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そのチラシは、なぜ捨てられるのか


チラシは捨てられるためのもの。

(ゴミ)

かつてはそのように言われていました
今でもそのように扱われている節もあります

マーケティングを学ぶと見え方が変わってきたので
今回はそれをシェアさせていただきますね。

チラシは捨てられるもの
という考えは古い考え方

自分は現在そう感じています。

ほとんどの企業は本来、価格勝負をしてはならない

かつては大量にバラ撒き、その集客のために
何十万円という広告費用が掛けられていました

今、それができる企業はトップの数%でしょう
90%以上の中小企業さんが「できることなら費用を削減したい」
と考えているのではないでしょうか。


100円のコーラを1,000円で売る方法

という昔話題になった著書を覚えていますでしょうか。
読んだという方も多いと思いますが
マーケティングを物語仕立てで理解できる本です

この著書の中で
ほとんどの企業は本来、価格勝負をしてはならない
という文が出てきます。
コストの徹底削減が可能なのはトップにしか出来ないので
トップ以外の企業が値下げ戦略を行うことは極めて危険だということです。

自分で自分の首を締めているということです。

うん十万円もの費用をかけて不特定多数の人に広告を打ち、
1人か2人(数%)の集客があれば成功だ
(費用対効果があった)と言えるというのはトップの戦略です

そんなことはもうほとんどのお店がわかっていることですよね

はい、広告離れが起きました。
広告を使ってもさほどの効果が実感として「無い」となり、広告費用は「高い」というイメージが付いてしまいました。

ショップ店員となり、店の立場から広告を検討して見て感じたこと

これは広告を作ったことがある私が
ショップ店員となり、店の立場から広告を検討して見て感じたことです

3年ほど、地元でケータイショップのお姉さんをしていました。


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経験もあるということで3年目には広告担当になっていました

広告を打つのが時期によって恒例となっている場合があります。
ケータイショップの場合は、「学割の時期」すなわち「春」が
広告の期間になります。

学割応援!

予算の稟議が降りるので、独自のチラシを制作して
地方都市で広域にチラシを蒔くことが可能になるんです。

そこで予測を立て、計画を立ててチラシを撒きますが
リターンは数組あるかないかです
効果の実感が少ないと感じてしまうのですね。

その広告期間に実際にケータイが必要になるのは
ほんの一握りの家庭です
多くの人は「面倒だから」と家電量販店でサクッと契約をするのです

チラシ 打つ意味はあるかないか

これを意味があったかないか
と問うとすると
実際には「1組、2組の来店には至った」
ということになりますが
短期間の間においては「大した効果は無かった」と
いう人もいるのでは無いでしょうか。

チラシで「来店」しても成約率はそこからさらに減る

チラシでお店があったことに気がつき、
来店しても制約に至るか至らぬかは未知数です。
その時の対応が悪いと感じれば、
お客様は離れていくでしょう。


肝心なのは、○○のお客様

実は、肝心なのは普段から来店するお客様です。

<きっかけ>
1. 何か問題ごとがあってお店に立ち寄る

<対応>
2. 親切・丁寧に対応してもらう

<効果・作用>
3. 恩が生まれること/信頼関係が成り立つ

3まで行かないと滅多なことで
お客様は耳を貸してくれませんし、
買う気も起こしません。

3まで行ってはじめて
「今日は時間あるし、
ちょっとだけ話を聞いてみようかな」

となり、
「それは自分にも必要かもしれない」となるのです。


「変なお客さんしか来ないんです」

かつて働くケータイショップの近隣地帯は
生活保護をもらっている低所得層が多いと
言われていました
「変なお客さんしか来ないです」
私も、後輩も含めいつもそう思っていました。


実際に変なお客さんも来ていました


しかし途中からみんなの考えが変わります。

「変なお客様も、お客様なのだ」
「とにかく来た人全員に本気で売り込め」
そのような波に変わったのです。

きっかけはお店の存続でした。

売上がない店舗は容赦無く本社経営に変えていく

という通達が通信会社(キャリア)からあり、
私たちのお尻に火がついたのです。
「必要とされていない感」がプンプンでした

がーん。。。

実はそこがチャンスだったのです

「1人の人に最低でも2つ以上の契約をとるか、
付属品を5つはつけること」という半強制ノルマ。

クロスセリング・アップセリングですね。

売れずに帰ってしまえばすかさず店長からの内線。
「なんで売れなかったの」「いまのはなんだったの」と
圧をかけられ、接客が長ければ接客中にも
「早く終わらせて」と内線がきます。
容赦無く叩かれストレスでげんなりです。

