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東京でOLをしながら小説を書いていた頃

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だいすきでだいきらいだった東京。
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2021年5月の記事一覧

傷も輝きのそのひとつ

傷も輝きのそのひとつ

一番怖いものは何かと聞かれたら、「絶句」と答えるかもしれない。

何もかもが怖くなると、私は言葉をなくしてしまう。伝えたかった言葉は行き場を失い、ゆっくりと心を殺してしまう。

今私は、何もかもがすごく怖い。何が怖いか考えようとするのも、考えないようにするのも。どうにかしなきゃと思うのも、どうにもならないと思うのも。ついた傷に触れるのも、無理やり絆創膏を貼って見えなくするのも。全部、怖い。

かつ

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OL小説家の休日日記 2

OL小説家の休日日記 2

休日は狂ったように、文章を書いていた。
書けなくなるかもしれない、と怯えて何も書けなくなっていた、平日の分を取り戻すように。

「あなたのやっていることなんて社会の役に立たない、全部無駄」という考えに触れても、「結局大事な人に何も伝わらないのなら、伝えようとすることは無意味」だと思い絶望しても、「書きたい」が消えなかったことに救われた。よかった、と安堵した。私には、大切なものを大切にできる強さがち

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cinderella未遂

cinderella未遂

泣き出しそうな金曜日

部長に「体調が悪いので早めに帰ります」と言う前に「ごはん連れてってあげる」と言われ断れなかった
きっと美味しいはずなのに味のしないラーメンを「美味しいです」と精一杯の笑顔で啜った

「目腫れてるけどどうしたの」と聞かれたので「昨日逃げ恥を一気見しちゃって」と嘘をついた
本当は深夜3時まで泣いていた
だから頭ががんがんするし店内が水槽越しのように揺らいで見えるなんて言えなかっ

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OL小説家の休日日記 1

OL小説家の休日日記 1

今日は、夏休みの匂いがする。

初めての風が、遠い夏の記憶を連れてくる。

畳に寝そべって眺めていた入道雲。自由研究用の大きな模造紙。溶けかけのスイカバー。母親の茹でたそうめん。おばあちゃんが育てた黄色いトマト。桃畑に囲まれた墓地。線香の匂いとヒグラシの鳴き声。

夏の記憶はどうして、こんなにも輝かしくて、胸をしめつけるんだろうか。

青色の追憶に浸りながら、洗濯物を干した。昔よく聴いていた音楽を

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