望月史郎

公認会計士・税理士の望月史郎です。 https://www.ctplt.jp/

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最近の記事

AI時代におけるビジョンの重要性とリーダーシップの役割

AIやロボットが急速に進化し、ビジネスの現場でもその影響力が拡大していく時代が目前に迫っています。そのようななかで、ますます重要になっていくことが、”人が掲げるビジョン”だと思っています。これからの時代、ビジョンこそがリーダーシップの中心であり、それが組織の未来を決定づけるといっても過言ではないと思います。ビジョンは単に目標を設定するものではなく、組織全体が共感し、一丸となって目指すべき方向性を示すもので、組織が社会に存在する理由そのものじゃないでしょうか。  特にAI時代

    • 日本政策金融公庫と税理士の連携強化:TKC勉強会で得た重要なポイント

      昨日、TKC主催の開業税理士・公認会計士向けの勉強会に参加してきました。この勉強会では、「日本政策金融公庫の取り組みと税理士の皆さまとの連携」というテーマで、約2時間にわたり詳細な情報が提供されました。勉強会の内容は非常に有益で、日本公庫がどのようにして中小企業を支援し、税理士との連携を強化しているのかについて学ぶことができました。以下に、特に印象に残ったポイントをまとめます。 1. 日本政策金融公庫の概要  日本には約340万から350万の中小企業が存在し、そのうち約1

      • AIを使わない選択肢はない:会計士の視点

         現代のビジネス環境では、効率と精度がますます重要視されています。特に経営者層やCFO、財務責任者、スタートアップの創業者、M&A担当者、成長企業の社長や役員、そしてリーダーシップを重視する経営者にとって、AIの活用は選択肢ではなく、必然です。AIは、業務を迅速かつ効果的に遂行するための強力なツールであり、その導入は競争優位性を大きく高める要因となります。  私たちCATAPULT会計事務所でも、ChatGPTなどのAIツールを積極的に導入しています。現段階では、データ入力

        • 公認会計士が経験から学んだビジネスの原則:等価交換の原則とマーケットの関係性

           ビジネスが上手くいくための再現性のある法則や、本当に使える考え方について、ビジネスに携わる人は常に模索しています。しかし、ビジネスは非常に個別的かつ具体的なものであり、ケースバイケースで成り立っています。運や確率の要素も少なからず存在する中で、上手くいくビジネスの背後には一定の法則があるのではないか、と考えざるを得ません。  その中でも、私が注目しているのが「等価交換の原則」です。これは、等しい価値が存在する場合に交換が成立するというシンプルな原則です。しかし、ここで重要

        AI時代におけるビジョンの重要性とリーダーシップの役割

        • 日本政策金融公庫と税理士の連携強化:TKC勉強会で得た重要なポイント

        • AIを使わない選択肢はない:会計士の視点

        • 公認会計士が経験から学んだビジネスの原則:等価交換の原則とマーケットの関係性

          中小企業が押さえるべきポイントとそのチェックする頻度

           中小企業が業績を向上させるためには、適切なビジネスの重心ともいえる重要ポイントを設定し、定期的にチェックすることが不可欠です。  重要ポイントは、ビジネスの勝ちパターンと目標に直結しており、組織全体が状況を測定し、どうやって改善していったらよいかの方向性を示す役割を果たします。   以下では、まずは最低限として中小企業が特におさえるべき重要なポイントと、それぞれのおススメなチェック頻度について説明していきます。 週次売上高  売上高はビジネスの成長を直接示す最重要ポイン

          中小企業が押さえるべきポイントとそのチェックする頻度

          資金繰りの終わりなき旅 〜管理会計で掴む未来〜

           企業経営者は、会計の重要性を理解しながら、具体的にどう取り組めばいいのか日々考えていると思います。特に、黒字化を目指す企業や、ようやく黒字化し始めたばかりの企業、また赤字事業を抱える企業にとって、管理会計は資金繰りを健全に保つために不可欠なツールとなります。今回は、管理会計を活用した資金繰り改善のポイントについて説明したいと思います。 発生主義による仕訳計上の重要性  まず、管理会計の基本として、発生主義による仕訳計上が挙げられます。発生主義とは、取引が実際に発生した時

          資金繰りの終わりなき旅 〜管理会計で掴む未来〜

          管理会計の主要な手法:これが私の生きる道

           ビジネスを成功させるためには、単に数字を追いかけるだけではなく、その背後にあるストーリーや戦略が欠かせません。  管理会計は、まさにその道を示すナビゲーションツールです。  例えば、目的地に向かう際に、途中で立ち寄るスポットを決めたり、どんなファッションで、どんな車に乗り、誰と一緒に行くかを考えるようなものです。  そして、その目的地まで正しく進んでいるかを確認するためのツールが管理会計です。  このチェックを効果的に行うために、いくつかの代表的な手法がありますので、わかり

          管理会計の主要な手法:これが私の生きる道

          なぜ課題管理、課題解決が進まないか?組織における問題点は?

          ”課題”解決こそが仕事といえると思います。その課題を管理して、順次、解決していくこと、”しごでき”の人*なんだと思います。*ネットラングで仕事ができる人の略 たくさんのクライアント先で課題の進捗管理をしているところを見ていると、会社独自の管理手法なのか、属人化の結果の管理手法なのかいろいろありますが、上手に組織、チーム単位で進めているところはそれなりの仕組みを入れていました。 以下では、組織、チームによって異なりますが、課題管理や課題解決が進んでいかない理由・問題点を探ってい

          なぜ課題管理、課題解決が進まないか?組織における問題点は?

