながる形で道が拓ける。〝Connecting the dots〟だね。

ただ、自己実現って言葉があまり好きではない。ちょっと利己的な気がする。つまり、やりたいことやればいいんだけれど、「やりたいことをやること自体を目的にしてしまってはダメ」じゃないか。

そうではなくて、人のために何かするとか、やむにやまれずやったことの連なりで結果的に人は成長していくんだよ。本当にいい仕事はやっぱり、自分のためではない仕事だよ。矛盾しているように聞こえたらごめんね。

「好きなことってなんで好きなの?」って自問自答したら、その時一緒に笑ってくれる人の笑顔とかさ、自分がやっていることが誰かの役に立っているという実感が、そういう好きなことの根っこにあるんだよ。ただひたすら「自分のしたいこと」をやるんじゃなくてね。

私は静岡聖光学院中高の評議員をやっているんだけど、聖光学院の理念をひと言で表すと〝Man for others〟になるんだよね。日本語にすれば、「誰かのための己であれ。役に立つ、幸せにできる自分であれ」となるかな。この言葉はずっと昔から使われているらしいんだ。

よくプロのスポーツ選手がインタビューで「応援してくれたみなさんのために」って言うでしょ。あれは通り一遍の言葉ではなく、心から出た言葉だったんだ。だって、いくらプロのスポーツ選手やオリンピックレベルの選手であろうと、自分のためだけに練習をやっていたら苦しくなっちゃうよ。

女子ソフトボール元日本代表選手である上野由紀子さんの講演会で聞いた話をするね。北京五輪の時、直前の二日間の休みで監督から、「あなたが一番伝えたい人の前で、『必ず金メダルを取ります』と宣言してきなさい」と言われたらしいんだ。

ある人は北海道に住む高校時代の先生に、ある人は小学校で自分をいじめから庇ってくれた友達に、ある人は両親のところに、監督から言われた通り宣誓をしに行ったんだと。

つまり、世界で通用するレベルに仕上げた者同士で戦うとなった時、どこが勝負の分かれ目になるのかといえば、「あの人のために私は金メダルをとるんだ!」っていう想いの部分だよね。自分のためだけだったら、土壇場のひと粘りが出ないんじゃないかな。

誰かのためにやると、それがぐるっと回って自分のところに返ってくる。私も部下とかお客様が喜んでる姿が一番嬉しい。やっぱり、最後は理念に戻ってくるよね。


江﨑社長の愛読書

『両利きの経営』チャールズ・A. オライリー、 マイケル・L. タッシュマン著 / 東洋経済新報社

経営分野でお気に入りの一冊かな。探索と深化といって、新規事業をやりながら既存の事業も深めていく方法が書かれています。

『成功への情熱』稲盛和夫著 / PHP研究所

京セラ・KDDIの創設者である稲盛さんの書籍はほぼすべて読んでいる。中でもこれが一押しです。人生や仕事での成功の哲学が詰まっています。

『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン著 / 東京創元社

エンジンが故障して宇宙船が止まらなくなってしまう。宇宙船は光速に近づき、時間が止まりだす。そうして宇宙の歴史の終わりまで到達した時に何が起きるのか——といったお話。私、SFが大好きなの。SFって未来が描かれてるでしょ。読んでいると、事業のビジョンを考えるトレーニングにもなる気がして。


■インタビューをご希望の方へ

取り上げてほしいステキな会社や取り組みがございましたら、推薦フォームやTwitterのDMからご連絡ください。

▼推薦フォームはこちら▼
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdm1dIlHPC5gy6qxXgh_uuNUAphpRifPnGEKASdC4TwgJ0bdA/viewform

▼静岡みんなの広報公式Twitterアカウント▼
https://twitter.com/shizuoka_minna

この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro

一緒に静岡を盛り上げましょう! サポートしてくださったら嬉しいです!