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東京アイデンティティ。

わたしは東京生まれ、東京育ちです。
今となってはまず東京出身には見えないようで、秋田出身ぽいよね。と言われたりするけれども。

確かに、何故かわたしは小さい時から田舎に憧れていました。
大人になったら、海と山と川があるところに絶対に住もうと想い続け、ジブリアニメの「おもひでぽろぽろ」という作品の、境遇がそっくりな主人公を自分と重ねては繰り返し観ていました。

東京が嫌いだった頃もあります。
その時のわたしには、自分が欲しいものは東京にはまるでないと思っていました。

それ以前に、欲しいもの、欲しくないものを取捨選択できないときつい場所だと感じます。
特に都心部を歩けば、文字、人、匂い、音、色、光などの情報が容赦なく入ってくるし、あけっぴろにしていては知らず知らずのうちに良くないものも染み込んできたりする。
買い物をしたって、コミュニケーションを取らなければ、家に帰る頃にはビニール袋やクーポン券などの付属品に溢れちゃうのだから。

そんな東京とわたしの関係性もあるけれど、ふとした場面で「それでも自分は東京の人間なんだ」と思うことがあります。

学生の時の農業の授業で、ひとりだけ裸足で田んぼの中に入れなかった時はそう思ったなあ。(へえ、そこは無理なんだと驚いた)

しかし、暮らす場所としては選ばないけれど、今は外せない場所です。

自分の中に軸が出来てくると、雑多で膨大な中でもステキで面白い事物や人だけが光って浮き上がるようになるし、不思議とあちらからこちらにやって来てくれるようにもなる。

東京生まれなんてつまらないと思っていたけれど、いよいよ夢の地方に根を下ろすことになった時、きっと東京で過ごした時間が隠し味になってくれるんじゃないかと思っています。

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