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SNS×リアルで発信力UP! [本レビュー]自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書

実名でSNSを運営することで人生を切り拓くための『教科書』
SNSを実名で運営すると、ネットもリアルも充実する!?
メリット・デメリットはもちろん、炎上対策もばっちりな「普通」の人必読の書

220ページ程度で非常に読みやすいのですが、考えさせられるところ、得られるところが多々ありました。
 
 以前ご紹介した「ちきりん」さんは匿名でブログを運営して大成功された方ですが、本書の徳力さんは、実名でSNSを運営することでビジネスチャンスをゲットされてきた方です。
 
 徳力さんは、社会人としてのスタートをNTTという大企業からスタートされていますが、社風にあわず、その後に転職されたIT系コンサルティングファームも1年程で退社されたようです。しかしながら実名でブログを運営されていた時から、個人としての発信力を社内・外で評価されていたことから、アジャイルメディア・ネットワークの代表取締役社長や取締役CMOを歴任し、現在はアンバサダープログラムのアンバサダーとして、企業のソーシャルメディア活用についての啓発活動を担当されています。また、noteプロデューサーの肩書もお持ちです。
 
 徳力さんは、ビジネスパーソンにとっての発信のメリットとして
➀ 「蓄積効果」
➁ プル(pull)のコミュニケーション
を挙げられています。
 
 「蓄積効果」
p.6 "ビジネスパーソンにとっての発信のメリットは、その「蓄積効果」にあります。発信の一つひとつの効果は小さくても、それらは蓄積され、可視化されていく。継続的に蓄積された情報は、発信者への信頼感を醸成します。この蓄積効果はネット上だけにとどまりません。発信者の評価としてリアルに反映されていくのです。"
 
 プルのコミュニケーション
p.6"発信を続けていると、向こうが好きなタイミングであなたの情報を検索し、読みにきてくれます。本当にその情報を必要としている人が必要としているときに届くのです。"
実社会に「普通の人」として生活していて、芸能人や各界の著名人と知り合いになれる機会はなかなか存在しません。
 
 しかしながら、ネットの世界は非常にオープンな社会です。
 
 そういった著名人の方々が突然、「お話を聞きたいのですが」と自分をたずねてこられるのはまず期待できません。
 
 一方、SNSで発信をしておけば、そういった方々の目にとまる可能性が生まれてきます。その時に、匿名でなく実名で記載をしておけば、信用・信頼も増しますし、直接連絡をもらえる可能性もゼロではありません。
 
 ただし、可能性はあるといっても、そうたやすいものではありません。

 徳力さんは、初めから効果を期待するのではなく、発信の積み重ねが大切と説かれています。
 
p.166 "基本は「自分のためのメモ」です。数字に関心を寄せすぎないようにしましょう。数字に一喜一憂するよりも、コミュニケーションできる同じ業界の仲間がいるかどうか、日々ウォッチして勉強をさせてくれる師匠を見つけられたかどうかといった点に着目したほうが、よほど仕事のためになります。
 仲間や師匠を得るためには、自分の価値観や興味、意見を積極的に出すような発信をしましょう。すると自分と似た立場にある人、同じ業界や近い業界の人、同じ価値観の人が集まってきてくれます。それはほんの数人であっても、リアルのつながりと変わらない、大きな価値のある人たちです。
 コミュニケーションのないフォロワーがたくさんいるよりも、はるかに質のよい、熱量のある価値です。交流ゼロの無言のフォローより、自分に興味をもってくれてコミュニケーションができる仲間を増やす意識で発信していきましょう。"
 
 本書では、実名でSNSを運営するデメリットについても解説されています。
 
 例えば所属している組織の問題や、炎上などについてです。 
 こちらについても本書では詳しく解説されています。
 
 ポイントは、ネットでもリアルでも、必要最低限の人としてのマナーを守るという点です。
 
 SNSを運営するにあたっては、組織の方針は必ず確認しなければなりませんし、顧客や組織の個人情報などの漏洩はNGです。
 
 炎上についても、最初の発信で起こることはまれで、その後の対応がまずいことで起こることが多いと説明されています。
 
"p.203 炎上は、最初の対応で起こることはあまりありません。炎上が起こるのは、往々にしてその後の対応を間違えているからです。
 間違いは誰にでもあるものです。その時、不適切な言動を認めて修正し、謝罪すれば、まず炎上することはありません。これはリアルのコミュニケーションと同じです。"
 
 私は、今運営しているブログが少しでも人気がでればいいなと、SNSやブログ関連の書物をチェックしているのですが、次の言葉が非常にささりました。
 
p.167 "あなたの発信を読んでくれた1PV、1フォロワーを、単なる数字と思わず、「人」と出会ったと認識するようにしましょう。リアルで一人、友人が増えたらそれは大きな出来事だと思います。ネットも同じです。一人でも数人でも、自分のおしゃべりを聞いてくれて、コミュニケーションをとれる人がいるのは、それだけですばらしいことではないでしょうか。"
 
 数にこだわらず、自分の発信を目にしてくれる、場合によっては時間をかけて読んでくださる方々がいらっしゃることに感謝をしながら、発信を楽しんでいこうと思うに至りました。
 
 購入してよかったと思える一冊でした。


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