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令和四年度の新米の販売が始まりました。①〜水路作りから冬期湛水まで

今年のお米つくりはずっと試したいと思っていた農法を初めから終わりまで取り組んだ一年でした。昨年の稲刈りを終えてすぐ、田んぼの周りに水路を掘って小さな生き物たちが卵を産んだり、暮らしたりできる環境を作りました。


それから田んぼ一面に水を張って冬期湛水としました。冬期湛水とは、冬の間中ビオトープのようにしておく農法です。ふゆみずたんぼとも言われます。 水を張ることにより、微生物やイトミミズ、いさごむしなどさまざまな生き物が増え その生き物を餌とする鳥も訪れることで、長い時間をかけて豊かな土壌が作られていきます。 現在は冬の間、農業用水路の水を止めるところも多く、 冬季湛水を行える田んぼも限られますが、一昨年から新たにお米つくりを始めた圃場は、これまでの圃場と異なり、冬期湛水ができる環境で、ずっとやりたかった冬期湛水に取り組むことができました。


冬の間も田んぼの水を見に行きます。雪が積もると水路の水が詰まって田んぼに水が入っていないことがしょっちゅうです。そんな時は、冬の間雪に車がはまって動けなくなった時用に車に積んであるスコップで水路の雪を掘って水を田んぼに流します。


水を張った田んぼは氷点下を下回った日はスケートリンクのように分厚い氷が張って、歩いたり、滑ったりして遊びました。



冬の間の水を張った田んぼでは小さな生き物の姿を見つけるのが楽しみです。田んぼの中の世界は不思議な感じで、水中を小さなイトミミズが踊っているように漂って、それはまるで宮沢賢治の世界と同じ世界を私は見ているのだと思うのです。ゲンゴロウが定期的に空気を吸いに上がってくるのを待つのも面白いものです。また、綺麗に着飾ったイサゴムシをゆっくり時間をかけて探すのです。小さな小石を宝石のようにまとったイサゴ虫や、枯葉を重ねてオシャレに着こなすイサゴ虫もいます。(春の部へ、つづく)

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