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カミとつながるために

昨年6月、フランスの教会で合唱団の公演中に感じたことがあります。

フランス革命をはじめ今日の世界を形作る原点となった出来事を目撃してきた歴史あるパリの教会。

数多のミサ曲を奏でてきたパイプオルガン、聖人や聖書のシーンを描いた壁の絵画、天使の彫刻を施した石柱。

そして、共鳴する合唱の響き、屋根のドームに響いたハーモニーの余韻。

その場に身を置いて感じたのは、教会が西洋人が神とつながるための場であり、舞台装置なのだということ。歌や音楽は触媒のようなものかもしれないと。

そうやって、ミサや礼拝に集った人々は魂の高揚や、神とつながる感覚をたしかめたのかもしれないと思いました。


一方、日本人はどうかと考えました。

日本人は、自然の中にカミを見、己の身の内にカミを感じ、いつもつながりを感じていたのではないかと思いました。

それは特別な場や機会を必要としないので、毎日朝日を見ながら、清らかな山や川、田や畑で日常の暮らしをしながら、仕事や家事をしている時もそうだったような気がします。

ほら、日本人って、神々しい滝や、日の出の太陽を見ると、自然に手を合わせるじゃないですか。

「なにごとの おはしますかはしらねども かたじけなさに 涙こぼるる」

西行 『西行法師歌集』

西行が伊勢神宮参詣の際に詠んだ歌にも通じるものがあります。

けど、今の日本人は、美しい自然を汚し、破壊してしまいました(太陽光パネルで覆われた地のおぞましさよ)。

アスファルトに覆われた地面、人工物だらけの街中ではカミを感じるどころではありません。

今年7月の横浜みなとみらいの合唱公演では、
「日本人のカミとのつながり、絆を取り戻す」
そんな思いも込めていこうといます。

↓ みなとみらいホールの公演情報にアップされました!
一流のプロが出演する舞台に、身が引き締まる思いです。




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