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あなたが「誘われなかった飲み会」が持つ意味

社会人が「飲み会に誘われない」ことが「仲間外れにされた」ことを意味するのか、私は先日ふと疑問に思った。

似た者同士・同じ志を持つ者同士は自然と集まり、肩を寄せ合うという。
英語には、"Birds with same feather flock together"(同じ翼をもつ鳥たちは集まる)というまさに言い得て妙の慣用句があるらしい。
同じ部署、目標、趣味。なんでもいい。自分を理解してくれる人、一緒にいて居心地の良い人を、私たちは常に探している。
特に同じ苦境を乗り越えた者たちの結束と信頼は、何にも増して強い。

そして私は、社会人になって、従業員の少ない小さな組織である私の会社内でさえ、自分が呼ばれる飲み会・呼ばれない飲み会があることに気づく。

呼ばれない飲み会、はだいたい行きたくない飲み会だったりする。なんだろう、苦手な人がいたり、ちょっと無理をしなければならなかったり。
呼ばれる飲み会の中には、明らかに自分が若い女子要員だろう、という居心地の悪いものも存在するが、楽しいし、大体が目的に叶っている。
2年前とは常識もルールも様変わりした世の中では、「気軽に飲みに誘う」というハードルが高くなっているのだろうとも思うが、それを差し置いて、「飲みの席」で「飲みたい人」と飲むことには、社会人にとっての暗い部分を一番明るく明示しているような気がしてならない。

近頃新入社員が増えてきた私の会社では、1年と経たないうちに、自然と飲のグループが出来ていたりする。が、私は大体入っていない。(ちなみに私は下戸だが、そもそも周りはそのことを知らない。別にそうであったとしてもジュース飲んで同じテンションで話せればいい。)

あっ、外された…

最初はそう思った。「その誘われなかった飲み会」が持つ意味を考えた。
その飲み会に参加すると聞いていた「あの人」と話す機会を失う。なんとなく少人数で仲良くなっていって、うちわネタとか噂話とか出てきたりして、そのグループに対しての疎外感が強まる。とか。
初めはネガティブなことしか思いつかなかった。正直、まだ新卒2年目である私にとって、形成されつつあるグループから省かれるのは結構キツイ。幼い頃よく幼馴染グループにハブられた思い出の古傷がえぐられる思いも感じたり。

そして次に、「その誘われなかった飲み会」に誘われない理由を考えた。
なんか話しにくいから。ちるこ(私)に知られたくないことがあるから。盛り上がりに欠けるから。ああ、それと…。うちのチームの若手エースは、「嫉妬されているからかもよ」とか言っていたっけ。
色々思いつくけど、やっぱり心地の良いものじゃないな。

だけど私は、そこに救いを見出すことになる。

あれ、単純に、「合わない」からじゃないか?と。

会社の組織において、確かに横のつながりは大事だ。もちろん会社の催しのあとのパーティ、チーム飲み、プロジェクト完遂の打ち上げ、など大多数が分け隔てなく参加する飲み会も存在する。その中で、あえて少人数で開催する飲み会は、いわゆる似た者同士、理解しあう者同士を見つけあったからなんじゃないか?私から誘う事がないので開催する側の意図はわからないが、それをいちいち気にするのではなく、合う人同士で集まることのある意味結束の強さを思い知るのである。過去を振り返ってみても、自分が幼い頃から、人が集まる、ということは、合う人同士がいたからだったんだ。

これは、幼い頃周りにいじめられていたことに対しての、自分への救済的なエッセイなのかもしれない。
思えば、小学生の時は、あまりに自分が周りとずれていたせいか、友達が一人もできず、「自分は一匹狼である」と公言していたっけ。そんな私も、中学から大学、社会人になってからも、気の合う人と知り合い、友達や仲間でいることが出来ている。

その日から私は、会社内での陰湿な会話だったり、周りでグループが形成されて行っても、気にならなくなった。

まあ、私は同期が一人もいないので、そろそろグループを作り始めてもいいのでは…、と、この前は社内クラブを立ち上げたりもした。スポーツをするという同じ志の社員たちと、お互いが無理することなく楽しめる場を作っていくことに徹しようと思っている。

居場所づくりって、人に頼ってその場所に属するのもいいけど、自分からつくることでも、救いになるなあ、と、会社の休憩時間の合間に、こんなエッセイを記してみた次第である。

外されたり、いじめられたり、世知辛いことが多い中で、自分が属さないグループに属していないけど、属しているグループがあるということ、それを認識していることは、自分を持っている証拠に過ぎないと思う。もちろん最低限のマナーや常識は必要だとしても、絶対に自分が居心地の良い場所はあるんだと思うと、人間関係もそう複雑ではないのかなと考えたりしている。


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