          ビジネスやってて、会計しらない人の致命的弱点の7選

          ビジネスを行う上で、会計知識がないことがどれほどのリスクになるか…を理解してもらうためにまとめました。会計を知らない、分からない、興味ががない経営者が抱えるであろう致命的な弱点を7つ挙げ、それぞれのリスクについて説明しました。 1. 正確な経営判断ができない 会計知識がないと、経営判断が直感や経験に頼ることになります。つまりは、根拠がないのです。数字に基づかない判断は、思わぬ損失を招く可能性が高く、会社の方向性を誤ることにもつながります。根拠がないため、再現性もない。直感

          ビジネスやってて、会計しらない人の致命的弱点の7選

          倒産しないために本当に節税が必要ですか?

          倒産を避けるために、節税をすることが正しいと考える経営者も多いかもしれません。しかし、これは間違った考え方です。倒産は、資金がショートすることによって起こります。黒字であっても資金不足により倒産してしまうことがあるのです。 では、潤沢な資金を確保するためには、節税が有効なのでしょうか?節税とは一般的に「税金を減らすこと」を意味しますが、税務の専門家から見れば、節税とは制度に則った税額軽減策を指します。たとえば、償却資産への投資を節税と考える人もいますが、これは単に課税のタイ

          倒産しないために本当に節税が必要ですか?

          「管理会計って意味ないじゃん?」に対しての反証

          「管理会計って意味ないんじゃない?」という声を聞くことがあります。「利益管理しましょう!」「原価管理しましょう!」と言っても、実務に携わる人からは「そこまでしても意味ない」と言われることがあるのです。実際、会計士や税理士、さらには経営者からもそんな声が聞かれることがあります。私自身も、他の会社の管理会計を見て「これじゃ意味ないよね」と感じることがあり、途中で諦めたくなる気持ちは理解できます。そこで、「なぜ意味ないと思われるのか」と「どう改善すればいいのか」を整理してみました。

          「管理会計って意味ないじゃん?」に対しての反証

          いったい『ビジョン・バーストPDCサイクル』なんでしょうか?

          はじめに こんにちは。公認会計士・税理士の望月史郎です。私は、CATAPULT会計事務所およびカタパルトコンサルティング合同会社を運営しています。先日、NOTEに「『ビジョン・バーストPDCサイクル』の重要性」という記事を投稿しました。しかし、読者からは「専門的すぎる」「わかりづらい」というフィードバックをいただきました。率直なご意見、本当にありがたく受け止めています。  私個人としては、ビジネスをしていくうえで、私が考えている仕事のエッセンスというか、利益の源泉となる考え方

          いったい『ビジョン・バーストPDCサイクル』なんでしょうか?

          『ビジョン・バーストPDCサイクル』の重要性

          このフレームワークは、一見すると基本的で当たり前のように感じるかもしれません。しかし、「ビジョン・バーストPDCサイクル」をしっかりとイメージすることで、各段階がどのようにビジョンをサイクル全体に浸透させ、爆発的な推進力をもたらすかを明確に把握できます。これにより、考えが整理され、ビジョンに基づく計画を効率的かつブレることなく進めることができます。 どんな目標やビジョンでも、このフレームワークに従ってリソースを適切に配分し、計画的に進めていけば、「いつか」そのビジョンを達成

          『ビジョン・バーストPDCサイクル』の重要性

          いえない高収益企業の実態

          どうも、公認会計士・税理士の望月です。 今日は、上記のタイトルに関してお話をしたいと思います! 私は、大学を卒業後、証券会社で約2年間働き、その後、公認会計士の資格を取得するために勉強期間を経て、現在のPwC監査法人で約7年の監査経験を積みました。その後、中小監査法人で監査に従事しながら、自身の会計事務所とコンサルティング会社を10年ほど経営してきました。 その実務経験のなかで、「こんなこともしているのか!」、「こんなこと教科書には書かれていない!」と驚くことも多くありま

          いえない高収益企業の実態

          第7回 「次月への準備と継続的改善」

           前月の決算情報から得られたフィードバックをどのように次月の経営戦略や業務計画に活用するか、その具体的な手法を紹介します。また、財務指標の見直しや経理プロセス全体の継続的改善の方法についても掘り下げます。これらの取り組みによって、企業は財務報告の精度を高めるとともに、柔軟かつ効率的な経営基盤を構築できるようになります。 決算情報のフィードバック活用方法 月次決算の情報を効果的に活用することは、企業の財務管理や戦略的意思決定において極めて重要です。まず、前月の決算情報を振り返

          第7回 「次月への準備と継続的改善」

          第6回 「月次決算の分析」

           本セッションでは、月次決算の分析に焦点を当て、企業の財務健全性、運用効率、および収益性を評価するための主要な財務比率の解析方法について深く掘り下げます。さらに、実例を用いた分析のデモンストレーションを通じて、理論を実際の状況に応用する方法を学びます。 主要な財務比率とその解析方法 財務比率分析は、財務報告書から得られるデータを用いて企業の財政状態を評価する強力なツールです。以下に、最も一般的に使用される財務比率とその計算方法を示します: 流動比率(Current Rat

          第6回 「月次決算の分析」