しかしまた、
これによって自分たちは
売上を上げることができるようになったのです。


ピンチになって火がつき、「たとえ変なお客さんでも
頑張れば買ってくれるかもしれない」と考え
来た人全員に、必死になって売り込みました。

売上の立つ外部スタッフが派遣で来たことも。
刺激を受け、少しずつ意識が変わって行きました。


自分たちは、
「お金のない、買ってくれないお客さんだ」と
決めつけて
自らマインドブロックを作り上げていたんです。

実はお金がなくても必要を感じれば人は買う

このことに気がついてからは
スルスルと契約が取れるようになっていきました。

まだネット契約していない人にはネット契約を取る。
契約できない人には
モバイルルーターを契約してもらう。

お客様にとって便利なんだ、必要なんだと思わせる
理由を必死に探した結果、
パターンすら見つかりました。

契約出来ない人が来た時は
「次の日曜日に、家族を連れて来てください」
「必要な持ち物はこれとこれと・・・」そこまで丁寧に伝えます。
できるだけ親御さんに嫌われないように、
メッセージまで書いて持たせたり・・・。

お店の電話から家に電話してもらい、
今から来れるか確認してもらうことも
しばしばありました。
時間があれば「今日中に」契約してもらうのです。
ダメなら予約です。

今度と言われたら、「いつ来れますか?」と
来店予約やお取り置きで予約を確定させます。
来ない人には催促の連絡も。

ちょっとしつこいと感じるかもしれませんが、
必要性を説得し、買う気になったお客様は、
割と快く応じてくれました。

結果。リニューアルオープンに成功。

となりの空き地にリニューアルオープンとして
新店舗が建ったのです。
私はその頃には先輩に誘われて
デザイナーとして復職、復帰していましたが
その時いたMさんという子は、
リニューアルオープン後に業績を買われ
支社のある市へと出向を果たしたのです。

オープンおめでとう


ん…じゃあ、チラシの目的とは?

ついつい長くなってしまいましたね。

チラシは「認知されること」が大切

「チラシは費用対効果が大切」と言われますし、
計画性は必要です。
1%の効果が1.3%に上がったからと言って
1日に3組の来店しかない小さなお店に
どれだけの効果があるでしょうか。
ここだけを取ると、
やはりトップの戦略感が否めないのです。

ですが
実は限られたキャンペーン期間内での来客は少なくても
「困った時にあそこにお店がある」ということを
できるだけ多くの人に知らせることは大切です。

「そういえば前にチラシも来てたなあ。」
来店してくれるお客様には
そんなお客様もじつは結構多くいるのです。

潜在客を増やすという目的がある

チラシにはそのような目的もあります。

普段からチラシを目にしていると
何かあった時に思い出されやすくなるのです。

地方のケータイショップは来客が少ない


1日に3組の来店しかない小さなショップで
売上を上げて行くには
すでに買ってくれたお客さんにさらに買ってもらう
必要性がありました。

そこでの鍛錬が、結果的には
チラシを思い出してくれたお客さんが
たまたま来店した時にも
ためらいなく一気に契約・販売することが
可能になりました。

チラシの効果に頼るだけでなく、
実店舗は実店舗の戦略や
対応の工夫を続ける必要があるのだと学びました。

なんかこれ、図解できればわかりやすかったですね。
すみません。


広告の価値を見くびってないか

チラシだけでなく広告ツール全てに言えるのですが
単体としての効果よりも相乗効果を考えてください

広告は、接客ツールの一種なんです。

私たちがショップで「こんなお客は買ってくれない」
と勝手に決めつけている節と
同じようなことが広告という分野でも起きています。

チラシ撒いた。
お客さん、全然来なかった。
効果なかった。
広告出しても意味がない。

(意味ないじゃん。面倒だしやーめた!)

これはあまりにも短絡的すぎます
(と言えるのは私が広告の肩を持っているからですが。)


結果は自分で出して行くもの

ケータイショップでのエピソードと似たようなことが
過去に体験でありませんでしょうか。

勝手な思い込みで、チャンスを自ら逃している

そのようなことは往々にしてあることです。


確実に結果を出すためにプロに頼ろう

ここでの着地・結末はここまでにしておきますが
noteにて私が広告制作や接客を経験してきて感じたこと、
こう考えたらいい
こう使ったらいいということを
ご提案していければなと思います。


ちっぽけですが、結構プロですよ

そのチラシはなぜ捨てられるのか 続編をお楽しみに。

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それでは、また。^^


小さなお店に少しでも広告による効果を実感していただきたい
そう思っています。

白川志都香 プロフィール






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