casta diva
この曲を聴いた時
私は 自身の『美しい死』を想った
ナゼ そう感じたのか
楽曲の背景を知れば
納得いくものだけれど
月の女神に祈った Norma の想いを
見事に歌い上げているカラスは
言うまでもなく
私の中で 最高のプリマドンナ。。。
「すべての優れた人間は 哲学者であれ 政治家であれ
あるいは詩や芸術における天才であれ みな憂鬱質」
そう語ったアリストテレスによって
知的活動や芸術の創造に適した性質と考えられるようになった
メランコリアという憂鬱質
「社交的で開放的で活発な性質とは対極にあり
現世での世俗的な成功は望むべくもなく
孤独のうちに みずからの創造の世界に没頭するストイックな芸術家を想起するもの」
ノルマを演じきったカラスも 例外ではなく
そんな 孤高の芸術家だった事に
私は救われる
痛みと苦しみに もがき続け
真紅に染まる血潮に塗れる己の姿は
ドラマチックな生涯を望むには
決して無駄な状況ではないような気がする
いや 寧ろ
私の人生に於いては
歓迎すべきコトなのかもしれない
私の想う『美しい死』とは
愛する男の手にかけられ
涸れ尽きるその瞬間まで
お互いの血に交わりつつ
狂おしく 逝くものだ
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